青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

天然の山の望楼

2017年11月14日 23時00分00秒 | 秩父鉄道

(秋晴れの秩父路へ@嵐山PA)

今回の秩父行、子供からは「鬼怒川温泉行ってスタンプを押したい」旨の要請を受けてはいたのですが、ヨメさんから「そんなところまで行ってスタンプだけ押してすぐ帰って来るとかカネの無駄。行くんだったらちゃんと計画してせめて一泊ぐらいして来なさい」といういいんだか悪いんだか分からないクギが刺さった(笑)。鬼怒川と言う案はなくなったのですが、私としては秋らしい紅葉の写真が欲しい。紅葉だとわたらせ渓谷とかも一瞬考えたんだけど、ちと遠いんで最終的には勝手知ったる秩父と言う事になりました。前に行ったのが5月の終わりだから半年ぶりくらいか。圏央道を使って花園まで家から2時間ちょっと。関越降りる手前で寄った嵐山PA、空を見るにつけ先週に続いてバリ晴れは確定か。


季節は晩秋、最近は朝晩の風にも冷たさを感じるようになって来ましたね。寒くなれば空気も澄み渡っていわゆる「ヌケ」が良くなる季節なので、秩父沿線で行ってみたかった俯瞰に登ってみる事にしました。場所は波久礼駅の西、この辺りは荒川がオメガのような曲線を描いて蛇行するのですが、その蛇行する川に突き出た小山があります。ここが今日の目的地である金尾山からの俯瞰ポイント。


この山の南側斜面は「金尾山つつじ公園」と呼ばれ、春には山いっぱいのつつじが咲き乱れるのだそうな。秋から冬にかけてのこの時期はその面影のかけらもないですが、頂上までは麓の駐車場から木道の斜面を登る事15分程度。子供連れですのでそんなムチャな俯瞰には登れませんのですが、子供の分まで荷物を背負って上がるのは運動不足の体にはしんどいね(笑)。子供が道端でキノコを見付けたりして余計に時間がかかりましたが、山の上に見えてきた展望台が撮影地。


金尾山は、戦国時代に築かれた鉢形城の支城として、荒川の要害に作られた山城でもありました。山は三方を荒川に囲まれ岬のように突き出しているので、とにかく見晴らしが良い。これは寄居の市街方向を眺望した構図ですが、左下に波久礼の駅と秩父鉄道、真ん中に皆野寄居道路のアーチ橋、その奥の山におそらく鉢形城があったのではないだろうか。東武東上線にも寄居の2つ前に鉢形って駅がありますがね。


こちらは秩父盆地方面。要害の山城の下を蛇行する荒川と、それに寄り添う秩父鉄道と国道140号線。ちらりと荒川の川面が見えますが、その流れを覆い隠すようにこんもりとした河岸段丘が続いています。河岸段丘に生えた木々は紅葉していて、あたかも回廊のようになっています。


山の上の展望台は誰もおらず、楽しい貸し切り状態。とりあえず荷物を降ろし、子供と二人で持って来たパンを食べながら三脚をセッティング。さすがに山城に使われた場所らしく、天然の望楼のような眺め、これならどっから敵が来てもたちどころに見付かっちゃいそうだね。
コメント
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