青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

岩峅寺縁起

2018年09月26日 17時00分00秒 | 富山地方鉄道

(いつ見ても威風堂々@岩峅寺駅)

地鉄の旅は、鉄道車両もさることながらその鉄道を取り巻くストラクチャーを愛でる旅だと思っているのですが、そういう視点からは絶対に外せないのが岩峅寺の駅。駅の裏手にある前立社壇こと雄山神社の参拝客を迎える風格のある駅舎は、いつ見ても威風堂々としている。雄山神社は立山の頂上にある峯本社、中宮の祈願殿、そしてここ岩峅寺の前立社壇の三つから成り立っていて、古くから霊峰立山の山岳信仰を集めた由緒正しき越中富山の一の宮。


そんな風格のある地鉄の岩峅寺駅は、富山からの上滝線と寺田からの立山線の接続駅。どちらに乗っても電鉄富山までは35~40分程度。本数の多さでは立山線がリードしていますけども、富山市街の南部に行きたいのなら南富山経由の上滝線の方が便利。寺田経由でやって来た岩峅寺止まりの電車が、電鉄富山行きとして折り返しの準備中。立山側の方向幕が壊れているのか、運転台にサボを出しての運用です。


休日でしたが、仕事客と部活通いの学生さんが三々五々、親やヨメさんの送迎で駅に集まって来ました。傘を差して構内踏切を行き交う人の動きもやや忙しない。この時間は寺田経由の立山線(7:22発)と南富山経由の上滝線(7:23発)のどちらも電鉄富山行きがほぼ同時に発車するんですが、電鉄富山へは南富山経由の上滝線列車が若干早く到着するようです。


構内入替を終えて、立山線の電鉄富山行きとして出発待ちの14771編成。さっき横江の駅で会ったのはカボチャ編成だったので、やっぱり雷鳥カラーがいいですよね。立山や宇奈月へ向かっての勾配をものともしないオール電動車の2両編成は、110KWのモーターを4個装備したハイパワーな車両。地方鉄道の車両にして鉄道友の会のローレル賞を受賞したという事からも、実に意欲的なスペックの車両だった事が伺えますわな。パンなし側のスマートな顔もイケメンだけど、前パン振りかざしたイカツイ顔の方が私は好み。


岩峅寺駅の立山線ホームに残る特徴的な縦書きのレトロな駅名標。「岩峅寺」って駅名もなかなか初見では読みにくい難読駅名だと思いますが、「山」に「弁」と書いて「峅(くら)」と読むこの漢字には「神様が降り立つ場所」と言う意味があって、立山信仰の篤いこの地域でしか使われていない常用外の特殊な漢字なのだそうな。そう言えばもうちょっと常願寺川を登った雄山神社の中宮がある集落の名前は芦峅寺(あしくらじ)。太古の昔から続いてきた信仰の歴史が地名にも込められていて、その縁起を辿るのも興味深いですよね。
コメント (1)
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