青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

我が街トレイン秋祭り

2018年09月18日 17時00分00秒 | 静岡鉄道

(アットホームなお祭り@しずてつ電車祭り)

鉄道会社のイベントというと、大手私鉄はどこも車両見学以外はグッズの物販と事前予約型のイベントしかない感じになりがち。規模と参加人数を考えるとどうしてもそうならざるを得ないのかもしれないけど、こと「しずてつ電車まつり」は地元の高校生が焼いたパンを売り、地元のおっちゃんがたこ焼きを焼いて、鉄道の現業職員がかき氷を作り金魚すくいの世話をやっていたりと、傍目には完全に普通のジモな秋祭りの縁日然とした光景が繰り広げられていた。この適度に地元参加型の雰囲気は中小私鉄ならではって感じで、関東鉄道の水海道公開を思い出してしまうのであった。


今回のイベントの目玉、作者追悼の特別HMを装備したちびまる子ちゃんラッピングの1011編成。運用時の自動放送のアナウンスは、まる子ちゃんの声優であるTARAKOさんがやっていたりする。側面にあしらわれた劇中の個性豊かなキャラクターの数々は、西武の「ぐでたまトレイン」に引き続き、幼稚園児の娘にもウケがいい。個人的には、東急が一時期凝った微妙な「く」の字折れの前面部ね。「ダイヤモンドカット」と呼ばれた東急7200系の系譜で、同時期の昭和40~50年代の営団車や、京急の2000形なんかにも連なって行くデザイン。


ラッピングトレインのサイドビュー。まるちゃん、たまちゃん、とし子ちゃん、はまじ、ブー太郎、丸尾君、城ケ崎さん、永沢、藤木、笹山さん。全部とはいかなくても大体のキャラクターは自分でも分かる。家が火事になった永沢君と常に卑怯者呼ばわりされている藤木のダークなコンビいいよねえ。ここらへんのキャラのネクラなシニカルさがさくらももこ作品の肝じゃないかと思うのだが、ここのドアから乗ったら朝とかお腹痛くなりそうだよなあ…(笑)。


ちなみに最近の車両じゃないから、オールステンレスでもガッツリとコルゲートが入っていてちょっと書き文字が読みにくい。キャラの顔をコルゲートのない平滑な部分に書く分仕方なかったのか。この角度から見ると、妻面の作りといい履き物のTRの台車がもういかにもなメイド・イン・東急車輛。


A3000形の導入で廃車となっている編成もあるそうですが、オールステンレスなので車内のレストアだけすればまだまだ他の地方私鉄で長く使ってあげられるはず…と考えてはみたものの、そうだ静鉄って600V路線なのよね。1M1Tのサイズ感はピッタリでも、1500V路線に投入するには昇圧工事をしないとどのみち使えない。そして地方私鉄はどこもそこまでのカネを掛けてられないというのが本音でしょう。未だに600Vで運行してるのって伊予鉄の一部と銚子電鉄くらい?


洗車体験車両に使われていた1006編成とともに。静鉄は長らく自社で走らせる電車の新造をこの長沼工場で行っていて、製造を外部委託した今でも自社発注車が100%を占めるという稀有な地方私鉄。鉄道・バス・不動産・百貨店・建設と静岡経済の一角をなすコングロマリット企業である静岡鉄道グループの経営体力を垣間見る思いがします。浜松を拠点とする遠州鉄道にも同様な事が言えると思いますが、東急資本の伊豆急や西武資本の伊豆箱根も含め、静岡県内の地方私鉄は人口と観光や経済の流動性に富んだ地域にあって恵まれているよなあと。大井川だけが苦しいんだよねえ。


時刻はちょうどお昼時。ついつい香ばしいソースの匂いに惹かれて縁日ゾーンの焼きそばコーナーへ。2パック500円はリーズナブル。わざわざ静岡まで来て昼めしが焼きそばとか(笑)って感じなんだけど、こーいうお祭りのゴタゴタした雰囲気の中で食べる焼きそばとかお好み焼きの類は、そこいらの食べログ掲載店の食い物より美味いと相場が決まっているのである。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする