(昼時の人気店@東武野田線春日部駅ホーム)
今更ながら私は出掛けるのが好きですが、出掛けた先でお腹が空いた時、ちょっと小腹が空いた時、撮影に熱中して夜までなんも食ってない時、とにかくあらゆるシチュエーションで立ち食いそばというものにお世話になっています。鉄道趣味者的には早くて安くて温かくて(夏は冷たくて)腹が膨れてそこそこの満足感もあるとてもコンビニエンスな食事処ですが、先日東武8111Fの撮影に野田線界隈を訪問した際、春日部駅のホームにある「東武らーめん」にお邪魔して来ました。立ち食い「そば」ではなく「ラーメン」ってあんまり聞いたことありませんが、この春日部の街のラーメン店として、野田線のホームの上で長いこと愛されているそうです。ちなみに立ち食いそばの店が出すラーメンって結構美味しいのがあったりします。藤沢駅の大船軒とか、高崎駅のたかべんとか。
時間がちょうどお昼時だったので、カウンターが満員。結構な人気店のようである。食券制なのでカウンター横の券売機でメニューを選ぶ。えーと、ラーメン、ネギラーメン、玉子ラーメン、チャーシューメンはいいとして、コロッケラーメン、天玉ラーメン、コロッケ玉子ラーメン、天ぷらラーメンと右に行くにしたがって立ち食いソバの業態が侵食してくる(笑)。そう、東武ラーメンの特徴はこの「ラーメン屋なんだけどタネモノが立ち食いソバっぽい」メニューにあります。ラーメンと立ち食いソバのハイブリッド(笑)。そう言えば東武って駅そば(小田急の「箱根そば」とか京急の「えきめんや」的な)の業態ってないですよねえ。聞いたら、結構東武の駅のホームにはこの立ち食いラーメンってのがあったのだそうだ。今はここ春日部といくつかしか残ってないらしいですけど。
という訳で今回は「天ぷらラーメン」を頼んでみました。中で忙しく働くおばちゃんに食券を渡し、先に食べていた中学生の二人連れの脇に入れてもらう。天ぷらラーメンの食券を渡したら「えっ、天ぷらなんだ!すげえ!」って中学生に驚かれたんだけど、お小遣いの少ない中学生だと600円台はブルジョワジーなのか、それとも「天ぷらとかチャレンジしちゃうんだ!」という好奇の目なのか・・・(笑)。かなり混みあっていたので5分ほどの待ち時間。ほどなく着丼した天ぷらラーメンは、シンプルな醤油ラーメンの上にかき揚げ天ぷらが乗っかった想像通りのビジュアル。麺は普通の中華麺にメンマとわかめ、醤油スープが脂っ気の少ないさっぱり系で、かつ巻きバラのチャーシューも薄めなので、かき揚げ天ぷらの油がスープに溶け込んで来ると適当にコクが出てくる感じ。そんなにとびっきり美味い訳でもないのだけど、どこか懐かしいような和中折衷の味がします。
「ごっそさん!」の声と同時に到着した電車に乗り込んでいくオッサン、その隙間に入って来る次のサラリーマン。次々に訪れるお客さんの顔と顔に、この店が愛されている感じは十分に伝わって来ます。隣の中学生がわざと聞こえるように「いつ食べてもここのラーメン美味いなあ」だって。この店のラーメンは、春日部の街の風と、ホームの雑踏と、東武電車の音を最後のスパイスにして完成するものなんだろうと思う。クレヨンしんちゃんの発車ベル鳴り響くホームで、昼時に老若男女がカウンターに肩すり合わせ、譲り合いながら啜る春日部の街の普段着の味。ごちそうさまでした。
立ち食いソバならぬ、立ち食いラーメンとは・・・。
信州は、そば処で何処の駅そばも旨いのですが、流石にラーメンはないと思います。
ホントに珍しいですが、一度味わってみたいものです。
さすがに立ち食いラーメンがあるのは私もここくらいしか知りませんけれど、関東の立ち食いそばのお店には、メニューとしてにラーメンがある店はそこそこあったりします。