(うつりみず・ゆらめき@親鼻橋梁)
夕暮れ迫る親鼻の鉄橋は、荒川が刻む河岸段丘を飛び越える、大きなガーター橋。赤いレンガで積まれた橋脚の見事さは、いつでも変わらない秩父路のシンボル。モチーフを探して河原を彷徨えば、早い流れの脇に見付けた小さなワンド。僅かながらに流れ込みがあるので鏡と言う訳にもいかず、くにゃくにゃと揺らめく水に映り込む元東急8590系。秩父・富山と自分の好みの地方鉄道に現れるこの車両。特に思い入れがある訳ではないけれど、横浜や二子玉川でよく見た顔も、すっかり地方暮らしが板についた感じがあります。
夏であれば川遊びに興じるファミリーや、バーベキューで賑わう親鼻鉄橋の河原も、冬のこの時期は静かなもの。ただ、カメラを握る人々(特に秩鉄ファン?)にとっては冬の親鼻河原こそ至高じゃないですかね。きれいな北関東の空気に、赤々と沈んで行く鉄橋越しの夕陽はこの時期のお楽しみ。鉄橋が南北に走っているので、荒川の下流側に行けば年中列車&夕焼けの構図は作れるんだけど、やっぱ夕焼けは冬の澄んだ空気の方がいいんである。冬の両パン時期は、朝の三輪から始まって夕暮れの親鼻鉄橋でシメるのって結構無意識のルーティーンみたいなところがあるかもなぁ。意図してる訳じゃないのに、この日もついフラフラと上長瀞の駅を降りてしまったので・・・
この日は西の空はそこまできれいに抜けず、雲混じりの夕暮れ。それでも、雲間から漏れ射す夕陽を背景に、荒川の流れをメインキャストに迎えて一枚。瀬を速み、岩を漱ぎ、泡立つ荒川の流れ。太陽が西秩父の山並みに隠れる頃合い、返空のヲキ車を連ねた原谷行きの貨物列車が親鼻の鉄橋に乗っかったところをパチリ。夕映えの空に、デキの両パンと盃形のヲキがシルエットを結びました。
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