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(北信の夜明け@森宮野原駅)
結局この日は飯山線の最終列車と一緒に、森宮野原の駅前でクルマルヨ。久しぶりの車中泊だったんだが、まあ寝れたのか寝れないのかわかんない程度の睡眠。結論から言えば布団の上で寝たい(笑)。ただ、どうせ宿に泊まったって夜遅くまで撮影してるし朝早くから撮影してるしでほっとんど宿になんていないのだろうから、カネが勿体ないよね。車中泊を快適に過ごすグッズの仕込みが大切だと悟った朝5時前の森宮野原で定点観測。明け始めた空の下、今日も一日が始まります。
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スノーセットの脇の残雪。4月中旬とは言え、早朝は10度くらいまで下がる。それでも、この地方の雪解けはGW頃であったはずなので、季節の移ろいは相当に速い。速いと同時に、昔に比して季節ごとの寒暖の差は激しく、降り出せば風雪は暴力的であり、自然のもたらす優しさみたいなものがどんどんとなくなって行ったのが平成の時代であった。
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地元氏に教えてもらったモーターランド俯瞰から。今日もいい天気である。眼下に横たう千曲の流れ、関田山塊にブナ林の芽吹く季節。さわやかな朝の空気を大きく吸い込んでいたら、背後の森でガサガサっと音がした。サルか?シカか?あまりの暖かさに動き始めたクマだったらやだなあ。真面目に北海道とか、撮り鉄は平気でクマの出てくるような場所行きますもんね。自分だったらちょっとおっかなくて待ってらんないよ(笑)。
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朝の162Dは桑名川駅の対岸の七ヶ巻から。西大滝ダムがあるせいで、この辺りの千曲川はダム湖と言ってもいいほどに相当に流れが緩い。眠気の頭に飛び込んでくるのは、はっと目を覚ますような木々の若葉の色。飯山色が、水鳥が泳ぐ岸辺を行く。
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萌ゆる緑を眺めながらゆるゆるとスピードを落とす列車は、間もなく桑名川の駅。ここで、長野始発の123Dと交換します。臨時の「おいこっと」運行時以外、桑名川で交換が行われるのは朝の2本だけ。桑名川の交換設備を潰して戸狩~森宮を1閉塞にしてもダイヤが組めないという訳でもなさそうだけど、ここに交換設備を残しているのは、冬季の除雪作業の兼ね合いだろうか。
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七ケ巻の渡し場跡。船頭小屋と鉄塔が残る。七ケ巻の渡しは、A字型の鉄塔にワイヤを張って対岸と結び、船頭はオールを使わずにそのワイヤを手繰りながら渡し舟を操作していたようだ。流れも緩やかと見えるので、オールはあまり必要なかったのでしょうね。一枚前の写真に川沿いに降りる小道が見えますが、おそらく駅側の渡し場に向かう道だったと思われます。運行は午前6時半から午後8時半。渡し舟が対岸にいる場合は、ブザーを鳴らすか一斗缶を叩いて船頭さんを呼ぶという、まあなんとものどかな渡し舟だったらしい。
既に廃止から30数年を経て、果たして七ケ巻の集落の人々は、対岸に走る飯山線をどれくらい使っているのだろうか。鉄道と旧道が残る左岸より、今やR117バイパスが通過する右岸の七ケ巻側の方が、よっぽど便利になってしまいました。
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