青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

秋の地鉄漢旅ファイナル 再び、桜の頃に

2012年11月19日 22時50分51秒 | 富山地方鉄道

(パンプキンチョコレート@寺田駅)

内山の駅を後に、黒部インターから北陸道で立山インターへワープ。
各駅停車&交換待ち&上市のスイッチバックと古ダイコンには障害物がたくさんありますので、充分に時間を取って寺田駅まで先回り。寺田駅は本線と立山線の分岐駅にて広い構内を持っとりますが、立山線ホームに置かれた古臭いベンチから立山線寺田経由電鉄富山行き10020系カボチャ。


寺田駅の駅舎全景。ご多分にもれずこの駅舎も富山電鐵開業当時の優良物件。地鉄に行ったら、ゼヒもので降りてその佇まいを味わって欲しい駅でもあります。本線と立山線の分岐点にて4面4線の広い構内は地鉄おなじみの完全別線くちばし分岐スタイルで、駅舎側からホームは4番(立山線立山方面)3番(立山線富山方面)、待合室を挟んで1番(本線富山方面)2番(本線宇奈月方面)と割り振られており、ホームの番号は順番じゃないわ立山線は右側通行だわで非常に分かり辛い。気さくな初老の駅員氏が一人勤務しております。

  

1番・3番の間にある待合室は翼を広げたようなスタイル。2階に付いている望楼のようなものは昔は信号の見張り小屋だったのではないかと思われる。駅舎から構内踏切が全部のホームを繋いでいて、待合室の前はちょっとした広場のよう。そして双方の線が交わる頂点にはトイレがあります(笑)。初老の駅員氏、「次の特急が遅れてるよ!」だって。情報サンクスw


本線ホームから上市方を望む。
晴れていれば、素晴らしい立山連峰の眺めが楽しめるこの駅、昼を過ぎてとうとうポツリポツリと雨が降り出した。今日は昨日とは違って降ったり止んだりと言う訳ではなく、西から前線が日本列島を通って行く予報。と言う事はとうとうこれまでと言う事か。ポツリどころか時間を増すごとに雨は本降りの様相を呈し始め、山の稜線が消えて行く。古ダイコンが寺田に着くまであと10分、そこまで稜線は持ちますかいな。


降り出した雨を衝いて、古ダイコンがゆっくりと上市方のポイントを渡って寺田の駅へ入線して来ました。山の稜線は霞んでおりますが、まあ何とか見えたほうかねえ。上市でスイッチバックしてるから、今度はモハ側の14722が先頭になります。別にどっちの表情にも特段の変わりはないとは思いますが、スタイリッシュで勇ましい14760と比べると穏やかな、ナマズのようなのんびり顔。


遅れていた特急うなづき7号との交換風景。
14771が富山方に付いている第6編成ダイコンです。さっき内山駅で見送った奴ですね。


特急うなづき8号電鉄富山行きは14773を先頭にする第7編成ダイコン。3・1・5・4・6・7編成を確認し、残すはあと第2編成だけになりましたが、降り続く雨に加えて何だか風も強くなり、天気は荒れ模様にw良く考えたら昨日の岩峅寺駅で、さんざっぱら上滝線で入線して来た第2編成ダイコンを見ているのでした(笑)。と言う訳でダイコンコンプリート!


寺田の駅のベンチに座って、降りしきる雨を見ながら思うのだけど…まあ、土日とも傘マーク出てた割によく粘ったよね、天気も私らも(笑)。
天気も戻る見通しもないし、ひとまず色んな意味で満腹感が出たのも事実。何となしに〆ですかねえ…と言う雰囲気になり、若干早いですが予定を切り上げ。本当なら最終の飛行機で帰る予定ではありましたが、飛行機をキャンセルして直江津回りで帰る事に。上越までまつ氏が乗っけてってくれると言う事なので…何から何まで世話になりますなあ(笑)。


とりあえず最後は土産の一つでも…ってな訳で富山の駅前方面へ。稲荷町より電鉄富山の間を一往復、最終ランナーは14761+14762のダイコン第1編成立山行き。締めにふさわしいトップナンバーにエスコートされ、稲荷町駅の改札を出た時の充実感は自己満足かも知らんけどそれなりのものがありました(笑)。

二日間、網羅できたものとそうでないもの、訪問して一週間が経過しましたが色々と見えて来て、ちょっと上滝線の抑えが足らなかったんじゃないかとか、東三日市の駅に行けなかったなあとか、満足の中にも終わってみたら後悔ってのは色々あるもので。それだけこの地方私鉄が見るべきものに溢れていると言う事なんで、まあ次の楽しみに取っておくことにしましょう。既にまた行く気満々ですw

晩秋の 富山地鉄の 旅終えて またも行きたし 桜の頃に。
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秋の地鉄漢旅其の八 晩秋の駅にて

2012年11月17日 19時07分18秒 | 富山地方鉄道

(変革の足音@北陸新幹線新黒部駅・仮称)

片貝川の鉄橋から宇奈月温泉方面に向かう道すがら、地鉄本線で言うと舌山駅の付近に聳える城壁のような足場。これが北陸新幹線・新黒部駅(仮称)の建設現場であります。少なくとも平成26年度末には開業が決定している北陸新幹線の長野~金沢間。新幹線の開業に伴い、信越本線の長野~直江津、北陸本線の直江津~金沢間が第三セクターに移管される事が決定しております。あたしゃこの「新幹線を建設する代わりにJRが並行在来線を切り捨てても良い」と言う整備新幹線に付きまとうルールってのは問題が多すぎるとは思うのですが、ここでその話をしてしまうと長くなるのでしません(笑)。富山空港に着陸する直前、富山平野を遠く金沢に向かって伸びる北陸新幹線の高架橋が見えたんだけど、もう相当完成しているんだな、と言う事を実感しましたねえ。


一応特急停車駅でもある浦山駅。さっきの新黒部駅との落差に驚くw
まあ地鉄も新黒部駅に隣接した位置に新駅を作る予定はあるようで…そうなると魚津とか宇奈月温泉へのフィーダー路線として生き残る道を模索するしかないのでしょうが、どうせ新黒部もドでかいロータリーと駐車場を完備した駅なんでしょうからねえ。そうなると新黒部を中心としたストロー効果ばっちり、宇奈月温泉の旅館はマイクロで新黒部に送迎を付けてとかなって来ると、厳しくなるんでしょうなあ。

 

2年後のその未来が明るいのか暗いのか、せめてそれまではこの風景が変わらない事を願いつつ三脚を立てる。121レ普通宇奈月温泉行きは14760ダイコン第3編成、西魚津の駅で見送った118レの返しですね。200mmの長タマ立てて正面どかーん。曇ってるのでちょーっとSSは遅めの1/200…ハイキーで美白のお顔を狙い打ち。


浦山交換の130レはカボチャ14760第5編成、片貝川で爆走してった編成ですね。紅葉している浦山の裏山(まぎらわしい)と柿の木と雪をかぶった山を入れこもうと思ったら極めて散漫な写真になりましたの図wこの構図でいいのは青空の場合だけでしょう…交換で返して来るのが早過ぎて構図作り込めなかったんだよ!と言い訳してみる。


発条転轍機の反位割り出しをテーマとしているまつ氏のリクエストで123レはこの構図。
ハツジョーテンテツキもハンイワリダシも分かんねえよ!とおっしゃる人に簡単に説明すると、例えばここなら下り富山方の直進側にバネ(発条)で固定されているポイント(転轍機)を、上り宇奈月方分岐側(反位)から車輪の力で押し込んで割り入る事を言うのです。って文章で説明しても分かり辛いなwまあ地方私鉄によくある風景でして、特徴はポイント通過速度が25km制限くらいになっちゃうのと、通過時の台車とポイントのコラボで生まれる派手な横揺れと、バネが戻る時のガッシャーン!と言う戻り音でしょうか(笑)。123レは第6編成でしたので、早くもコンプリートまであと2編成w

 

そのまま宇奈月方面へ車を流してたら、対向列車が少し遅れているせいか、内山の駅でさっきの宇奈月温泉行きが交換待ち。何の気なしにホームに上がったら、紅葉の山の麓の小駅でダイコン同士の交換シーンですよ!しかも富山方のパン上げのりりしいお顔がダブルときたもんだ(笑)。ダイコンに揚げパンは合うんです。ここで撮る予定はありませんでしたけど、山小屋のような駅の雰囲気と紅葉の山のロケーションが良く、暫しここに腰を落ち着けて撮る事に。今にも泣き出しそうな空だし、動き回るよりも…ね。

 

片貝川でお会いした古ダイコンが125レ宇奈月温泉行きで戻って来ました!
富山に戻っても次の運用がどうなるかは分からんので、再び宇奈月方面の運用に入ってたのはラッキー。
正面打つより、どうしてもこの内山駅と周囲のロケーションを取り込みたかったので、あえて構図は後打ちに。いかにもローカル線の晩秋の駅と言う雰囲気の中、静かに駅を離れて行く古ダイコンを切り取ってみました。この172号車は通常運用に就く車輛の中では地鉄で唯一のクハ車でもあります。


宇奈月のコンビニで弁当を買い、内山駅の待合室で昼食…
宇奈月温泉駅のホームを見たら、古ダイコンは特急アルペンの次の普通138レで戻って来るので再度この内山駅で入線を狙います。改札口はとうに板で塞がれた内山の駅ですが、近所の小学校が最近統合されたらしく通学需要はありそうです。「傳言板」って書かれた黒板が非常に印象的。地鉄沿線には今では見なくなった旧字体が溢れている。


138レ電鉄富山行きが返して来ました。
もっとゆっくり駅に入って来るのかと思いきや、駅の宇奈月方の下り坂から結構なスピードで突っ込んで来ましたw
紅葉した山の色と、小学校の分校のような内山駅の板塀を入れて一枚。

宇奈月方面の撮影を終え、一応これで一通り見て回った感はあります。
再びどうしよっか…?と考える男二人、常にノープランw
なので、この古ダイコンを追っ掛けてみる事にしました(笑)。

次回へ続く。
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秋の地鉄漢旅其の七 我ら願いは通じたり

2012年11月17日 16時30分27秒 | 富山地方鉄道

(朝焼けの市街@ホテルから)

夜中は魚津の駅を通過する貨物の音で何度か目を覚ますも朝6時まで何とか休めた。最近寝床が替わると爆睡が出来なくなって来たんだけど、これもやっぱりトシのせいなのかね??ホテルの最上階、踊り場から眺める魚津の街。魚津市役所と朝焼けの立山連峰。ゆうべは星空見えてたのにやはりどん曇りになってしまったか…まあ山の稜線が見えてるだけまだマシと言う事にしておきましょう。


○パホテルから遠く富山湾を望み地鉄新魚津駅俯瞰。ちょうどおけいはんテレビカーが到着。
魚津は蜃気楼と埋没林、ホタルイカを始めとする海の幸、そして湧水の街。普通に観光に来るだけでもそれなりに見所はあるだろうけど、申し訳ございません今回は地鉄一色です(笑)。


朝食はホテルのバイキング。今日はどうしよっか?と二人で相談。今回はまつ氏の的確なエスコートにより効率よく撮影が進行しております(笑)。昼から確実に下り坂となる天気、やはり朝から動いておいた方がいいって事で身支度。踊り場から7時半魚津発の北越1号新潟行きを見送って、近場で雰囲気のある西魚津駅からやる事にしましょうか。

  

西魚津駅。昨日と今日で魚津三駅を一応完全制覇。富山電鐵時代からの開業当時の駅舎がそのまま現存しております。とても雰囲気のある駅舎なんだけど、色々見て回ってみると地鉄全体で「開業当時からの駅舎が残っている」と言う事はそんなに珍しいことではないようです。基本的に雪の多い地域でそんなに建物には優しくない気候とは思うんだけど、それだけに頑丈に作られてるって事なんでしょうか。駅の表記が「驛津魚西」だもんなあ(笑)。「三角のコの字型の造形で駅名を囲むデザイン」ってのは、富山電鐵に共通の意匠のようで、越中三郷駅とか寺田駅でも見る事が出来ます。位置的には魚津水族館や北陸最大の観覧車(笑)がウリの遊園地・ミラージュランドの最寄り駅なのですが、特急も急行も止まらない無人駅。いか~にも地方私鉄らしい駅本屋から伸びる構内踏切。まあこの辺りの風景で私は既に満足です。地方私鉄を巡り続けていると、この「構内踏切のある雰囲気」ってのに惹かれるのですよ。

  

まつ氏によると西魚津駅の名物(?)らしい「志むら乃湯」の看板。オッサンだったら確実にババアのヅラをかぶった志村けんが番台に座る銭湯を思い浮かべる事でしょう(笑)。電鉄富山行きの時間が近付いて、駅まで軽で送って来られた女子高生。日曜日ですが部活か何かなんでしょうね。木製の手すり越しに列車を待つJKをモチーフにして一枚、構内踏切が鳴って入線して来たのは118レ普通電鉄富山行き14760系ダイコン第3編成。この駅で交換待ちです。

 

交換でやって来た113レ普通宇奈月温泉行きもトップナンバー14761を先頭にした第1編成にて、ダイコン同士の交換風景@西魚津。
昨日の夜に「ダイコン成分が足りない」と地鉄に苦言を呈しておいてよかったw
まつ氏に至っては、願掛けで朝のホテルでダイコンの煮物を食べてましたからなあ(笑)。自分はキンピラ食っちゃったけどw
木造ラッチの改札越しに、去って行く宇奈月温泉行きを収めて西魚津駅は撤収。朝から幸先のいいスタートです。お次は経田~電鉄魚津間の片貝川の鉄橋へ場所を移動。「RAILWAYS」でもスチールに使われた、立山連峰バックの開けたガーター橋ですが、稜線は見えてるけど空の色がイマイチなんで正面打ちでやる事にします。


一本目で古ダイコンこと14720系がいきなり片貝川の橋をかっ飛んで来ました(笑)。
事前にまつ氏より「朝ホテルの窓から宇奈月へ上がって行く古ダイコンを見た」との情報があったので、この時間くらいで返して来るのではないかと踏んではいたのですが、さすが運用を捕まえるのがうまいねw2編成が運用されてたんですけど、もう1編成は立山の急勾配を登ってたらモーターが焼けちゃって火災を起こしたらしく現在運用を離脱中。架線のサビ色で雷鳥カラーも赤茶けた、いぶりがっこのような古ダイコンは貴重な172+14722のラス1編成。


片貝川の土手までの登り坂を全力で猛ダッシュして来るのは14760系の第5編成カボチャ・普通117レ宇奈月温泉行き。14760ならカボチャも可!と言うか自分はやっぱ地鉄だと14760系が一番好きなんですよ。地鉄と言えばこの車両でしょう。まだまだ先だろうけど、引退するとか言われたら万難を排して駆け付けると思いますねえ。


14760系第4編成はカボチャのアルペン特急4号立山行き。カボチャ+ヘッドマークと言うのも若干のレア感があってお得な気分。14760系は合計7編成14両だけど、朝から第3、1、5、4編成となんかこの調子で行ったら全編成コンプリート出来ちゃうんじゃないか?(笑)。立山・宇奈月の急勾配をものともしないMM編成のパワフルな走りは、こんな露出のない朝には撮る方にはたまったもんじゃないねw

今日は東京農大も真っ青のダイコン祭りの予感!
意気揚々と宇奈月方面への進撃開始です。

次回へ続く。
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秋の地鉄漢旅其の碌 大きな雪屋根の下で

2012年11月17日 10時20分48秒 | 富山地方鉄道

(大屋根のある駅@電鉄黒部)

夜撮はさらに電鉄魚津から電鉄黒部へ。
え~と、確か今日朝4時起きなんですが(笑)。
だいたいが人生において怠惰なアタクシですが、趣味に関しては別腹だなあ。
それにしても一週間かけて一日が終わらないとは何たる遅筆。

構内は中線を含めた三面三線の広めな変則ホームの電鉄黒部。ホームは大屋根で囲われているあたり、冬季の夜間滞泊等を考慮したものでしょう。朝起きてみたら電車が雪で埋まってたとか困るでしょ(笑)。今でも始発/止まりと両方ありますのでね。開通当初は富山からここまでは富山電鐵、ここから宇奈月温泉までは黒部鉄道が敷設した路線でした。それゆえ「電鉄○○」と言う駅はここが最後になります。これは帰って来てから知ったんだけど、富山地方鉄道になっても駅名は富山電鐵時代を踏襲したままなんですね。ホントだったら「地鉄富山」とか「地鉄黒部」なんだろうけど。そーいや京浜急行も京浜電鉄時代からの「京浜○○」を何年か前に変えてた事を思い出した。電鉄黒部の駅前は広場になっておりますが、この時間には近所の飲み屋街の客用駐車場と化しておりまして、カラオケの歌声が漏れ聞こえてくる夜の9時。


もう終電までは何本もない時間ですが、さすがに基幹駅は終日駅員常駐。駅員氏に失礼をして構内に。
駅本屋前の構内踏切からホーム方面を。本屋に接して2番線、真ん中が1番線、側線側が始発と止まりの入る(たぶん)3番線。国鉄ルールだと駅本屋側から1番線、2番線…と番号を振って行くのが習わしですが、ここ地鉄では電鉄富山行きの線路を1番線とする独自ルールを使っておりますので手前から2、1、3番ホームとなります。ちょっと変わってるよね。上市駅の写真でお気づきになった方いらっしゃいましたかねw


163レ普通宇奈月温泉行きレッドアロー。下車客数名。
夜になって冷えて来たので、ちょっと昼間の雨がモヤモヤとなっておりますが、ハイビームに照らされたミストもそれはそれで風情のあるものです。カボチャ色、ダイコン色と地鉄も色々あるのだが、電鉄黒部の駅の待合室に飾ってあった写真には「ヤクルト特急」と紹介されていた16010系(笑)。確かに言われてみれば赤い帯と内容物のクリームがヤクルトと見えなくもない。目からウロコ。ってか元西武なんだがこの車両…元西武で、ベテランになってヤクルトでも活躍していると言う事で16010系=鈴木健って事で宜しいでしょうかw


170レ普通電鉄富山行きダイコン。乗車客なしw
出発信号がある基幹駅ですから、電鉄魚津のようなタッチアンドゴーはなしよ。
ナナメ45度からややアオリにすると、14760系のツラに意外に角度があるのが良く分かりますな。
夜に浮かび上がるサイドの田窓が美しいねえ…


65レ普通電鉄黒部止まりはおけいはんカボチャ、止まりの3番ホームへ。煌々と水銀灯の光る大屋根の下で、明日の始業まで滞泊するのでしょうか。早朝~朝の時間帯に電鉄黒部発が2本用意されているので、奥にもカボチャが一本既に休んでますね。今日の午後からはなぜかカボチャばかりでダイコンをあまり見なかったのですが、富山は今日がハロウィンか何かなのか。


デデデデデデ…と言うおけいはんのMGの音だけが静かに響く電鉄黒部の駅。電源を落とす風もないので、これが折り返して普通72レの最終電鉄富山行きになるのでしょう。さっき山に登ってったレッドアローが電鉄黒部まで戻って来て滞泊するのかな。今日の電車もあと2本、興奮のまま突っ走って来た体にも若干の疲れが(笑)。見上げれば夜空は晴れ渡り一面の星、そして吐く息の白い電鉄黒部の駅。三脚を畳んで飲むホットのコーヒーが沁みます。明日はもうちょっとダイコン撮りたいねえ。

明日へ続く。
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秋の地鉄漢旅其の五 時の過ぎ行くままに

2012年11月16日 23時00分00秒 | 富山地方鉄道

(時の止まった駅@電鉄魚津)

岩峅寺から今回の宿泊地である魚津へ移動。ホテルにチェックインして暫しウダウダとしたものの、このホテル魚津駅の隣に立ってるもんだから窓からホームは丸見え放送は丸聞こえとお鉄には落ち着かない環境(笑)。荷物を放り込みベッドに転んで一息付いた後、飯食いがてら夜撮に出る事に。夕飯はまつ氏チョイスのラーメン屋になったのだが、魚津らしくめっさ魚のダシが効いたラーメンを美味しくいただきました。魚ダシだと仕上げのネコマンマがまた美味いよね。なんか池袋にも支店があるみたいなんで今度行ってみようかな(笑)。


夜の電鉄魚津駅。
位置としては電鉄魚津は新魚津の一つ富山寄りの駅になりますね。
「電鉄魚津ステーションデパート」と銘打たれたこの駅、昭和の時代に魚津市の連続立体交差事業に伴い高架化されて華々しいデビューを飾った駅でもありますが、今やバブルは遠い昔、周辺市街の活気は失われ、テナントは全て撤退と「現在のダメな地方都市の縮図」みたいになってます。もともとこの辺りは魚津市の旧市街のようなのですが、駅前にある商店街の雰囲気も土曜の夜にしては…と。まあ最近の地方都市ってどこもそうなんですがね。魚津市とか黒部市ってのは立山連峰に国策として作られたダムによる電力が豊富だったもんで、工業都市として古くから発展していたんですよね。特に黒部と魚津はYKKのお膝元だし、高岡には三協立山アルミとかあってアルミサッシの製造って確か今でも富山が日本一だったんじゃないかなあ。アルミの製錬って電炉で溶かさなきゃいけないからむちゃくちゃ電気を使いまくるんでねえ。この魚津の街も日本カーバイド工業なんて上場会社もあったりする工業都市、その表玄関として地鉄頑張っちゃいました!と言う往時の意気込みはすごくよく分かる物件なのですが、いかんせん過疎には逆らえないのはどこも変わらないようで。


よく「シャッター通り」な~んて言いますが、ここは「シャッター駅」とでも申しましょうか。なんせテナント全撤退ですからねえ。かろうじて一階にあるタクシーの待合室の明かりに救われる。それこそシャッターも主要製品の一つであるYKKとか三協立山のお膝元がシャッターだらけとは皮肉この上ないのですが、果たして往事は何の店が入っていてどんな賑わいだったのか、それを偲ぶヒントすらシャッターに閉ざされたこの駅にはないのです。シャッター駅をシャッターで切り取る非情とな。


電鉄魚津駅改札口をホーム側から。
改札横のベンチにはフラフラしてる不審なオッサンが座っていたが、こんなシチュエーションで相まみえるとあっちもこっちを不審者だと思ってるんだろうなあ…まあ失礼を承知で言わせて貰えば、夜のこの駅に来る事自体不審者扱いされても仕方ないくらいの雰囲気はあるんだけど(笑)。


暗がりのホーム。
並走する北陸線には駅はなく、配線自体も棒線一本の簡素なもの。
北陸線の475やらパーイチ貨物やらが爆走する横で、この駅は静止しております。

 

かぼちゃ色おけいはんの宇奈月温泉行き。
どこからともなく現れたオッサン一名を乗客に電鉄魚津を発車。こんな時間にはそもそも乗車も降車もないのは珍しい事ではないらしく、かぼちゃと新魚津で交換の急行電鉄富山行きは電鉄魚津をタッチアンドゴー。せっかくダイコンだったのにまともに撮れずじまいですわ。


日本興業銀行富山支店っていったいいつの話なんだろう(笑)。
「三長銀(興銀・長銀・日債銀)」と言う単語も、「日本専売公社」なみの昭和の死語と言えるかもしれません。興銀のワリコー、長銀のワリチョー、日債銀のワリシン、いわゆる割引金融債の類は、バブル前を知る世代には懐かしい金融商品でせうか。ちなみにワリチョーと言われるとアタシはなぜか若かりし日の沢口靖子を思い出すのです。


魚津名物とんかつや。
全てがセピアと薄暗がりの中に埋もれている電鉄魚津の駅で、このブタさんの屈託ない笑顔だけがやたら光り輝いて見えます(笑)。光り輝き過ぎて何だかいじましくなっちゃったよ。どうせこの店もシャッター商店街の一部になってるんだろうなあとか思ってたら、何気にまだ電鉄魚津駅近くで営業を継続してるみたい。食べログとかに掲載されててレビューも悪くないんで、電鉄魚津にお越しのさいはぜひ!とブタさんに代わって申し上げます(笑)。


駅ビル自体が高架線の躯体の一部になっちゃってるんで、テナントが撤退しても取り壊しすら難しそうなのがこの駅の不幸。取り壊すとしたら相当な経費が必要な事は素人目にも疑いようがなく、かと言ってテナントも呼べず、ただただコンクリートの塊として時の過ぎ行くままにされている電鉄魚津。この残酷な時を止める術は、果たしてあるのだろうかいな。

次回へ続く。
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