青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。写真はおおめ、文章はこいめ、コメントはすくなめ。

貨物の街・稲沢

2017年08月22日 07時00分00秒 | JR(貨物)

(西のメッカ!稲沢線@清州駅)

東の貨物のメッカが新鶴見だとするならば、西の貨物のメッカはこの稲沢線でしょう。稲沢の操車場から名古屋駅にかけて、東海道本線に並走する形で複線の貨物線が続いています。九州関西方面と首都圏を結ぶ物流の大動脈であり、また中京圏周辺の貨物列車がほぼ稲沢を拠点としてカマの付け替えやら方向転換を行ったりするので、ピーク時はそれこそ2~3分に1本くらいの頻度で貨物列車が走る事もあります。そんな稲沢線はELDLロコファンの聖地…だったのですが、最近になって保安上の理由により実質的な撮り鉄対策がJR東海によってガッツリ行われた結果、沿線は2メートルを超える有刺鉄線付き金網で覆われていて大仁田厚でもなきゃ戦いを挑むような状況ではなくなりました。


と言う訳で、稲沢線の貨物を安全に撮るには清州の駅くらいしかないみたいですね。本当なら16時台が本数もバリエーションも多くて楽しい時間帯だったんだけど、名古屋城の後にグダグダやってたら地合いを逃してしまったのでヨメさんに許しを得て子供と17時から30分ほど。この時間になっちゃうと通勤電車の方が数が多くなってくるので、あんまりカット数は稼げませんでしたですね。


ロクヨン重連、フライアッシュ、矢橋の石灰ホキ、DD重連のどれかは撮りたいなーと思っていましたが、8072レ。塩浜を15時に出て来て関西本線を「いい頃合い」の光線で走る列車です。冬場の赤い夕陽を斜めに浴びて白鳥の信号場を通過するカットは定番ですよね。平日でもあり、タキ14両のフル編成でやって来ました。


関西本線では見せない快速ぶりで、DD51の重連が実入りのタキを牽引して行きます。ここを通るタキ貨物は塩浜から稲沢までDD51が牽引し、稲沢でEF64にカマ替えして南松本へ向かうので、同じ列車が稲沢~名古屋間を往復する形を取る。それだけにここ清州の駅は撮影効率が良く、ここで半日でも写真撮ったらそれこそ何本の貨物列車が撮れるのだろうか。


子供が撮った8072レ。若干被写体ブレはあるけど結構よく撮れてるじゃん。手持ちで小学校低学年がここまで撮れれば上等だわ。自分の構図より手前までカマを引っ張り込んでるからもう少しSSを上げなければいけないところですが、まあそこらへんはオートで撮らせてるからしゃーない。


とりあえずDDを撮影出来たので、ヨメさんの機嫌が悪くなる前に宿へ向かう事にする。名古屋市内で宿を取っても良かったんだけど、ホテルばっかで旅館が少ないのよね。値段の兼ね合いやベッドで寝るのがイヤだった事もあって、今回は稲沢のビジネス旅館を宿泊地に選定しました。JR稲沢駅前は駅舎もキレイで最近になって再開発された感がプンプンですが、そんな駅舎の横でバリバリの昭和感を醸し出しているビルがJR貨物の東海支社です。


DD51がそこら中に転がっている愛知機関区。EF64の原色機が集められた休車群や、交番検査待ちの雑多な貨車が連なったチンドコ編成が放り投げられていたりする。そんな中をコキを牽いたDE10が入換でガシャガシャ動いていて、稲沢の街は鉄道の活気に満ちてますね。遠くからでも機関車の汽笛が聞こえて来るのが鉄道の街という感じで実にいい。

ビジネス旅館なので夕食はなく、家族で歩いて駅前へ食事に出かける。八丁味噌の濃厚なタレにどっぷり浸かった味噌串カツをほおばりながらビールを飲むと、ピョーというDEのホイッスルが聞こえました。
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常識に当てはまらない駅

2017年08月21日 07時00分00秒 | 名古屋鉄道

(接写出来ないので構外から@西枇杷島駅駅名票)

西枇杷島駅の駅名標。これと非常用ボタンのついた柱の2つが西枇杷島駅ホーム上の構造物となります。駅名票をホームから撮ろうとすると近過ぎて上手く撮れないので構外から。ホームの基礎部分が結構年代物っぽい石積みになっていますが、元々もう少し庄内川寄りにあった枇杷島橋駅を廃止したうえで昭和24年に開業したそうで、当時は駅でなく信号場だったそうな。おそらく保安装置以外の設備自体は開業当時のそのままのモノが多いのではないだろうか。ホーム自体も傘上げがされておらず今の電車のサイズと比べると妙に低いし。


ホームに通された我々の前をパノラマスーパーが通過。日傘のおばさまは狭いホームで接近する列車にも涼しい顔。そもそも庄内川に向けて急カーブになっている&デルタ線は犬山線との平面交差のため、制限速度は通過電車でも相当低く抑えられていてそこまでの恐怖感はありません。それでも子連れの我々としてはしっかり子供の手を引いて安全面には配慮すべき状況に変わりはありませんけどね。


乗る電車が来てしまえば乗ってこの駅を去るしかありませんので、実際この駅に電車が来たらどんな感じになるのだろうと言う事で帰りに電車が止まった状況で見てみましたが、ご覧の通り4両編成の普通列車がホームいっぱいいっぱいギリギリに止まる感じなのでここの駅は停目に寸分違わぬ位置にピタッと止めないとドア扱い出来ないだろうねえ。オーバーランと停止位置修正が日常茶飯事の京急の運転士はここに来て修業した方が(笑)。


通過する準急の吉良吉田行きの向こうに上り線を平面交差して犬山線に向かう列車が見えます。進路を支障する平面交差なので通過速度は非常にゆっくり。ホームの端っこに出発信号機が立てられていますが、この辺り地雷原のようにATSの地上子が付けられていて非常に細かい保安体制の中で運行の安全が確保されているようです。本来スピードアップと安全面の向上のためには立体交差するなりして平面交差は避けたいところですが、川と県道とJRの線路に挟まれ、急カーブの多い線形と相まって改良するには立地条件が悪過ぎるそうで。


乗客は少なくとも、かように運転上は重要な位置を占める西枇杷島の駅。出札掛不在の無人駅ですが、駅ホームの保安と非常時の信号取扱などのために駅員が常駐しています。切符の買い間違いとかはインターホンで神宮前の駅員が応対するらしい。遠くねえか?と思うんだけども、これが平成初期に岐阜市内線を始めとする600V区間、八百津線や三河線の閑散区間をバッタバッタと廃止した名鉄の合理化政策の一環なのであります。


っちゅー事でつらつらと書き連ねているうちに電車が来ました。名鉄って列車の起終点がテキトーと言うかどこから来てどう通ってどこへ行くのかがイマイチ分かりづらいよね。この列車も弥富から尾西線で津島、津島から津島線で須ヶ口、本線に入り名古屋を通って新安城から西尾線に入り吉良吉田まで行くのだそうだ。しかも名古屋からは急行になるんだって。弥富発津島・名古屋・新安城・西尾経由吉良吉田行き(なお名古屋から急行)って事ですが、初見殺しの分かりづらさだよねえ。

「白線の内側にお下がりください」という言葉はイロハのイになる安全上の注意喚起用語ですが、電車を待っている人たちが白線の内側に下がり過ぎて逆に危ないという事象が発生するのが西枇杷島の駅(笑)。色んなところが常識に当てはまらないのが西枇杷島らしさと言えましょうか。
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デルタに浮かぶ三日月

2017年08月20日 09時35分38秒 | 名古屋鉄道

(東も西も塞がれて@西枇杷島駅ホーム)

名古屋の市内観光をする前に、ちょっくら鉄ネタを仕込みに来たのはここ、名鉄名古屋本線は西枇杷島駅。名古屋から僅かの距離の駅がこんなんなんだから割と名鉄って恐れ入るところある。一応見た目の配線は2面4線を形成しているんだけれども、線路に挟まれたホームはなんだか車庫にある乗務員用の仮通路のような貧弱さ。東海道新幹線に乗って大阪方面に向かってる時、名古屋を出て庄内川を渡るとすぐ右に見える駅なので、車窓から「あれは何だ?」と思われた方がいたら鉄道趣味のセンスあると思います(笑)。こんな駅のためにわざわざJRの枇杷島駅前にクルマ停めて歩いて来てるんだから何というモノ好きか。


地理的な位置関係を確認しておくと、西枇杷島駅は名鉄本線で名古屋から3つめの駅。名鉄は庄内川を渡るとすぐに岐阜方面(本線)と犬山方面(犬山線)に分岐するんですが、地図上でもわかる通りこの分岐点は名古屋岐阜犬山それぞれ双方向の行き交いを可能にしたデルタを形成しており、西枇杷島の駅は岐阜側の分岐点のすぐ西に位置しています。実際のところは「名~岐・名~犬」の行き来はあっても「岐~犬」間の列車の行き来はほとんどないようで、「岐~犬」間は線路脇にある留置線への出入線代わりになっているようですがね。

  

駅東側の踏切から。急行の豊橋行きが通過して行ったのだが、ちょうどよく新幹線N700系とのコラボになりました。地図を見ても分かる通り駅の西側(奥)は東海道本線と東海道新幹線のガードがあって、東側(手前)は県道67号線の側道(県道は一応立体交差)が走っており、その狭いスペースに押し込められたように西枇杷島の駅があります。東西を塞がれたどうにもならないスペースの狭さはいかんともしがたく、この駅自体の拡張や改良などにはなかなか手が付けられていないようで、そこにこの駅の風情とおかしみがあります。


今度は駅西側の踏切から。県道の立体交差の右下にある赤い瓦屋根の古びた建物が駅舎になります。左が名古屋方面行き、右が岐阜方面行きホームになりますが、左ホームのさらに外側に一本側線が出ていて、これが犬山方面に繋がるルートになります。もし「岐~犬」ルートの列車があるとしたら、西枇杷島の駅は通過扱いになってしまいますね。


西側踏切通路から岐阜方面行きホームを。狭い場所の限られたスペースで2面4線を形成するためホームは極端に狭く、まるでミカヅキモのようでもあります。特にその先端部分は飛び込み台もかくや、と思わせるおひとりさまでも触車上等のスペースのなさで、ホームの体を成してはいないようです。子供的にこのホームの形は「ばかうけみたい」と言っていて思わずこっちがバカ受けしてしまったのだが、確かにこの形は栗山米菓感ある(笑)。青のりしょうゆ味が結構好きだぞ。

 

駅東側に立つ西枇杷島駅舎。券売機小屋を建て増しした感じで新旧が入り混じってますけど、「旧」の部分は漆喰壁の瓦屋根と言うスタイルはいかにも私鉄電車の駅らしく好ましいですね。ホームで電車を待つには狭過ぎて危険なため、通常は構内踏切が降りていてホームには上がれないようになっています。と言う訳で乗客は駅舎内で待たされる事になりますが、電車の到着が近づくと、駅員の方が遮断機を上げてホームに誘導してくれます。


西枇杷島の駅は名古屋から3駅しか離れていないのに日中は上下方向とも30分ヘッドと非常に間隔が長いのがネック。優等が全く止まらないのは仕方がないとしても、名古屋方面はデルタでの犬山線の合流を見越して普通列車の本数を絞っているのか完全にダイヤ上のエアポケットになっている感じ。かたや岐阜方面は日中は津島線方面の電車ばかりなので、一宮や岐阜へ行きたければ須ヶ口で乗り換えになるので使い勝手は良いとはとても言えない。600m西にある二ツ杁駅は準急停車駅で日中毎時4本の停車があるので、名駅まで急ぐ用事ならそっちを使え(9分230円)と言う事なのだろうか。そもそも西枇杷島の駅の北800mにはJRの枇杷島駅があって、そっから名古屋までなら1駅4分190円だからハナっから勝負にはならないのだが。

待ちくたびれた我々家族、駅員さんのお許しがようやく出たのでホームに駆け上がる(笑)。様々な理由がある中で近代化にも取り残された駅ですが、それでも我々家族の他に4~5名程度の近所の方々が電車の時間に合わせて駅に集まっているのを見ると、本数は少ないながらも利用者はそこそこいるようです。
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夏は名古屋で、何をする?

2017年08月19日 23時00分00秒 | 名古屋鉄道

(尾張名古屋は何で持つ?@名古屋城)

えー、クソみたいな天気の関東地方を抜け出して、今回のお盆休みは家族で名古屋に遠征して来ました。普段テツ絡みでばっかし名古屋に来てるもんだから、まともに名古屋なんか観光した事のないアタクシ。今回はあくまで家族運用が主体なので名古屋城とか行ってしまったよ(笑)。関東から西へ行けば行くほど天気が良く暑い傾向があったお盆休み、この日の名古屋は日射しこそ強くないものの蒸し暑さがハンパなく、忍者のコスプレをして場内を回っているイベンターの方々が非常にしんどそうだった(笑)。


復元中の本丸御殿とか。入場料500円分くらいのモトは取るべくしっかり見て行きますよ。こういう構図を見るとどうしても松平健が脳内に登場して、暴れん坊将軍のテーマソングが流れ出してしまうのは仕様。まああれは江戸のお話だけど、同じ徳川だから似たようなもんだろう。


金のシャチホコを戴いた天守閣。尾張徳川家の象徴とも言える城です。徳川御三家尾張と紀州とあとどこだっけ。水戸か。もう山川の赤い歴史本から得た知識は遠く遥か彼方。下から見た瞬間「天守閣まで階段だったら登頂拒否」を固く心に誓いましたが、ご心配なく5階まではエレベーターで行けるのじゃ。


天守閣からの眺め。まったりと水蒸気の多い空気に霞む栄方面。テレビ塔が見えるからあそこらへんが久屋大通か。ちなみに「ぢ」のお薬で有名なヒサヤ大黒堂って名古屋の会社かと思ってたけど、この久屋とは何の関係もなく大阪の会社らしい。涼しけりゃ栄の方とか大須観音あたりブラブラしてもいいけど、子連れであんまり歩かしてもかわいそうだよね。


と言う事で名駅に戻ってみんなでスガキヤ。この店もいわゆる「名古屋めし」というものが意識される前から、関東でも人気のあった名古屋めしかなと思います。ヨメさんも「ニチイの中に入ってて、子供の頃お父さんと食べてた!」とか言ってたけど、昔は関東のショッピングセンターにもスガキヤは店舗展開してたんですよね。それにしてもニチイって懐かしいな。流通業界的にはニチイ→マイカル→サティ→イオンと言う流れですな。


名駅西口の地下街エスカは46周年。名古屋と言えばSKE48(なのか?)。地下街のそこらじゅうにコラボのポスターが張られていたが、残念ながら松井珠理奈と惣田紗莉渚しか判りませんでした。ヨメさんに言わせれば「松井玲奈なき後で松井珠理奈以外を知っているだけで凄い」と妙な感心のされ方をしたのだが、SKEで一番かわいいのって惣田紗莉渚じゃね?


なんかこのブログの記事でデンシャの写真が一枚もないのもキモチワルイので一枚貼っときます(笑)。名古屋中心部をフラフラするのにクルマだと駐車場代ばっかかかってしょうがないので近くのコインパーキングに突っ込んで電車で行ったんだけど、せっかく名古屋に来たんだからJR東海じゃなくて名鉄に乗ったよ!通勤系も新世代のVVVF車とか3300系みたいなステンレス車とかいっぱい走ってるけど、名鉄と言えばこのカタチ。普通運用に就く6000系@東枇杷島。真っ赤な車体と尾灯脇のルーバーに名鉄らしさがありますよね。

テツなお話は次回から!しーゆーねくすとすーん。
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夏をあきらめて

2017年08月14日 17時17分56秒 | 小田急電鉄

(憂鬱な雲の下@善波川脇の田んぼ)

気象庁の観測によると、東京では8月に入ってから毎日雨が降っているそうだ。これだけ関東圏が高気圧に見放された夏と言うものもそう記憶がない、涙雨の盆休みである。2ヶ月ちょっと前は田植えされたばかりの若苗が躍っていた善波川脇の田んぼも、すっかり稲の穂先が伸びていて季節の移ろいの早さを感じる。カカシが立てられて鳥よけのネットも張られ、あとは実りの秋を待つだけの状態ですけど、こうも日照がないとこっからの生育に影響するんじゃないかと余計な心配をしてしまいますねえ。


ここ善波川~鈴川の間のイセツル串橋田んぼ、沿線の田園地帯では開成~栢山周辺と双璧をなす広さを持ちます。秋はトンボと黄金の稲穂に曼殊沙華の赤が揺れるのどかな田園風景が楽しめるのですが、最近秋は長雨に祟られるのであまり晴れカットを撮った事がないんですね。8月の天気運の悪いのは9月に返してもらうつもりでお待ちしています。
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