青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

名俯瞰あり奥手山

2018年04月25日 17時00分00秒 | 飯山線

(まるで箱庭のように@蓮~替佐間)

北飯山で撮った4連の折り返し、124Dを蓮~替佐間で撮影します。この辺り長野盆地と飯山盆地を隔てる長丘(ながおか)丘陵の間を千曲川が流れているのですが、川に突き出た岬のようなこの場所は昔から城山と呼ばれておりまして、SLの時代から対岸の奥手山の集落を望む飯山線の名撮影地なのだそうです。寄り添うように立ち並ぶトタン屋根の古民家と、山の上まで広がる棚田の風景はまるで箱庭のよう。田んぼに水が入ったら、それはそれは素晴らしい風景になるのでしょうね。


千曲の名に相応しく、幾重にもカーブして流れる大河に寄り添って飯山線が走ります。蓮から替佐の間は距離が長く、約6kmに亘って駅の配置がありません。そして線形が悪いために制限速度があるのか、列車はカーブの手前で丁寧にノッチを切りながら、かなりな低速で通過して行きます。スピードは目測で30km/hあるかないかって感じなので、それだけシャッター回数も弾んでしまうのでありますが(笑)。


千曲の流れが作り出したこの風景、俯瞰位置の崖に咲くヤマザクラとともに。川の浸食作用については、カーブの外側は流れが速く山が削られ、内側は流れが緩く沈砂によってなだらかな地形が作られる…なんて地学の授業で習った気がしますけど、ここらへんはそっくりそのままそういう地形ですね。この俯瞰場所にあたる城山には、その名の通り飯山城を守るための山城があったそうですが、地形といいそのヒストリーといい秩父鉄道の波久礼の金尾山と同じだ。あそこも名俯瞰だけど。要するに撮り鉄は線路の近くにある山城を目指せと言う事か(笑)。眼下を索敵するという意味では、山城の兵隊も俯瞰マニアも同じと見た。

山城に 名俯瞰あり 奥手山。
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県都長野への足として

2018年04月24日 17時00分00秒 | 飯山線

(スイセンの花咲く丘@北飯山~信濃平間)

R292とR117の有尾の交差点近くにある、スイセンの密集した群落。この時期の飯山線沿線を巡っていると、桜やハナモモに目が行きがちになりますが、どっこい何気に一番線路際で色を振りまいているのはスイセンの花。意図的に植えられたものなのか、自生しているのかは定かではないんだけど、見かけてもあまりありがたみを感じなくなってしまうほどに咲いている。そういや最近、スイセンの葉っぱをニラと間違えて食っちゃって食中毒になるという事件が多発しているそうなのだが、ニラなんて匂い強いんだから嗅げば分かるんじゃないの??と思わなくもない。折しも春の山菜シーズンでもありますし、野草摘みをなさる方はお気をつけて。


朝の長野方面への輸送力列車として、4連で戸狩野沢温泉へ送り込まれる125D。戸狩到着後は7:02発の124Dとしてすぐに折り返し、長野到着が8:08になりますからまさに飯山線沿線の通勤通学を担うスジという事になります。普段は単行か2連の飯山線が、4連ともなるとさすがに長さを感じますね。確か去年も125Dで飯山色先頭というのを見た気がするのだが、あん時は信濃平で満開の菜の花と合わせたんだっけ。
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信濃平の朝

2018年04月23日 17時00分00秒 | 飯山線

(AM3:46@戸狩野沢温泉駅)

飯山線沿線に行く場合は、基本的には関越道の湯沢ICからR353津南回りで入っていくのですが、今回は高速代をケチって家から渋川伊香保まで下道で行ってみました。が、正直やるもんじゃないね(笑)。上武国道は流れたけど、16号と407号が流れずに家から渋川まで夜中でも3時間かかったぞ…そして、飯山線の運用チェックのために、森宮野原と戸狩野沢温泉に寄るのもこれまた通例なのですが、この日は戸狩滞泊に飯山色を付けた2連が。この編成が始発の長野行き120Dに充当されます。


家から渋川まで3時間、渋川から戸狩まで2時間という矛盾(笑)を感じながら、水銀灯の下の飯山色を眺める。夜にも映えるスタイリッシュなデザインがカッコいい。飯山色にはキハ110-231とキハ110ー233の2両がありますが、戸狩にいたのは231のほうでした。森宮には飯山色がいませんでしたので、あとは長総か十日町か…という事になるのですが、信頼出来る情報筋によると、233は長野からの2番列車で出てくる予定になっているそうです。持つべきものは情報だな!とドヤ顔をしてみたいところですが、協力にまず感謝せねばなりません。


まずは始発列車をどこで撮ろうか…と考えて、やはり空の広い信濃平がいいよねという事で信濃平の駅前で仮眠。目が覚めてみたらもうだいぶ周りが明るくなっていて、日の出が早くなったことを実感する。これなら走行シーンも撮れそうだ。

今回のファーストショットは中学校俯瞰から。朝焼け空の信濃平に、カタンコトンとキハのジョイント音が響きます。
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星降る夜のセレナーデ

2018年04月22日 21時21分59秒 | 飯山線

(栄村の星降る夜@森宮野原駅)

えー、この週末はまたまた飯山線に飯山色を追い掛けて来ました。今年の1月の大雪んとき行って以来だから約3ヶ月ぶりか。自分でも何でこんなに飯山色を追っ掛けているのだろうと、ただのキハ110じゃねーかと思わなくもないんだけど、まあ好きなんだからしょうがない。車両としてのビビッドな色合いもそうなんだけど、行くたびに思うのだがそもそも飯山線の沿線風景の魅力は何にも抗いがたいものがある。今回は飯山色の運用も良かったんで、土曜日の始発から終車まで追っ掛け回してしまったし、森宮滞泊があったもんだから終車になった飯山色と一緒に森宮野原の駅前でマルヨして日曜の朝運用まで延長してしまいました(笑)。


森宮野原の駅前で、目が覚めると午前3時。車を出て空を見上げれば、北信の夜空は息を呑むような満天の星空。ゴソゴソと三脚にカメラを取り付け、真っ暗な構内で飯山色と夜空をカップリングしてみる。ハタから見たら(見なくても?)真面目に不審者としか思われないので、極力物音を立てぬように静かにひっそりとカメラの設定をいじくりながら何枚か。このテの長時間露光の撮影はあんまり慣れてないからクオリティはお察しだけど、シャッターを開けっぱなしで待っている間、空を見ると本物の流れ星が見えた。流れ星見たのなんて、いつ以来だろ。

北信の星空に抱かれて眠るキハ110。星は少しずつ動きながら、その眠りを静かに見守っていました。
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千曲流れて春深し

2018年04月16日 23時03分46秒 | 飯山線

(千曲の流れ滔々と@上境~戸狩野沢温泉間)

千曲の流れに沿って、ライムグリーンの河岸段丘をトコトコと。東日本地区で国鉄型気動車を駆逐した、新生JR世代の車両だと思っていたキハ110系列も何気に導入からはや30年弱。既に気動車の最新トレンドは蓄電池併用型の「HB」ことハイブリッド気動車に移っているので、意外にあと10年くらいしたら置き換えの対象になっているのかもしれない。そんなことになる前に、せっせとカットを溜め込む作業。

キハ110系列が東日本から絶滅する頃に、こっそり写真展でもやろうぜみんな。
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