tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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同時進行!平城遷都1300年(8)

2007年06月09日 | 平城遷都1300年祭
久々に「同時進行…」の第8弾をお届けする。前回は昨年9月2日だったから9か月ぶりだが、この間は動きが少なかった。

平城遷都1300年記念事業協会から、「平城遷都1300年記念事業ニューズレター」がこの間に2回出ている。いわば「公式発表」だが、第4号(06.11.24発行)のトップは「自由民主党平城遷都1300年記念事業推進議員連盟設立―会長に森元首相」だった。
※ニューズレター(PDF形式)http://www.1300.jp/newsletter/newsletter4.pdf

第5号(07.3.30)では、森氏など同連盟のメンバーが平城宮跡を訪れたことが、これまたトップニュースで紹介されている。http://www.1300.jp/newsletter/newsletter5.pdf

この時の様子が毎日新聞(奈良版 3/16付)に出ていた。森元首相は《「ここでサミットをやったらいい。それぐらい素晴らしい会場だ」》《約1時間にわたり視察した森元首相が「(記念事業は盛り上がっているんでしょう?)」と話を振ると、柿本善也知事は「左様でございます」と笑顔で答えた》とある。

しかし、残念ながら地元ではさほどの盛り上がりを見せていない。県知事選は3/22告示、4/8投票だったが、荒井正吾氏(当時は自民党参院議員)は遷都事業の見直し(規模縮小)と宮跡の国営公園化をマニフェストに掲げた(国営公園にすれば、会場整備費の県負担はゼロになるという)。対する西ふみ子氏(共産推薦・前生駒市議)は「お祭りに300億円もかけるのはムダ」と、こちらは事業の中止を訴えた。

さて、上記以外の主な動きを新聞スクラップから拾ってみる。
o奈良・平城宮跡に盛り土案「遺構傷む」専門家懸念(12/14 朝日・夕刊)
パビリオン建設予定地約10haに数10cmの厚さで土砂を盛ることや、部分的には厚さ30cmの発泡スチロールを並べた上に板を載せて舗装する方法を協会が検討していることが分かった。《考古学者の間からは「何でそこまでして開くのか」との声が漏れる》。

oパビリオン、建設場所を変更へ 事業費減額(3/2 朝日・奈良版)
柿本知事(当時)は《主会場となる平城宮跡・大極殿前のパビリオン建設を断念したと表明した。事業費も350億円から300億円程度に減額する》《当初計画では、大極殿から約800m南の朱雀門までメーンストリートを設け、両側に奈良時代の建物をイメージした外観を持つパビリオンを建設。しかし、文化庁は「当時そのような大きな建物はなく、来場者の誤解を招く」などと反対していた》《パビリオンは同宮跡東部を中心に分散して建設する》。

o会議場付きホテル、誘致断念 奈良市(3/7 朝日・奈良版)
《JR奈良駅前に大型ホテルの誘致を進めている奈良市は6日、1千人が収容できるコンベンション(会議場)付きホテルの誘致を事実上断念し、「高規格、高品質」のホテルのみを事業者に公募することを明らかにした》《7月に事業者を決める。コンベンション付きホテルを断念した理由について、市は「事業者側から経営上難しい、という声があったため」としている》。

なおホテルに関する情報としては、7月に139室の東横インが新大宮にオープンする予定だが(21室のビジネスホテル ニューたかつじが建替)、来年1月にはJR奈良駅東側に、(株)グリーンズ(本社:三重県四日市市)が経営するコンポートホテル(131室)が竣工するそうだ。

o開催地として奈良市挙手へ 世界歴史都市会議(6/1 朝日・奈良版)
《奈良市は、平城遷都1300年にあたる2010年に、世界68都市が加盟して2年に1度開かれている「世界歴史都市会議」の開催地として名乗りを上げる》《藤原市長は「歴史のある木造建築など奈良はどこにもひけを取らない。1300年の機会に世界の方々に奈良の史的財産をぜひ見てほしい」と話している》。

2010年には上海万博が開かれるので、これとタイアップして訪日客を呼び込もうとの動きが報道されていたが、この年には韓国・忠清南道で「大百済展」(総事業費400億円・うち政府が200億円負担)が開かれるそうで、百済渡来の文化が残る奈良と連携する話が浮上しているという。

最近になって荒井知事は遷都事業の実現に向け精力的に動いており、5月31日からはフランスを訪れ、ユネスコ・世界遺産センターに対し遷都事業の概要を説明した。6月4日には宮内庁を訪れ、遷都事業の期間中に天皇・皇后両陛下のご来県を陳情。5日には国交省公園課に対し、遷都事業では仮設パビリオンは建設せず、復元する大極殿と朝堂院などの恒久施設を中心に据える、という考えを述べたそうだ。
http://www.sankei.co.jp/chiho/nara/070608/nar070608002.htm

さて上記様々な動きはあるが、肝心の文化庁(ひいてはユネスコ)からは、「平城宮跡を遷都イベントの会場にしても良い」との正式認可は下りていない。私見では、盛り土案が出たり、施設の建設場所を変えるという話は認可に向けた動きとも取れるのだが。

カンヌで現地関係者に遷都事業のバッジや大和茶を配った河瀬直美監督は、「カンヌで奈良を知っている人は1人もいなかった」と語った。
遷都イベントを成功に導くとともに、イベント終了後もお客を呼べる仕組みを作り、観光地・奈良を世界に向けてPRしたいものだ。

※同時進行!平城遷都1300年(7)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/7325e2e9985cf7293f43e5e87c3e90f6
コメント (13)
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