tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

チタンを極める生駒のR&D企業

2007年06月19日 | 奈良にこだわる
6/18の産経新聞夕刊(大阪本社版)の「しごとVIP」欄に、生駒の社長が登場した。見出しは「チタン一筋 未来見据える」。

チタン加工のパイオニア、(株)昭和(生駒市北田原町)の安輝樹社長(46歳)へのインタビュー記事である。同社は経済産業省・中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれた、文字通り元気一杯のメーカーである。
※産経新聞記事を掲載したブログ(拡大すると記事が読める)
http://blog.livedoor.jp/omine_chemistry/archives/50990876.html

私は以前、2度ほど本社工場を見学させていただいたことがある。関西大学で非常勤講師(テーマは「知的財産権」)も務めておられる安社長自らホワイトボードの前に立ち、チタンという金属の特性から、同社が現在取り組んでいるR&D(研究開発)まで、詳しくご説明いただいた(写真は3/1撮影)。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/monozukuri300sha/5kinki/29nara_03.html

チタンは軽くて熱や腐食にも強い金属である。ただし高価(ステンレスの10倍、鉄の100倍)なので細く薄くして使うことが求められるが、同社はその技術に長じている。
http://www.showa-titan.com/index_fl.html

同社のオリジナル製品にチタンテープ(チタン箔の裏面に接着剤を塗ったもの・接着剤がミソ)があるが、これを船底に貼るとフジツボなどの海洋生物が付着しない。しかも従来の有機スズ化合物塗料と違って、海を汚染しない。

さらにチタンの表面全体を酸化させると(=同社独自の技術・世界初)、優れた抗菌効果を発揮する。光触媒の技術を組み合わせることで、空気の浄化や土壌汚染の除去などに応用できる。将来有望な「エコ・マテリアル」として、実用化に向け自治体などと組んで開発を進めている。

現在同社にはドクターも含め、8人の研究者がいて(全従業員=40名)、保有する特許は22件(基本特許は4件)に上るという。

奈良県というと製造業が少ないというイメージだが、このような元気な研究開発型企業もあるのだ。21世紀のキーワードは、環境、健康、安全だそうだ。優れたエコ・マテリアルを極めるこの企業の将来に期待している。
コメント (2)
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