tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

県地域貢献活動助成事業(07年度)公開プレゼンテーション

2008年07月11日 | 奈良にこだわる
7/9(水)、県は、地域貢献活動に取り組む17団体への助成を決定・発表した。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/index.html

今年度から奈良県くらし創造部協働推進課が始めた「奈良県地域貢献活動助成事業」で、審査をパスすれば、経費の半分以内(上限は50万円)が助成されるという仕組みだ。助成金の総額は500万円である。

これに関する公開プレゼンテーション(奈良県地域貢献活動助成事業審査会)が、6/28(土)、奈良県文化会館で行われたので見に行ってきた。プレゼンを行ったのは応募した25の団体だ。昼食とトイレ休憩をはさみながら、午前10時から午後4時までの長丁場だった。
http://www.pref.nara.jp/kenmin/volunteer/tiikikouken.html

参加者はプロジェクター(PowerPoint)や模造紙を使いながら、身振り手振りを交え、熱心な発表が繰り広げられた。

「25団体もの応募があれば、玉石混淆だろう」と軽く考えていたら、中身の濃い提案ばかりで驚いた。めでたく採用された事業をピックアップして、受付番号順に紹介することにしたい。

関西環境とインフラを考える会(No.7)の事業「奈良市道橋梁点検巡視」には、頭が下がった。ちゃんとした資格を持った国交省のOBたちが、市内の橋を自主的に点検し、そのデータを市に還元しているのだ。建設当初は妥当でも、その後の車両台数の増加や重量化により、傷んでいる橋はとても多いのだそうだ。
http://www.nvn.pref.nara.jp/npo/index.php?id=8132



写真のNPO法人地域密着型相談センターとまり木(No.13)は「地域高齢者のための福祉発信事業」を提案した。奈良市東部(春日・飛鳥地区)限定で、高齢者に関心の高いテーマ(介護保険、認知症など)について、サロン型の学習会・相談会を実施しようとするものだ。
とまり木のHPhttp://www16.ocn.ne.jp/~soudan/
同ブログhttp://soudantomarigi.cocolog-nifty.com/



並んで記念撮影をしていたのは、学生たちが中心のNPO法人きゃんす家(No.15)だ。横から割り込んで撮らせていただいた。提案されたのは「2008年度環境教育事業『ならっ子畑プロジェクト』『竹で遊ぼっ!バンブー・フェスティバル』」だ。いずれも子供たちが自然に関心を持つような仕掛けになっている。
http://www.cansya.org/

奈良フィルムコミッション(No.16)は、ドラマ「鹿男あをによし」で大活躍だったが、今回の提案は「奈良フィルムコミッション ボランティアエキストラ講習会」、つまり出演者への研修会だ。これも大切な仕事だ。
http://homepage3.nifty.com/nara-fc/

最も元気のあった発表が、高取土佐街なみ天の川計画実行委員会代表・野村幸治氏(No.18)で、「町家の雛めぐり」と「菜の花回廊・菜の花狩り」の提案だった。この「…雛めぐり」は、過去に2回開催して好評を博しているものだ。

何でも(高取町との協働事業だが)補助金はゼロだったにも関わらず、昨年は約25千人が来訪し、餅花の売上げなどで約60万円の黒字、地元商店には約2千万円の経済効果があったほか、高齢者にとっては健康増進や生きがいづくりなど、福祉的な効用もあったという。高取町の街並みと、雛人形などの古道具という「観光資源」をうまく使うというアイデアが優れている。
※高取町観光ボランティアガイドの会のHPhttp://www.takatori-guide.net/

奈良ユニバーサロン(Nara Univ-Salon No.21)は、県下大学の教員と学生による団体で、「『奈良』のPRと国際交流貢献イベントの展開」を提案した。具体的には、シルクロードをテーマにしたフォーラムや遣唐使の道をたどるツアー(およびツアーの下見)をするという企画で、これも面白い。
http://www.nvn.pref.nara.jp/npo/index.php?id=9603



写真のファミリープロジェクト ジャックと豆の木(No.23)は、「マザースクール設立事業と地域交流イベント」を提案した。子を持つ母親たちの悩みを打ち明けたり相談する場を設けようというものだ。親の子殺し・子の親殺しなどという悲惨な事件が相次ぐ中で、これは有意義な事業だ。

いかるがの里・自然クラブ(No.24)の提案は、「奈良県内幼稚園の紫外線・熱中症対策冊子『太陽と仲良くつき合おう!』プレゼント&アンケート調査」と「小学生用ビデオ『太陽と仲良くつき合おう!』作成事業」だ。

HPでも《オゾン層破壊による紫外線量の増加、地球温暖化に伴う気温上昇による熱中症の増加など子供たちを取りまく環境影響が心配されています。正しい知識を身につけて、太陽と上手につき合いましょう》と呼びかけているが、こんな問題があるとは、今まで知らなかった。
http://www5.kcn.ne.jp/~hohoemi/

NPO法人奈良の食文化研究会(No.25)の発表風景は、冒頭に写真を掲げた。提案内容は「奈良県下の食関係者の参加による『出会い大和の味フェアー』の開催事業」だった。これまで2回行ってきた同フェアを拡大実施しようというものだ。奈良の伝統食や食材を掘り起こそうという意気込みを買いたい。こちらのメンバーとは、「奈良のうまいもの」づくり事業や「なら県民電子会議室」の会合でよくお会いするが、県の事業とうまく連携して、良いイベントにしていただきたいものだ。
http://www.nara-shokubunka.jp/

日頃よくNPO関係者とお会いするので、奈良県下ではNPOの数が多いのだと思っていたら、そうではないらしい。奈良日日新聞の記事「“NPO低調県”克服へ」(7/6付)によれば《県内のNPO認証数も約270。今年3月末現在の262で見ると、全国33位、近畿では最下位だった。人口比ではさらに下がって40位になる》という。

上記事業はそのテコ入れ策の一環で、県は他にもNPOなどを対象とした交流セミナーなどを開催するという。同記事では、協働推進課・森川裕一課長の「昨年度まで実施してきた県とNPOとの協働事業、ボランティア体験キャンペーンなども継続し、多角的に施策を展開していきたい」というコメントも紹介されていた。

県下のイベントで成功しているのは、ほとんどがNPOやボランティアが運営する事業だ。環境保全や社会福祉面においても、こうした人々の活躍が目立つ。これからは県も強力に支援するということだから、活動には拍車がかかることだろう。公と民が手を携えて、ぜひ地域を元気にしていただきたいものだ。
コメント
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