tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

九度山町を元気に!

2010年09月20日 | 九度山町
時事通信社のニュースサイト「時事ドットコム」に、私の故郷・九度山町(和歌山県伊都郡)の町長・岡本章くん(おかもと・あきら=トップ写真中央)のインタビュー記事が掲載された。岡本くんは、九度山中学時代の同級生である。タイトルは《日本一元気な町を目指す》だ。以下に記事を紹介する。
http://www.jiji.com/jc/v2?id=20100805top_interview09_04



《世界遺産に登録された霊場、高野山のふもとに位置する和歌山県九度山町(5200人)。今年4月の町長選で再選を果たした岡本章町長(おかもと・あきら=56)は、「まちづくりの主役は住民。知恵と対話で日本一元気なまちを目指す」と町政運営に意欲を見せる》。私が子供の頃の人口は約8千人だった。それが、いつの間にか5200人まで減っていたのだ。高齢化も進んでいることだろう。知らないうちに過疎地にも指定(=過疎法の適用要件に該当)されている。



《女人高野として知られる「慈尊院」や、戦国武将真田幸村の閑居の地としても有名で、歴史と自然に恵まれた町。しかし、近年は人口流出が続き、活気が失われてきたのも事実。そこで町長が取り組んだのが「わがまち元気プロジェクト」。町民のアイデアを積極的に取り入れ、活性化を図ろうという試みで、中でも昨年春から始まった「町家の人形めぐり」は大成功。民家や商店が持っている五月人形やひな人形、創作人形などさまざまな人形を玄関や店先に飾り、観光客らに自由に見てもらおうというイベントだ》。人形めぐりは大ヒットだった。町長をはじめ、阪井賢三さん、松本宜雄(よしお)さんなど「九度山町住民クラブ」や町民の皆さんの努力が実ったのだ。

2010年町家の人形めぐりin kudoyama(松本宜雄さん制作)


《もともと幸村にちなんだ「真田祭」が5月の連休に行われている。よろいかぶとに身を包んだ武者行列がヒントになっており、開催も同時期。最初は「人に見せる人形など」と引っ込み思案だった町民も、「そういう人形なら家にもある」と積極的に参加するようになったという》。真田祭りは、以前からよく知られた祭りだったが、わずか3日間(5/3~5)で終わる。人形めぐりは4/1から5/5まで引っ張れるから、経済効果も大きいのだ。
※2010真田祭り回顧(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/07fe1d6fdec7a0d1fa5f61c3a9f50cfa



《また、町職員のアイデアで名産の柿をテーマにした収穫祭を3年前から開催しているが、こちらも町内外から2万人を集客。「職員には失敗を恐れるなと言ってきた。おかげで(職員の)意識もずいぶんと変わった」と振り返る》。

九度山の柿は美味しい。土壌や気候が柿に有っているのだろう。とりわけ、甘くてシャリシャリした食感の富有柿はNo1.の特産品である。だから好評の「大収穫祭IN九度山」は、今年も開催される。町のHPによると《九度山では朝夕少しずつではございますが、涼しく、秋の気配が感じられるようになりました。秋と言えば、九度山の季節です。早いもので、極早生品種の中谷早生の収穫が始まっております。もうすぐ、刀根早生の収穫へと移っていく予定です》。



《さて、九度山の秋のイベントといえば、「大収穫祭IN九度山」。特産の富有柿を中心に、秋の実りに感謝を込めて、多数のブース、フリマ、ステージイベント等盛大に開催されます。今年も、11/13(土)、14(日)の2日間開催される予定です。その大収穫祭IN九度山のフリーマーケットの出店者を現在募集中です》。
http://www.town.kudoyama.wakayama.jp/dd.aspx?itemid=2550#itemid2550



「時事ドットコム」に戻る。《「古くからの住民には、町の良さがなかなか見えていないようだ」というのが悩みの種だが、子育て世代を対象に家賃の半額補助制度を始めたところ、対象住居26戸に対し、他府県や町外を含め63件の応募があった。「若い人は九度山の良さを見てくれている」と期待をつなぐ》。

以前、お隣りの橋本市民から「九度山は特別な町」といわれ、驚いたことがある。考えてみれば、風格のある町家があるし、幸村が隠棲していた真田庵、女人高野・慈尊院、世界遺産を構成する町石道(ちょういしみち)など、名所旧跡は多いのだ。町から見下ろす紀ノ川の眺めも良い。


手打ちそば200円(5/5撮影)

《幸村の縁で姉妹都市提携している長野県上田市の協力を得て新たな名産品「紀州真田そば」の開発にも取り組んでいる。「知恵とアイデアのある市町村が生き延びていく」と自らに言い聞かせる日々だ》。真田祭りの日、この手打ちそば(200円)をいただいたが、とても美味しかった。郷土食である柿の葉寿司と組み合わせれば、定食もにできる。

地元の松本宜雄さんからは、《紀州真田そばのお店が真田庵横にこの秋オープンされるようです(少し遅れているような感じですが)味も真田まつりの頃よりは格段にパワーアップされているとの事で、ますます楽しみです》というコメントもいただいた。これはぜひ、お訪ねしなければ。

《〔横顔〕大手鉄鋼メーカー勤務を経て帰郷、喫茶店を経営。1990年から町議を通算4期務めた。2006年現職を破り初当選。もともと「人の面倒を見るのが好き」で、町議になったのも「仲間から担ぎ出された」から。「町長の仕事は極論すれば、決裁だけだが、自分から仕掛けていくといくらでもある。やりがいのある面白い仕事だ」と言い切る。〔町の自慢〕日本一おいしい富有柿の産地》。



読売新聞(大阪本社版 8/5付)の「ぶらり日帰りの旅」でも、九度山町が紹介された。この記事のことは鹿鳴人さんに教えていただいた。
http://osaka.yomiuri.co.jp/day-trip/dt100804a.htm

《霊峰・高野山のふもと、和歌山県九度山町。戦国の雄・真田幸村ゆかりで知られる。いま、築80年余りの橋梁(きょうりょう)が話題になっている。酷暑を逃れ、山と谷が織りなす妙を味わいにいった》。



《上古沢駅で降りて山並みのパノラマを眺めながら下り、舗装された遊歩道へ。かつて高野の材木を運んだ“トロッコ道”の跡だ。木々が生い茂ってつくる陰は涼しく、汗がひく。耳に快いのは、せせらぎとウグイスのさえずりか。歩くこと約20分。山道を分け入ると、くすんだ赤色の中古沢橋梁(きょうりょう)が姿を現した》《と、遠くから「キーーン」という音が聞こえてきた。徐々に大きくなってきたかと思うと、「ガタゴト、ガタゴト……」。あっという間に車両が頭上を通り過ぎていった。その迫力。鉄道ファンの気持ちが、わかる気がした》。


真田昌幸(=幸村の父。5/5の真田祭りで撮影)

《遊歩道に戻り、下古沢駅から九度山駅へ。関ヶ原の戦いに敗れ、信州・上田から高野山に流された後、昌幸・幸村父子が閉居した屋敷跡に立つ真田庵(善名称院)に向かう。旗印の六文銭が刻まれた門をくぐると、父子の魂をまつったお堂や資料館がある。歴史ブームで観光客は増えている》。

《幸村が穏やかに暮らしたことは、あまり知られていない。人柄で地元の民に慕われた。高野山の猟師たち30人余りが幸村の元にはせ参じたのは、慶長19年(1614年)。大坂冬の陣直前のことという。庵主の渡部恵光さんは「九度山での暮らしぶりから、幸村の魅力の一端を伝えていければ」と話した。幸村は九度山での静かな日々で歴戦の疲れを癒やし、それが再起につながったのだろう。緑なす里から元気をもらい、そう思った》。


真田幸村(同)

《南海高野線九度山駅へは、大阪・なんば駅から急行で約1時間。駅にほど近い「真田いこい茶屋」ではマップを入手できる。真田庵に至る道には、抜け穴と伝えられる真田古墳などがある。高野山に続く町石道(ちょういしみち)の起点までは駅から徒歩30分。近くに、弘法大師の母がまつられた慈尊院がある。紙遊苑(0736・54・3484)の開館は水曜~日曜の午前9時~午後4時半。予約すれば紙すき体験もできる》。


町民手づくりの甲冑(同)

九度山町の招福庵(お土産物店)の西田さんのブログ(紀州九度山奮闘記)に、こんな情報が出ていた。《今日は大切なイベントのお知らせがあります 平成23年3月6日日曜日(予定) 九度山町を舞台にしたコスプレイベントを行います コスプレで人気の紫織(しおり)さんのアドバイスを戴き 詳細は(これから)決定して行きますので お見逃しなく 当日は九度山の真田祭りで大人気だった 手作り甲冑隊も加わります》。
http://plaza.rakuten.co.jp/kisyurokumonsen/diary/20100815/


手づくり甲冑隊(同)

これは面白そうだ。人形めぐりなどを契機に、町の雰囲気が変わり始めているようだ。「定住人口が増えないのなら、交流人口(観光などで呼び込む人口)を増やさなければならない」というのが理の当然である。人口減少を嘆くのではなく、交流人口の増加に向け、どんどんイベントを仕掛けよう。
岡本町長、どうぞよろしく!
コメント (6)
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