tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

観光地奈良の勝ち残り戦略(38)仏女ブロガーの募集を!

2010年09月02日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
今年の7月、滋賀県が「歴女ブロガー」を募集した。朝日新聞(4/7付夕刊)によると《近江の旅PR、歴女が助太刀 ブロガー募集へ 魅力発信役、県が新事業》《戦国武将らに思いを寄せる「歴女(れきじょ)」を全国から招き、インターネットを使って魅力を発信してもらう新事業に滋賀県が乗り出す。同県は織田信長の居城・安土城跡、石田三成の佐和山城跡など戦国史跡の宝庫だが、旅先としての人気はいま一つ。歴女たちの発信力に期待を寄せる》。

《滋賀には、織田信長、徳川家康の連合軍が、浅井長政、朝倉景健と戦った姉川古戦場跡、比叡山延暦寺など名高い名所旧跡が多い。国宝、重文の指定件数は東京、京都、奈良に次ぐ全国4位だ。しかし、「日経リサーチ」の2008年の調査では、47都道府県のなかで滋賀県を訪れたいと答えた人数は40位だった》。

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《しかし、最近の戦国ブームで変化が起きている。石田三成が生まれたとされる同県長浜市石田町の出生地跡に立つ「石田会館」には20代中心の若い女性たちがやって来て、例年800人程度の来館者が、昨年は約3500人に膨れあがった。インターネット上で身辺雑記などを公開する個人のブログにも、滋賀の戦国史跡を紹介する文書も登場するようになった。そのうえ、2011年にはNHK大河ドラマで近江の戦国大名・浅井長政の娘が主役の「江(ごう)」も放送される》。

《このため、滋賀県は「近江路・歴女ブロガー旅紀行による情報発信事業」と銘打ち、ブログに旅行記を書いてくれる50人を秋までに全国から募集する。歴女に滋賀県内を巡ってもらい、観光客誘致に一役買ってもらおうと考えた。1泊2日の旅行プランを提出してもらい、入選者に上限3万円の往復交通費を支給する。彦根城や三井寺など観光名所も特別割引で見学でき、宿泊先のホテルもブログで紹介すれば無料になる》。

《滋賀県では昨年5月、新型インフルエンザが流行した影響で、約100校、約1万7千人の小中高校が修学旅行をキャンセルし、観光業は大きな打撃を受けた。県の担当者は「全国の歴女が滋賀の魅力を発信してくれる。後押ししない手はない」と話している》。

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関西で修学旅行先といえば、まずは京都。たいていの学校は京都2泊を希望するそうだ。しかし「なかなか宿が押さえられないので、1泊は滋賀か奈良に泊まる、というケースが多いです」と聞く。積極的に行きたい旅行先ではないのだ。だから、ブログで情報発信してもらえるというのは、とても有り難いことなのだ。

私の職場のY嬢は、戦国武将ファンの歴女である。彼女のパソコンのスクリーンセーバーは、さる武将が拝んでいたという明王像である。九度山町(和歌山県)の真田祭りにも、たくさんの若い歴女が訪れていた。なお滋賀県は「歴女」を前面に押し出しているが、男性(歴士)でも応募できる。
※ブロガーの募集サイト(JTB)
http://jtbwallet.jp/special/shiga/

果たして、どれだけの「歴女ブロガー」が集まるのか、興味津々だった。その結果が昨日(9/1)の日本経済新聞(近畿経済面)に載った。《「歴女ブロガー」、アイドルら50人、滋賀県、モニター募集で》《滋賀県は募集していた「近江路・歴女ブロガー旅紀行」のモニターに、歴史に詳しいアイドル「歴ドル」として知られる美甘子さんと小日向えりさんを含む50人(女性39人、男性11人)を選んだ。戦国時代を中心とした歴史が好きな「歴女」「歴士」として滋賀県に招待し、ホームページに旅行記を書いてもらう》。

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《モニターには20~40歳代を中心に女性208人、男性56人の合計264人が応募。東京都や神奈川、埼玉県など首都圏と大阪府が目立った。織田信長ゆかりの安土城や、来年のNHK大河ドラマのテーマとなる浅井三姉妹ゆかりの湖北を自転車で回るコースなどを希望する人が多かった》。

《県観光交流局は「応募は予想の2倍以上」と喜ぶ。ブロガーには滋賀までの往復交通費と1泊2食の宿泊費を補助し、9月下旬~10月中旬に県内を旅行してもらう》。
※滋賀県のホームページ
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/fb01/20100831.html

競争率が5倍を超えたとは、スゴい。県のHPによると選考の基準は《応募者のブログを閲覧し、(1)更新度(ブログ更新間隔)、(2)歴女度(歴史内容記載の度合い)、(3)人気度(コメントの数、閲覧数)を総合的に判断し、参加者を決定》とあった。こんな人気ブロガーが一斉に滋賀県の魅力を発信してくれるとは、頼もしいことである。

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これはぜひ、奈良県もマネしてもらいたい。昨今の仏像ブームで、「仏女(ぶつじょ)」や「仏(ぶ)っちゃん」(吉田さらさ女史の造語)は多い。仏像ガールさん 、モデルのはなさん、漫画家の柴門ふみさんなど、著名人の仏像ファンもたくさんいらっしゃる。みうらじゅん、いとうせいこうも大活躍中だ。

特に1300年祭の今年は「奈良大和路 秘宝・秘仏特別開帳」で、スゴい仏像が特別開帳されているので、話題はいっぱいある。私のような素人でも、ケーブルテレビ局からお声がかかるほどなのだ(「奈良の秘仏めぐり」は、阪神電鉄沿線の「ベイ・コミュニケーションズ」でも再放送されるそうだ)。

「仏女ブロガー」募集で奈良の観光振興を、というアイデアはいかがだろうか、奈良県庁観光交流局さん!

※トップ写真は伝香寺(奈良市)の重文・地蔵菩薩立像。左は西山明彦(みょうげん)住職。3/23撮影
コメント (5)
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