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日本最古の石仏が安置されるボタン寺・石光寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第32回

2019年12月06日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に毎週木曜日「やまと百寺参り」を連載している。先週(11/21)掲載されたのは「日本最古の弥勒石仏/石光寺(葛城市)」、執筆されたのは香芝市在住の平越真澄さんだった。彼女はサンスクリット語に堪能で、同会の会報紙に「サンスクリット語について」を連載中だ。

石光寺は香芝市のすぐ南の葛城市染野にある。春のボタンで知られるが、冬には藁囲いされた「寒ボタン」が咲く。双方のボタンの時期に特別開帳されるのが、日本最古の弥勒石仏(頭部と台座)である。では記事全文を紹介する。

二上山山麓(にじょうざんさんろく)の穏やかな丘の上に、中将姫が蓮の糸を染めたという伝説により「染寺(そめでら)」とも呼ばれる「石光寺(せっこうじ)」があります。天智天皇の勅願で、役小角(えんのおづぬ)が開基し、天皇は光を放つ大石に弥勒仏を彫らせたと伝わ
っています。

長年その弥勒石仏は不明でしたが、1991(平成3)年の弥勒堂改築の発掘調査の時、白鳳時代の瓦や塼仏(せんぶつ)とともに発見されました。二上山凝灰岩の丸彫で、「日本最古の石仏」と注目されました。

この弥勒石仏は、年2回(1月1日~31日と4月20日~5月20日)、弥勒堂で特別開帳されます。ちょうどその時期「牡丹(ぼたん)寺」としても有名な境内では、寒牡丹や梅、春牡丹や芍薬(しゃくやく)など多彩な花々が咲きそろい、この世の浄土のようでもあります。

近くの當麻寺(たいまでら)にも弥勒仏があり、白鳳時代この地域では弥勒仏を信仰していたのではと思いを巡らすのもよいでしょう。現在のご本尊木造阿弥陀如来坐像は本堂で祀(まつ)られています。ぜひ石光寺にお参りください。(奈良まほろばソムリエの会会員 平越真澄)

(宗派)浄土宗
(住所)葛城市染野387                   
(電話)0745-48-2031
(交通)近鉄二上神社口駅から徒歩約15分
(拝観)3月末まで9時~16時半、4、5月は8時半~17時、400円。6月1日~11月19日は無料
(駐車場)有(無料)


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