tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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静かにたたずむ業平寺/毎日新聞「やまと百寺参り」第34回

2019年12月15日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して、毎日新聞奈良版に毎週木曜日、「やまと百寺参り」を連載している。12月5日(木)に掲載されたのは「山里を思わせる花の寺/不退寺」、執筆されたのは同会理事で奈良市在住の石田一雄さんだ。石田さんは奈良市のことには、とてもお詳しい。おそらくこのお寺には何度もお参りしていることだろう。

不退寺の別名は「業平寺(なりひらでら)」。《正式には不退転法輪寺。平城(へいぜい)天皇が仮住まいした「萱(かや)の御所」が阿保(あぼ)親王と子の在原業平(ありわらのなりひら)に伝えられ、業平が仁明(にんみょう)天皇の勅命により自作の観世音像を祀ったことに始まるという》(『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』)。では記事全文を紹介する。

近鉄新大宮駅から北へ歩き、一条通を越えると一直線に200㍍ほどの細い参道があります。JR関西線の踏切を渡っていくと、南大門のまわりは木々に囲まれた森のようです。門から見える本堂の奥は山のように見えます。平城山(ならやま)丘陵のうちの佐保山の西端で、さらに西にJR線と国道24号が通っていますが、その喧騒(けんそう)はあまり届きません。町中にありながら山に抱かれた山里を思わせます。

鎌倉時代の本堂には、在原業平(ありわらのなりひら)自作と伝わりリボンをつけたように見える本尊・聖観音立像、5体そろった奈良では珍しい五大明王像が安置され、常時参拝できます。

この寺の庭は独特の風情を持っています。林のような木々に囲まれた庭の中で、四季それぞれの花が咲き誇ります。10月から5月まで200種以上の椿が続々と咲きます。11月下旬から12月初めは、多宝塔のまわりの紅葉が池に映えて美しいです。3月から4月は500本のレンギョウ、5月にはキショウブ、6月から11月まではスイレンが咲きます。四季に絶えるときのない花々を愛(め)でに訪れてみてください。(奈良まほろばソムリエの会理事 石田一雄)

(宗派)真言律宗
(住所)奈良市法蓮町517
(電話)0742-22-5278
(交通)近鉄新大宮駅から北へ徒歩約15分
(拝観)9~17時、平常展500円。特別展600円、業平忌(5月28日)700円
(駐車場)有(無料)


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