tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

「シャクヤクどぶろく」で地域活性化!御所市の葛城酒造と、さんろく自然塾うめだファームがコラボ

2024年02月13日 | 奈良にこだわる
日曜日(2024.2.11 付)の毎日新聞奈良版に、〈シャクヤク酵母で酒の花咲かす 葛城酒造、新人女性杜氏が挑む 仕込み終え月末に完成予定〉という記事が出ていた。
※トップ写真は、毎日新聞の記事サイトから拝借した

シャクヤク(芍薬)の花から分離した酵母(花酵母)を使って、どぶろく(濁り酒)を作るというのだ。仕込む量が少なくて搾れないので、搾らない「どぶろく」になったそうだ。どんな味がするのか、これは楽しみだ。以下、記事全文を紹介する。

銘酒「百楽門」で知られる御所市名柄の「葛城酒造」が、薬草のシャクヤクの花由来の酵母菌を使った日本酒造りに取り組んでいる。作り手不足で一時は事業断念の危機にあった老舗酒造を救おうと、他業界から飛び込んだ新人女性杜氏(とうじ)が前人未到の挑戦を決めた。9日に仕込みを終え、順調なら今月下旬には地元産の酵母と米を使った希少な酒が出来上がる見込みだ。【稲葉陽】

シャクヤクは5月ごろに赤や白の花をつけるボタン科の多年草。根は鎮痛や血行促進などの効能があるとされ、漢方の生薬として使われている。花は鑑賞用以外に利用法がなかったが、県産業振興総合センター(奈良市)が2022年春、県内各地のシャクヤクの花びらから採取した酵母を採取して酒やワインを試作したところ、いくつかの酵母が醸造に利用できることを確認。

中でも、御所市増の元大学教員、楳田高士さん(75)が栽培する花の酵母が、日本酒向きの酸味やうまみを生み出すことが分かったという。葛城酒造は1887年の創業。2017年に酒造りの中心を担っていた社員が病気で急死し、突然、作り手不足に陥った。4代目で代表取締役の久保伊作さん(69)は「廃業も考えた」という。

窮地を救ったのが、香芝市出身で証券会社や生命保険会社の営業職などを務めてきた谷口明美さん(54)だ。「おいしい酒をつくりたい」と県の仲介で事業承継に手を挙げ、新潟の酒蔵での1年間の修業を経て、22年8月に葛城酒造の経営に参画。新人杜氏として、さらに久保さんとの共同代表として酒蔵を切り回し始めた。

谷口さんが楳田さんの提案で挑戦を始めたのが、シャクヤク酵母による酒造りだ。久保さんも「難しい挑戦だが、うまくできれば面白い」と後押しし、昨年末から住民らでプロジェクトチームを組んで準備を進めてきた。

ただ、県によると、現在のシャクヤク酵母はアルコール濃度が上がりにくく、醸造過程で他の腐敗菌が繁殖する危険性があるという。このため、酒蔵ではまずは一番小さなタンクを使い、米110キロから4合(720ミリリットル)瓶約400本を試作することにした。量が少なくて絞ることができないため、どぶろく(濁り酒)として製造する。

新たな酒の名前はシャクヤクの大輪の花にちなんだ「華」。谷口さんは「私が葛城酒造に関わってから初めての新しい取り組み。ぜひ成功させて、満開のシャクヤクを見ながら飲んでみたい」と話している。取り組みへの出資者も募集している。一口5000円で、完成したら4合瓶1本がもらえる。問い合わせ先は葛城酒造(0745・66・1141)。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする