NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。今週(2024.1.25)掲載されたのは、〈役行者ゆかり 池がご神体/池神社(下北山村)〉、執筆されたのは同会会員で、吉野郡天川村にお住まいの奥田八尋(やひろ)さんだった。
※トップ写真は池神社の拝殿、下北山村で
下北山村と言えば1ヵ月ほど前、国道169号で土砂崩れがあり、今も通行止めが続いている。池神社の取材や写真撮影は、土砂崩れの前に済ませていたようで、原稿が間に合って安堵している。では、全文を紹介する。
池神社(下北山村)
池神社は下北山村池峰にある明神池のほとりに鎮座します。この池は周囲が約1㌔もある県内最大の天然池で、神社のご神体です。1300年ほど前に池の水面が荒れ狂ったとき、修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が三日三晩の祈願で水神の怒りを鎮め、水神を祭る社を建てるように命じて創建されたと伝わります。
主祭神は、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で、雨乞いのご利益で知られ、村内だけではなく、広く南紀熊野地方でも信仰を集めています。同村によると、神秘的な雰囲気に包まれた明神池には「七不思議」があるとされます。
その一つが「入る谷無し 出る川無しなのに、決して枯れず、水位がひとりでに上昇する」ことです。池は標高370㍍ほどの峰の上にあり、一周する遊歩道を歩いても、流れ出る川や注ぎ込む谷は、どこにもありません。それでも、いつも水をたたえています。
神社を訪れるほとんどの人が、拝殿でお参りする前に、池の社の箱の中から餌を買い、コイに与えます。コイや亀が参詣者に癒やしとパワーを与えてくれるようです。神社は7地区ごとにいる神事の主宰者「頭屋(とうや)」によって維持され、村民の心のよりどころであり、池や境内の木々とともに大切に守られています。(奈良まほろばソムリエの会会員 奥田八尋)
(住 所)下北山村池峰1
(祭 神)市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、少那彦命(すくなびこなのみこと)
(交 通)近鉄大和上市駅からR169ゆうゆうバス「池峯公園」下車(同村の土砂崩れで運休中)
(拝 観)境内自由
(電 話)07468-5-2241
※トップ写真は池神社の拝殿、下北山村で
下北山村と言えば1ヵ月ほど前、国道169号で土砂崩れがあり、今も通行止めが続いている。池神社の取材や写真撮影は、土砂崩れの前に済ませていたようで、原稿が間に合って安堵している。では、全文を紹介する。
池神社(下北山村)
池神社は下北山村池峰にある明神池のほとりに鎮座します。この池は周囲が約1㌔もある県内最大の天然池で、神社のご神体です。1300年ほど前に池の水面が荒れ狂ったとき、修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が三日三晩の祈願で水神の怒りを鎮め、水神を祭る社を建てるように命じて創建されたと伝わります。
主祭神は、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で、雨乞いのご利益で知られ、村内だけではなく、広く南紀熊野地方でも信仰を集めています。同村によると、神秘的な雰囲気に包まれた明神池には「七不思議」があるとされます。
その一つが「入る谷無し 出る川無しなのに、決して枯れず、水位がひとりでに上昇する」ことです。池は標高370㍍ほどの峰の上にあり、一周する遊歩道を歩いても、流れ出る川や注ぎ込む谷は、どこにもありません。それでも、いつも水をたたえています。
神社を訪れるほとんどの人が、拝殿でお参りする前に、池の社の箱の中から餌を買い、コイに与えます。コイや亀が参詣者に癒やしとパワーを与えてくれるようです。神社は7地区ごとにいる神事の主宰者「頭屋(とうや)」によって維持され、村民の心のよりどころであり、池や境内の木々とともに大切に守られています。(奈良まほろばソムリエの会会員 奥田八尋)
(住 所)下北山村池峰1
(祭 神)市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、天児屋根命(あめのこやねのみこと)、少那彦命(すくなびこなのみこと)
(交 通)近鉄大和上市駅からR169ゆうゆうバス「池峯公園」下車(同村の土砂崩れで運休中)
(拝 観)境内自由
(電 話)07468-5-2241