tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

神意を伺う占いの神祭る「天香山神社」(橿原市)/毎日新聞「やまとの神さま」第84回

2024年05月21日 | やまとの神さま(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまとの神さま」を連載している。先週(2024.5.16)掲載されたのは〈神代から続く占い伝える/天香山神社(橿原市〉、執筆されたのは同会会員で、橿原市在住の本田倫子(ほんだ・みちこ)さんだった。
※トップ写真は、天香山神社拝殿=橿原市南浦町で

天香山神社は小さな神社であるが、今も国家の大事を判断する「亀卜(きぼく)」や、天皇陛下即位の大嘗祭(だいじょうさい)のための「神撰田(しんせんでん)」決定に関係する神として、重視されている。では、全文を紹介する。

神代から続く占い伝える/天香山神社(橿原市)
天香山神社は、正式には天香山坐櫛真命(あまのかぐやまにいますくしまのみこと)神社と言い、天香具山の北麓に鎮座します。祭神は、櫛真命(櫛真智命に同じ)で、神意を伺う占いの神です。国家の大事を判断する亀卜(きぼく)や、天皇陛下即位の大嘗祭(だいじょうさい)のための神撰田(しんせんでん)決定に関係する神として、重視されてきました。

畝尾都多本(うねおつたもと)神社、天岩戸神社、畝尾坐健土安(うねおにますたけはにやす)神社とともに「天香具山坐四処神社」の一つとされています。占いに使う波波迦(ははか)の木(ウワミズザクラ)は、今も境内に自生しています。古事記の「天岩戸神話」には、雄鹿の骨を波波迦の木の皮で焼いて吉凶を占ったとあります。

「春過ぎて夏来るらし白栲(しろたえ)の衣干したり天の香具山」と、万葉集や百人一首に収められている持統天皇が詠んだ有名な歌があります。初夏の清々しい日に藤原京から天香具山方面を眺めた景色を歌っているのでしょう。

天香具山は畝傍、耳成と合わせて大和三山を構成する山ですが、唯一「天の」と神聖視されています。また天香具山の枕詞は「天降(あも)りつく」で、天上から降ってきたとの伝承からきています。神代から続く古い占いの形を今に伝える貴重な神社です。 (奈良まほろばソムリエの会会員 本田倫子)

(住 所)橿原市南浦町608
(祭 神)櫛真命
(交 通)JR香久山駅から徒歩約20分、近鉄大和八木駅からコミュニティバス「別所町」か「南浦町」で下車。いずれも徒歩約15分。無料駐車場あり
(電話)0744・48・0155


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  田中利典師の「蔵王供正行/... | トップ | 売れてます!『奈良にうまい... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

やまとの神さま(毎日新聞)」カテゴリの最新記事