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10月21日に『ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2012』が発売されることが決まり、奈良のどの店が載るか、いろんな噂が飛び交っている。聞くところによると、JR奈良駅近く(油阪地方町)の「ステーキ関」や、学園前(学園南)の「花垣」の下馬評が高いようだ。そんな中で、当ブログの「奈良のお店を勝手に予想!」に、ありんこさんからこんなコメントをいただいた。
《私の行き付けのお店、桜井市にある日本料理のお店「にしむら」さんに、昨年から4度もミシュランの関係者の方々が来店されました。写真も撮って行かれたとのことで、店長さんも今回の発表にどうなることかと、とてもドキドキしておられます。カウンターのみの数席しかない店内、静かで落ち着いた雰囲気に、心配りが行き届いたご主人のお料理。味も雰囲気もぴか一だと思います。もしミシュランに選ばれたら…私にとっては隠れや的存在の貴重なお店なので、予約が取れにくくなりそうで複雑な気持ちですが、とにかく発表がとても楽しみです》。これは貴重な情報である。ちょうど9/22(木)が人間ドック(半日ドック)で公休が取れたので、ランチの予約を入れた(完全予約制)。
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「味の風 にしむら」(桜井市粟殿1023-3 スミヨシ住宅105号)は、桜井市役所や市民会館の東側の住宅地内にある。169号線・桜井中央公民館前交差点の1つ北の細い道路を東に入る 。車の場合、周辺道路は一方通行なので注意を要する。小さな駐車場が、お店の前にある。よく仲間うちの冗談で「にしむらとステーキ関と花垣に共通するのは『場所が分かりにくい』ということやな」言い合っている。星を取れば、道に迷うお客さんが続出しそうだ。
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お店はカウンター10席のみ。それをお2人で切り盛りされている(トップ写真の向かって右が、ご店主の西村宜久さん)。お店に入ると、削りたての花鰹のいい匂いがほんわかと漂ってきて「これが味の風か」と納得した次第である。月替わりのランチは3,780円。まず出てきたのが胡麻豆腐である。白胡麻の豆腐に、たっぷりの練り胡麻がかかっている。ほんのりとユズの香りもする。これは上品でボリューム感のある胡麻豆腐である。
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削りたての鰹節(ランチ3人分)。いい香りだ
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続いて出てきたのがお吸い物。具は海老と鱧のしんじょうと舞茸。海老は車海老よりずっと小さい活け海老を、生きのいいうちに調理したもの。海老の味が濃いし、プリプリ感がたまらない。舞茸は軽く干しているそうで、どおりで歯ごたえがいい。
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いよいよお待ちかね、天然鯛の刺身である。鶴橋の市場に、鯛を締める名人がいて、その名人が締めた鯛である。それをわさび醤油ではなく、わさびと粗塩でいただく。これはうまい! こうすると、わさび醤油より鯛のうま味が引き立つのである。時々、醤油に漬けた皮の部分も一緒にいただき、醤油も味わう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/13/87f79de45070e3c359013073d3428b51.jpg)
続いて、冬瓜(とうがん)と金沢の万寿貝の葛あんかけが出てきた。冬瓜は白い部分だけを選んで煮たもので、たっぷりダシのうま味を吸っている。万寿貝は初めていただいたが、大アサリほどのサイズで、上品な甘さがある。
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陶器の釜では、ご飯がそろそろ炊けてきた。いよいよ締めの一品である。遠目に眺めていると、アナゴだかハモだかの細長い魚に串を打っている。波のような形のいわゆる「うねり串」で、それを高級な紀州備長炭で焼いている。いい匂い。あれっ、この匂いはサンマではないか。たっぷり脂の載ったサンマのまん中の部分が、これまたたっぷりの大根おろしと一緒に皿に載ってきた。そこに釜戸(かまど)炊きのご飯、トッピングは手製のちりめん山椒である。
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サンマもご飯もちりめん山椒も赤出し(具はもずく)も漬け物も、すべて美味しい! しかも「ご飯は、お代わりできますよ」との一言。これは、ちびちびノンアルコールビールなど飲んでいる場合ではない。ご飯にはほどよい甘みと粘り気があり、子供の頃に家で食べていた、薪で炊いたご飯の味であった。結局、ご飯は2杯と3分の2もいただき、満腹になってしまった。デザートは、ほどよい甘さの水ようかんと、抹茶の味が立ったアイスクリーム。どちらも自家製である。「以前は丹波の小豆を使っていましたが最近になって、地元のものを、と宇陀産の小豆に代えました。味には全く遜色ありません」とご主人。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/1d/e1acba8c6d9abe59c9f0b36cba6ded78.jpg)
いやー、参りました、こんなに料理のレベルが高いとは。ミシュラン調査員の話をお聞きすると、今まで5回(!)も訪れたそうである。初回は昨秋(ちょうどミシュランが覆面調査を開始した時期)、2回目はこの春(奈良の店を追加すると公表した時期)で、2回目に「ミシュランから来ました」と明かされたそうだ。合計で、延べ13人(!)が訪れている計算になる。8月には朝日新聞の人気コーナー「まんぷく会のとっておき」でも紹介された。タイトルは「息合うコンビ 深める技」だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/34/3c7ad92d1d9798c39751059dc72a6e35.jpg)
ご主人の西村さんは、学園前の浪漫(奈良市鶴舞東町)で修業されたそうで、こちらも相当こだわった創作料理店のようだ。それにしても、これだけいただいて3,780円は、安い。ここがミシュランで星を取ると予約が殺到し、食事にありつけないかも知れない。何しろ10席しかないのだ。皆さん、今がねらい目ですよ! 良いお店をご紹介いただいたありんこさん、有難うございました。
※桜井市大字粟殿1023-3 スミヨシハイツ 1F 0744-42-7773
近鉄大阪線、JR桜井線桜井駅から徒歩10分(桜井駅から約600m)
営業時間(要予約) 11:30~、13:30~、18:00~20:30(L.O)
昼は3,780円。夜は7,350円と10,500円 月曜定休(祝日の場合は翌日)
《私の行き付けのお店、桜井市にある日本料理のお店「にしむら」さんに、昨年から4度もミシュランの関係者の方々が来店されました。写真も撮って行かれたとのことで、店長さんも今回の発表にどうなることかと、とてもドキドキしておられます。カウンターのみの数席しかない店内、静かで落ち着いた雰囲気に、心配りが行き届いたご主人のお料理。味も雰囲気もぴか一だと思います。もしミシュランに選ばれたら…私にとっては隠れや的存在の貴重なお店なので、予約が取れにくくなりそうで複雑な気持ちですが、とにかく発表がとても楽しみです》。これは貴重な情報である。ちょうど9/22(木)が人間ドック(半日ドック)で公休が取れたので、ランチの予約を入れた(完全予約制)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/0f/909079dca5466d3747cc682737d1f41a.jpg)
「味の風 にしむら」(桜井市粟殿1023-3 スミヨシ住宅105号)は、桜井市役所や市民会館の東側の住宅地内にある。169号線・桜井中央公民館前交差点の1つ北の細い道路を東に入る 。車の場合、周辺道路は一方通行なので注意を要する。小さな駐車場が、お店の前にある。よく仲間うちの冗談で「にしむらとステーキ関と花垣に共通するのは『場所が分かりにくい』ということやな」言い合っている。星を取れば、道に迷うお客さんが続出しそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/68/ea010cb7e13dd1dcca89c141ee82215e.jpg)
お店はカウンター10席のみ。それをお2人で切り盛りされている(トップ写真の向かって右が、ご店主の西村宜久さん)。お店に入ると、削りたての花鰹のいい匂いがほんわかと漂ってきて「これが味の風か」と納得した次第である。月替わりのランチは3,780円。まず出てきたのが胡麻豆腐である。白胡麻の豆腐に、たっぷりの練り胡麻がかかっている。ほんのりとユズの香りもする。これは上品でボリューム感のある胡麻豆腐である。
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削りたての鰹節(ランチ3人分)。いい香りだ
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続いて出てきたのがお吸い物。具は海老と鱧のしんじょうと舞茸。海老は車海老よりずっと小さい活け海老を、生きのいいうちに調理したもの。海老の味が濃いし、プリプリ感がたまらない。舞茸は軽く干しているそうで、どおりで歯ごたえがいい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/7f/58651ec3c7841546557493c31fbb5006.jpg)
いよいよお待ちかね、天然鯛の刺身である。鶴橋の市場に、鯛を締める名人がいて、その名人が締めた鯛である。それをわさび醤油ではなく、わさびと粗塩でいただく。これはうまい! こうすると、わさび醤油より鯛のうま味が引き立つのである。時々、醤油に漬けた皮の部分も一緒にいただき、醤油も味わう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/13/87f79de45070e3c359013073d3428b51.jpg)
続いて、冬瓜(とうがん)と金沢の万寿貝の葛あんかけが出てきた。冬瓜は白い部分だけを選んで煮たもので、たっぷりダシのうま味を吸っている。万寿貝は初めていただいたが、大アサリほどのサイズで、上品な甘さがある。
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陶器の釜では、ご飯がそろそろ炊けてきた。いよいよ締めの一品である。遠目に眺めていると、アナゴだかハモだかの細長い魚に串を打っている。波のような形のいわゆる「うねり串」で、それを高級な紀州備長炭で焼いている。いい匂い。あれっ、この匂いはサンマではないか。たっぷり脂の載ったサンマのまん中の部分が、これまたたっぷりの大根おろしと一緒に皿に載ってきた。そこに釜戸(かまど)炊きのご飯、トッピングは手製のちりめん山椒である。
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サンマもご飯もちりめん山椒も赤出し(具はもずく)も漬け物も、すべて美味しい! しかも「ご飯は、お代わりできますよ」との一言。これは、ちびちびノンアルコールビールなど飲んでいる場合ではない。ご飯にはほどよい甘みと粘り気があり、子供の頃に家で食べていた、薪で炊いたご飯の味であった。結局、ご飯は2杯と3分の2もいただき、満腹になってしまった。デザートは、ほどよい甘さの水ようかんと、抹茶の味が立ったアイスクリーム。どちらも自家製である。「以前は丹波の小豆を使っていましたが最近になって、地元のものを、と宇陀産の小豆に代えました。味には全く遜色ありません」とご主人。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/1d/e1acba8c6d9abe59c9f0b36cba6ded78.jpg)
いやー、参りました、こんなに料理のレベルが高いとは。ミシュラン調査員の話をお聞きすると、今まで5回(!)も訪れたそうである。初回は昨秋(ちょうどミシュランが覆面調査を開始した時期)、2回目はこの春(奈良の店を追加すると公表した時期)で、2回目に「ミシュランから来ました」と明かされたそうだ。合計で、延べ13人(!)が訪れている計算になる。8月には朝日新聞の人気コーナー「まんぷく会のとっておき」でも紹介された。タイトルは「息合うコンビ 深める技」だった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/34/3c7ad92d1d9798c39751059dc72a6e35.jpg)
ご主人の西村さんは、学園前の浪漫(奈良市鶴舞東町)で修業されたそうで、こちらも相当こだわった創作料理店のようだ。それにしても、これだけいただいて3,780円は、安い。ここがミシュランで星を取ると予約が殺到し、食事にありつけないかも知れない。何しろ10席しかないのだ。皆さん、今がねらい目ですよ! 良いお店をご紹介いただいたありんこさん、有難うございました。
※桜井市大字粟殿1023-3 スミヨシハイツ 1F 0744-42-7773
近鉄大阪線、JR桜井線桜井駅から徒歩10分(桜井駅から約600m)
営業時間(要予約) 11:30~、13:30~、18:00~20:30(L.O)
昼は3,780円。夜は7,350円と10,500円 月曜定休(祝日の場合は翌日)
2人の人柄もいいですね。
長く静かに、密やかに、付き合いたい店です。
> 遠来の大切なお客さんは、「にしむら」と決めています。2人の
> 人柄もいいですね。長く静かに、密やかに、付き合いたい店です。
やはりそうでしたか。料理人さんのお人柄も良いです。ミシュランで星を取られても、あの気さくな雰囲気は残していただきたいですね。
ただし、料理を出し終わって一休みしている時に、店の外へ出て煙草を吸っているのが惜しかったです。良い味を守り、さらに磨きをかけていこうと思うなら、煙草は止める方が良いでしょう。
奈良で美味しい店の一つだと思いますだけに、高い要求をさせていただきます。
> 腰をしっかり構えて鰹節を削っていた姿が印象的でした。
私が一番に入店したときも、そういう状態で、いい匂いが漂っていました。鰹節は削りたてに限りますからね。
> 料理を出し終わって一休みしている時に、店の
> 外へ出て煙草を吸っているのが惜しかったです。
うーん、これは鏡さんに見つかったところが不運(?)でしたね。相当高い要求だと思いますが、頑張って期待に応えていただきたいと思います。
時々拝見・・・読み逃げしております・・・
ミシュラン発表されましたね。
にしむらは私の一番のお気に入りです。
で、星はどうだったのでしょう?
みんなに教えたいけど、教えたくないお店なので、
とても複雑です(^^ゞ
素材の良さと店主の誠実さがいいです。
お店の空間もとても好きです。
きっちり仕込みをされていて、仕上げ、盛り付けを
目の前でしてくださる、その所作にも見とれます。
コメント書いてたら、行きたくなりました!
> にしむらは私の一番のお気に入りです。
で、星はどうだったのでしょう?
すでにご存じの通り、1つ星を獲得されました。
> みんなに教えたいけど、教えたくないお店なので、とても複雑です
それは他のお店にも言えますね、ますます予約が取りにくくなる、と。
> 素材の良さと店主の誠実さがいいです。お店の空間もとても好きです。きっちり仕込み
> をされていて、仕上げ、盛り付けを目の前でしてくださる、その所作にも見とれます。
まさに、お書きの通り。私の実感とピッタリです。本文に引用させていただきたいくらいです。落ち着いた頃に、私も再訪したいです。
私が嬉しい理由が実はもう一つあります。
この西村さんのお店は私の大切な友人(ケイパンさん)が設計施工したお店だからです。
ケイパンさんがこだわったポイントは、お客様が入り口から入って来られた時に、カウンター席がすぐに目に飛び込まないこと。食事中の方たちは落ち着いて食事ができます。ワンクッション壁を作ったことはすばらしいと思います。
そしえあえて席をカウンターのみに押さえたことです。狭いスペースの中、後ろにテーブル席があるとやはり落ち着きません。ですからとても贅沢な空間に仕上がっていると思います。
他にもいろいろと細かな配慮が見受けられる店内です。また今度いらしたときには、そういうところも見て楽しんでいただけたと思います。
長々と書いてしまいすみません、、、
しばらく大変忙しい日々を送られるであろう西村さん。どうかこれからも美味しいお料理作りと温かな笑顔でがんばってください。
> ワンクッション壁を作ったことはすばらしいと思います。そしえあえて席をカウンターのみ
> に押さえたことです。狭いスペースの中、後ろにテーブル席があるとやはり落ち着きません。
うーん、なるほど。入口からカウンターが目に飛び込まない、ということはポイントですね。オフィスでも、そのようにしているところが多いです。
> しばらく大変忙しい日々を送られるであろう西村さん。どうか
> これからも美味しいお料理作りと温かな笑顔でがんばってください。
今ごろは、予約が殺到していると思います。ランチが「5,000円以下で食事ができるレストラン」と紹介されていますので、尚更です。ぜひ、今のままのペースで、美味しいお料理をご提供ください!