大阪の教科書―大阪検定公式テキスト橋爪 紳也創元社このアイテムの詳細を見る |
8/5、大阪検定の結果が発表された。「大阪検定簡単すぎた? 3級97・8%の合格率」の見出しのついた産経新聞(Web版 8/5付)によると《大阪商工会議所は5日、6月に実施された「第1回なにわなんでも大阪検定」(通称・大阪検定)の結果を発表した。合格率は初級レベルの3級が97・8%、中級レベルの2級が70・7%。2、3級合わせて約9割の合格率に、受験者からは「簡単過ぎでは」との声も上がっている》。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090805/trd0908051951012-n1.htm
《同会議所によると、3級の平均点は80・5点(合格点54点)。2級は67・7点(同63点)。2、3級合わせると、受験者5822人のうち合格者は89・1%の5190人にのぼった。問題作成にあたっては、有識者による委員会を設置しモニターによる難易度調査を実施。3級の合格率を8割程度、2級を5割程度と想定していたが、予想を上回る結果になった》。
《合格率の高さについて、大阪検定企画会議座長の橋爪紳也・府立大特別教授は「受験者が思っていた以上によく勉強していた。大阪に関心をもってもらうために実施した検定なので合格者は多いほうがいい」とし、来年度以降も、3級に関しては問題のレベルは変えない方針という。ただ2級と、来年度に初めて実施する1級に関しては「もう少し歯応えのある問題を準備し、合格したことがステータスになるようにしたい」とした》。
《受験者のなかには、「受験料とテキスト代、交通費も合わせると7千円近くになる。誰でも受かるなら合格した意味がないのでは」との声もあがったが、3級を受検した大阪市の平松邦夫市長は「自信はあったが、実際に合格してほっとしている。今回の受検を通じ大阪のさまざまな魅力を再認識することができた」とコメントし、メリットを強調した》。
「誰でも受かるなら合格した意味がない」には、その通りだと感じる。2級と3級あわせて89%の合格率だと、合格者はあまり喜ばず、不合格者は相当落ち込むことだろう。産経の記事には、2級の合格ラインは63点、3級は54点とあるが、受験要項にはそれぞれ70%(70点)、60%(60点)とあった。これを厳格に運用すれば、合格率はそこそこの所で止まったのではないだろうか。
http://www.osaka-kentei.com/index.html
だから、今後2級と1級(来年度に初めて実施)について「歯応えのある問題を準備し、合格したことがステータスになるようにしたい」という座長のコメントにはうなずける。
総じて大阪検定は、これまでの様々な「ご当地検定」をよく研究し、とても完成度の高い検定に仕上がっている(合格率が、やや高すぎたことを除けば)。
2級と3級は併願可、1級は2級合格が条件。ボーナス問題として、地域を特定できる問題がある(5~10問)。合格者には、海遊館や梅田スカイビル空中庭園展望台など40近い施設の入場料割引(一部は無料)が用意されている。各級成績優秀者上位5名は、次年度の上位級の受験料が無料になる…。テキストは一部カラーで、とても読みやすくて面白い。
これらは奈良検定(奈良まほろばソムリエ検定)にはない。合格率も、最もやさしい2級が56%、1級が44%、最上級のソムリエが31%と低い(2級に合格しないと1級は受験できない、1級に合格しないとソムリエは受験できない)。私は、2級の合格率は6割以上、1級は5割以上、ソムリエで4割程度、という辺りが妥当だと思っている。また、合格率8割程度の「3級」も創設すべきだと考える。2級が不合格になって、ヤル気をなくしている知人・同僚は、私の周りにも多い(初回と2回目の2級合格率は、30%台という難関だった)。「合格率が低いからステイタスが高い」と言えるかも知れないが、私としてはもっと受験者(および合格者)を増加させて「奈良好き」を増やしたいところだ。
※奈良検定2級の傾向と対策(JanJan)
http://www.news.janjan.jp/area/0710/0710083584/1.php
合格者に対する特典も「1級以上に合格すれば、平城遷都1300年祭でボランティアガイドができる」というものがあるだけだ(もともとボランテイアガイドは、誰でもトライできる)。せめて県営施設の入場料はタダにするとか、ソムリエは「奈良国立博物館1年間入場無料」くらいの大盤振る舞いをしなければ、ますます受験者が減ってしまうのではないだろうか。
改訂新版 奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック網干善教山と渓谷社詳細を見る(「なか見!検索」ができる) |
最近、テキスト(奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック)の「改訂新版」が出た。「内容に大幅な変更はございません。既にテキストをお持ちの方は、買い直していただく必要はございません」ということだが、表紙に興福寺の阿修羅像を配し、スマートに仕上がっている。
http://www.nara-cci.or.jp/narakentei/03/index.html
私はこれまで2級を1回、1級を2回受験しているので、テキストはボロボロだ。これを機に買い直し、新たな気持ちでソムリエに受験しようと思っている。そろそろ「ズバリ!奈良検定2級の要点整理」にも手を入れないといけないし…。
※ズバリ!奈良検定2級の要点整理(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/71fa593b91174a1b88f394f5dc2917e5
> 松岡さんの博識には驚嘆するばかりです。
「第1回ふるさとカフェ」は、松岡さんのお顔を拝見しに行ったようなものです。このような立派な方が奈良を応援して下さっているのは、とても有り難いことです。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/f2df1b8c780472b7f0372bcbaa338773
> 「奈良検定」を考えていく新時代に突入しているのではない
> でしょうか。私は受験はおろか全く本も購入していませんが。
ぜひ、チャレンジしていただきたいです。私の30ページの攻略本をシッカリ覚えれば、2級は合格できます。300ページのテキストを暗記する必要はありません。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/71fa593b91174a1b88f394f5dc2917e5
松岡さんの博識には驚嘆するばかりです。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya.html
この大きな視点から「奈良検定」を考えていく新時代に突入しているのではないでしょうか。私は受験はおろか全く本も購入していませんが。
> 70箇所の寺社施設の割引特典がある。入会金は3,000円。
> 単純に比較は出来ないけれど、そういう特典はぜひ必要。
なるほど。「奈良ファン倶楽部」無料入会という特典だけでも、大きいですね。確かきれいな写真のカレンダーも、もらえたし。
> 県外の合格者に何度も来寧していただいてメッセージ
> を発してもらえるのなら安いものだと思う。
県外の奈良ファンの方は、口コミで県外ファンを増やしていただけるし、宿泊観光も期待できます。意味のない「奈良市観光大使」(「奈良市観光特別大使」とは違います、念のため)を廃止して、奈良市も検定合格者のフォローをした方が、よほど観光振興になります。
奈良県観光連盟(現・奈良県ビジターズビューロー)が運営する「奈良ファン倶楽部」に入会すると、70箇所の寺社施設の割引特典がある。入会金は3,000円。単純に比較は出来ないけれど、そういう特典はぜひ必要。特に県外の合格者に何度も来寧していただいてメッセージを発してもらえるのなら安いものだと思う。
> tetsudaさんが活動される時はご支援ご協力
> させて頂きますのでよろしくお願いいたします。
それは恐縮です。ぜひ県外から、奈良をご支援いただきたく。
さっそく応答ご意見を頂き有難うございました。
tetsudaさんが活動される時はご支援ご協力させて頂きますのでよろしくお願いいたします。
> 「古社寺を歩く会」行事に大変興味がありますが、
> 残念ながら日程が折り合わず参加できません。
おお、それは残念です。ブログをご覧の皆さんからは、お申し込みのメールをいただいています(なかなか返信できなくて、失礼しています)。
> 検定合格の経験を生かせないか、考えていただければと
私も同感です。会議所に期待するとともに、合格者同士で自主的に何かできないか、私も考えているところです。良いお知恵がありましたら、ご教示下さい。
「古社寺を歩く会」行事に大変興味がありますが、
残念ながら日程が折り合わず参加できません。
今井町は奈良が培ってきた歴史の中でも、
観光的には上級の趣を感じます。
他にも大宇陀や高取など、
奈良の魅力の1つとして発信したいですね。
私にも1300年ボランティアガイドのお話がありましたが、
スケジュール的に厳しくて参加できません。
なにかもっと検定合格の経験を生かせないか、
考えていただければと思うものです。
> ソムリエを取得しても何らその努力・情熱などを評価しよう
> とはしません。せめて引き続き奈良に深い興味を持つとか
> 奈良の情報発信者であるためにも組織だった研修会や意見
> 交換会などが必要だと思うのですが如何でしょうか。
京都検定1級では、「1級合格者のつどい」があったり、1級合格者が私設ブログを作られたり本を出されたりと、他方面で活動されています。
私も(ソムリエ合格の暁には)奈良商工会議所に働きかけたり、自分のブログでそのような呼びかけをしたり、会合を持ったり 等の展開を考えたいと思います。その際は、Tenbouさんもご協力をお願いします。
今日の大阪検定VS奈良検定のご意見には全く同感です。特に奈良検定は高度な出題傾向や合格率の低さから、それなりに権威も出てきたと思います。しかし奈良商工会議所は検定試験の結果ソムリエを取得しても何らその努力・情熱などを評価しようとはしません。せめて引き続き奈良に深い興味を持つとか奈良の情報発信者であるためにも組織だった研修会や意見交換会などが必要だと思うのですが如何でしょうか。奈良県外人ではありますが奈良ファンの一人としてこのように考えています。