tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

奈良は12年ぶりの大雪

2008年02月10日 | 奈良にこだわる
昨日(2/9)は、朝から雪が降り続き、奈良市内では積雪11cmと、12年ぶりの大雪となった。

ウチの近所では午前9時頃から雪がチラつきだした。いかにも積もりそうな粉雪だ。これは写真を撮らねばと11時前に家を出たが、奈良交通バスも遅れていた。

車や人通りの多い近鉄奈良駅前は、屋根には雪が積もっていたが、道路は雪が溶けていて、さほど大雪という感じはしない。しかし大仏殿(東大寺)裏側の道を入ると、様子は一変し、スキー場のような新雪が一面に降り積もっている。

裏参道を上がっていくと、おなじみの風景が雪の中にあった。少しの間でも雪が降り止んでくれたらクリアな写真が撮れるのに、と天を仰いだが、雪は情け容赦なくどんどん降ってくる。有名な撮影スポットなので、カメラマンがたくさん並んでいると思っていたが、私の他には2人だけで、少々拍子抜けした。ベテランは、おそらくもっと早くに撮り終えていたのだろう。

このあと南大門に回ると、雪にもかかわらずたくさんの鹿が集まっていて、観光客に鹿せんべいをねだっていた。雪が積もっていると、2学期という設定の「鹿男あをによし」のロケも大変だな、などと考えた。もう1つの定番スポット・浮見堂の周辺に着くと、ここには多くのカメラマンがたむろしていた。

北海道の摩周湖は、2年ぶりに全面結氷したそうだ。1月から最低気温は零下20℃にまで下がっていたというから、積雪11cmで大騒ぎしている奈良とはスケールが違う。

ラニーニャ(中部~東部赤道太平洋の海面水温が低くなる現象。エルニーニョの逆)が発生すると、夏は暑く冬は寒くなるというが、全くその通りになった。この現象も、地球温暖化が関係しているそうだから、温暖化が止まらない限り異常気象はなくなりそうもない。願わくば、大型台風が奈良を直撃しませんように。
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難波うのあん

2008年02月09日 | グルメガイド
以前このブログに、大和肉鶏の親子丼が奈良県庁食堂のメニューに加わったと書いたことがある。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/974d964d1d5284d21edeebec2e3ace99

「難波うのあん」では、ずいぶん早くから「地鶏(大和肉鶏)の親子丼」(819円)として提供されていて、ランチメニューの人気商品である。大和肉鶏の美味しさは当然としても、とろりとした卵の美味しさにも、いつも驚かされる。最近は手羽先の煮込みやフォアグラを入れた「特製 地鶏の親子丼」(1260円)も売り出されている。
http://r.gnavi.co.jp/k195078/

久しぶりにこの店を訪ねたので「もも焼き御膳」(1500円)をいただくことにした。大和肉鶏のもも焼き、肉鶏のたたき(小鉢)、大ぶりの茶碗蒸し、つみれ汁、ご飯、バニラアイスがセットされている。

英語でいうsizzle(ジュージュー)音を立てるもも焼きには、鶏の旨味が凝縮している。高価な肉鶏をざっくりぶつ切りにしていただく豪快さは、他では味わえない逸品だ。

初めていただいたつみれ汁(単品だと210円)は、汁もつみれ団子も、とても美味しい。お店のパンレットによるとこのつみれ団子は、大和肉鶏をベースに、ブロイラー、豚バラのミンチ、長芋、卵をミックスしたもので、「名物つみれ鍋」(1260円)は夜の部の人気メニューだそうだ。

難波うのあんの本店は香芝市の「日本料理 卯の庵」で、「北新地 卯の庵」という姉妹店もある。難波店は、なんばCITY本館1F西口広場(スイスホテルの北側、郵便局や派出所の向かい)、目の前は「なんばパークス」だ。ミナミで味わえる奈良の逸品、ぜひいちどお訪ねいただきたい。

※大阪市中央区難波5-1-60 ℡06-6644-2466
http://www.unoan.com
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囲炉裏ダイニングたなか

2008年02月08日 | グルメガイド
奈良町の元興寺極楽坊向かいにある「囲炉裏(いろり)ダイニングたなか」に行ってきた。コース料理が最低5千円と聞いていたので二の足を踏んでいたのだが、メンバーが揃ったので、勇気を出して訪ねてみることにした。

もと三笠中学の近くにあった焼肉「きくや」がここに移転し、リニューアルオープンしたものだそうだ。だからお肉が美味しいのは当然としても、新店では魚介類にも力を入れているという。案の定、電話で予約を入れるとご主人は、魚介類が堪能できる7千円の「今宵コース」を薦められたので、これを奮発することにした。「飲み代を入れると1万円コースだな」と頭の中でソロバンをはじいた。

夜の奈良町はしんとして闇も深い。店先も店内も、そんな奈良町の雰囲気をうまく取り入れて演出されている。テーブル席も小上がり席も、まん中に火鉢(囲炉裏)が掘られ、目の前でお客が焼くようになっている。椅子もテーブルも、ご主人がが選り抜いて揃えたそうで、ゆったりくつろいで食事できるようになっている。隠れ家的な和風別館も近所にあるそうだ(1日1組限定)。
※店内の様子(1/23撮影)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/10/31b4c98ed584b2fc949386504d8577cd.jpg

オードブルとお刺身に続いて、待望のお肉と野菜が出てきた。これを網に載せたところが冒頭の写真だ。左の豆は一寸豆(いっすんまめ=大粒種のそら豆)で、炭火で蒸し焼きにして豆をいただくのだが、これがイケる。野菜はほとんどが柳生などの地場産で、主人が直接買い付けされているそうだ、一寸豆だけはまだ収穫できないので宮崎産を取り寄せたという。

このあとイカ、ホタテ貝の貝柱、カキなどの魚介類が出てきた。カキは昆布を敷いていただく趣向になっていて、昆布の旨味がカキの味をうまく引き立てる。働き盛りの男たち4人はあっという間にこれらを平らげたので、魚の干物を追加オーダーした。炭火であぶりたてを食べる干物は、とても美味しい(干物の種類は、日によって全く違うそうだ)。寄せ豆腐や有機野菜サラダも良いし、お酒の銘柄も吟味され、トイレの美しさは必見(必使用?)だ。

それにしても、味、雰囲気、応対ともに素晴らしい店だ。値が張るので(この日はやはり1万円コースだった)、何かの記念日とか遠来のお客を歓待するときに行くのが良い。ぜひ、お試しいただきたい。
※奈良市鵲町6-11(カーサ奈良町) 電話 0742-23-0541
http://www.iroridiningtanaka.kansai.walkerplus.com/
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残したくない奈良の景観(2)

2008年02月06日 | 奈良にこだわる
知事が発表した「奈良の景観ワースト100選」写真募集の記事をこのブログに書くと、たくさんのアクセスとコメントをいただいた。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/2991b2165a9b57cae76d9821b3c25223

中には、県庁舎と分庁舎自体が元凶だとの声もあったので、実情を写真で紹介することにした。この写真は県庁屋上の東側、若草山や大仏殿を望む、最も景色の良い場所から撮った。しかしここから大仏殿の方向を見ようとすると、ご覧のように分庁舎の建物が視界に入ってきて邪魔だ。南ギリギリまで下がって撮っても、やはり分庁舎が写り込む。なお分庁舎の屋上へは登れないことになっている。
※東南端ギリギリから望む大仏殿(同日に撮影)
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/ea/8060bdae53c4e9765bc9b5d7243b985b.jpg

この分庁舎建設の際には、県下でも激しい反対運動が起きた。1992(平成4)年のことだが、新聞には「県自ら景観条例破り」「景観論争 奈良も揺れる」という見出しが踊った。

ネットで検索すると《1992年、奈良県庁舎の北側に分庁舎を建設。その敷地は当時の第3種風致地区に位置し、15mを超える建物は原則建てられない。しかし、塔屋を除いて23.8mの高さの建物を、わずか2回の古都風致審議会で許可した。当時の知事の姿勢は、「大衆討議をしていたらことは運ばない。」というものだった》という情報が出ている。
※「新建築家技術者集団 奈良支部」のサイト
http://homepage3.nifty.com/sinkentikuka-nara/keikanhozonundousi.htm

荒井知事に交代してから、県庁の玄関(北側=B1)には「屋上から奈良を楽しみませんか。6階の食堂・喫茶もご利用下さい」というポスターが貼り出されるようになった。エレベーターには「屋上」と「食堂」という表示が付けられ、屋上緑化も計画されている。
※県庁北玄関のポスター
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/de/d6c8af461114281684f1045fe84f8aee.jpg

奈良で随一のグルメサイト「奈良グルメ図鑑」に掲載された「大和肉鶏親子丼」も含め、これら一連の知事のアイデアは高く評価しているのだが、肝心の景観がこれでは、来庁者はガッカリするのではないだろうか。

上記の事情も含めた「景観ワースト」の写真募集だと思うが、県庁舎や分庁舎に関する写真が続出することも考えられる。選定する側も大変だろうが、ぜひ公平に選んでいただきたいものだ。
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観光地奈良の勝ち残り戦略(10)観光は地域なり

2008年02月05日 | 観光地奈良の勝ち残り戦略
素晴らしい論文を読んだ。(株)ちばぎん総合研究所社長・額賀信(ぬかが・まこと)氏が書かれた「人口減少社会の地域活性化戦略」(「地銀協月報」08年1月号)だ。感心のあまり3回読み返した。その都度、違う色の蛍光ペンでなぞっていると、白い部分がほとんどなくなってしまった。これから4回目を目で追いながら、要旨を紹介する。
 … … … … …
○地域経済と人の役割
人は1国の経済活動で、生産者、消費者、納税者という3つの役割を果たしている。このうち人口が減って経済に最も深刻な影響を与えるのは、消費者としての役割である。即効性のある対策に乏しく、売上高の減少という形で企業経営を直撃するからだ。人口減少社会は、消費市場の縮小というプロセスを通じ「中小企業」の「非製造業」にとって、最も厳しい社会となる(製造業なら輸出ができるし、大企業だと国際展開するゆとりがあるから)。だから中小の非製造業のウエイトの高い地域ほど、人口減少の影響をより大きく受けて、地域経済に縮小・衰退の力が加わる。

○地域の活性化
経済面での「地域活性化」とは、雇用と所得(つまり仕事とおカネ)が安定的かつ自律的に生まれてくるような状況のこと。地域経済が活性化しない理由は

1.「工場誘致と公共投資」という戦後から1990年代まで続いた地域活性化モデルの2本柱が機能しなくなり、しかもこれに代わる新たな活性化モデルを見出せていないから。
2.人口減少が地域の購買力(=需要)を落としており、それが中小の非製造業者を圧迫しているから。

上記の状況を打ち破って地域を活性化するためには、観光振興が不可欠だ。人口減少地域で購買力を高めるには、他の地域から人を呼び寄せなければならない。観光振興で利益を得るのは観光事業者だけではない。おカネは地域で回り、それが地域繁栄の根っこになる。「人が訪れてくれる地域にする」ことが、自治体による地域づくりの原点だ。だから地域間競争の核心は「人の誘致競争」である。

○観光戦略
3つの提案をしたい。
1.観光を「地域の魅力を高めて、それを発信し、所得を得ること」と定義づける。観光の基本は地域づくりだ。発信は、その地域の特性を伝えることだが、これがみんな苦手だ。こうした状況を変えるためには、誘致活動を組織的に続けなければならない。誘致活動の本質は「地域の人々が自分たちの地域の魅力に気づくこと」だ。これでリピーターを獲得しよう。観光政策の要は「リピーターの養成」だ。

2.季節変動を平準化する努力をしよう。そのためコンベンション、高齢者、外国人を誘致する工夫をしよう。

3.観光統計を活用しよう。07年1月以来、国交省から「宿泊旅行統計調査」が公表されているが、これは地域の通信簿。観光統計を参照しながら観光施策をよく考えよう。

○観光は地域なり
かつて「鉄は国家なり」と言った。鉄は産業の母であり、製鉄業こそが国家を支える基幹産業だった。これからの観光は地域経済を支える最も重要な基幹産業である。だから「観光は地域なり」だ。この言葉が地域に根づき、観光が地域活性化の牽引力となることを期待する。
… … … … …
耳の痛い言葉が随所にある。「中小非製造業のウエイトの高い地域」とは奈良のことだし、奈良は情報発信が非常に苦手で遅れている。季節変動が激しく、オフシーズンは閑古鳥が鳴いている。地域の通信簿(観光統計)で、奈良はいつも赤点だ。

しかし、これで頭の中がスッキリと整理できた。大切なのは「人の誘致」であり、そのため「地域の魅力を高め、それを発信」して「リピーター」(奈良ファン)を養成しなければならない。「季節変動を平準化」するための手立てを講じ、成果は「観光統計」で確認する…。

ちばぎん総研は千葉銀行関連のシンクタンクで、額賀氏は元日本銀行神戸支店長。同社のホームページには「社長ヌカちゃんの部屋」というコーナーがあって、氏が執筆された論文やエッセイが読める。
http://www.crinet.co.jp/president/index.html

ここに収録されている「観光が活性化の決め手 地域の魅力を再発見し観光資源を成長に生かす努力を」(「週刊エコノミスト」07年 7月 31日号) という論文も、とても参考になる。
http://www.crinet.co.jp/president/thesis/20070725.html

額賀氏が、きわめて論理的に「なぜ地域活性化に観光振興が欠かせないか」のプロセスを解明して下さったおかげで、一筋の光明が見えてきた。観光が地域振興の起爆剤だという直感は、間違っていなかったのだ。「観光は地域なり」。ぜひ観光をテコに、この奈良を元気にしよう。

※写真は大和郡山市松尾山の松尾寺三重塔。この寺は舎人親王の開基と伝える。奈良盆地に今冬2度目の雪が積もった2/3(節分)に撮影。
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