県広報広聴課が運営する「なら県民電子会議室」のテーマⅢ「うまいものがある食の風土づくり」で、2週間ほど前から「宇陀牛」と「はいばら肉」に関する議論が盛り上がった。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/top.cgi?FID=forum12
きっかけは「県産の牛で宇陀牛というブランドがあったと聞いていますが、どこかにあるのでしょうか」(popayさん)という質問だった。これに対して「はいばら肉のことではないか」「それは別物」「大和牛(やまとうし)のことでは」と話が展開していった。
結局、私が県農林部畜産課に確かめたところ、
1.宇陀牛
大正時代以前から、宇陀地方では農耕用として平坦農村で牛が使役され、農閑期には山間農村で飼育されていた。特に宇陀・桜井間では、預け牛・貸し牛の流通が盛んだった。昭和初期から宇陀で牛の繁殖が盛んになり(農耕用および食肉用として)、ピーク時(昭和17年)には飼育頭数2800頭(仔牛生産1200頭)となった。宇陀牛に定義はないが、但馬牛をベースに改良したもの。現在も食肉用として約1600頭の和牛が肥育され、依然として宇陀地方は県内和牛生産の中心地。
2.大和牛
平成15年に「大和牛流通推進協議会」が設立され、規格要件が定められた。認定を受けた県内生産農家で14か月以上飼育した黒毛和種雌牛、肉質規格3等級以上、県食肉流通センターに出荷、という条件を満たすことが必要。
3.はいばら肉
特許庁のHPによると「元祖はいばら肉 壽舘」として商標登録されている。使用している牛そのものについての定義は見当たらない。
現在、県は「大和牛」ブランドの売り込みに注力しており、定義が曖昧だった「宇陀牛」の名前は廃れている。一方で、お店のブランドとしての「はいばら肉」の名前が広まっている、ということになっている。
なお宇陀市商工観光課によると《「はいばら肉」で名声を上げている「壽舘」は、生産小売の一貫生産で、地域で仕入れしきれないため山形県に牧場を持ち、仕上げをこの地で行ってから製品にして肉質を守っています。また、宇陀牛名も現在では奈良県が広域的な取り組みとして「大和牛」といった名前で名声化につなげようとしています》(yuiさん)とのことだった。
写真は「元祖はいばら肉 うし源本店」のステーキランチ(3150円 3/7撮影)だ。粗塩でいただくお肉はもちろん、地元産の野菜もご飯も、とても美味しかった。ここは「壽舘」ではないのだが、壽舘の社長さんは「うし源」で修業されていたそうなので、「元祖はいばら肉」のブランドを共用しているようだ(写真右下に名前が入っている)。
http://www.ushigen.com/
「はいばら肉」にしろ「大和牛」にしろ、とても美味しい牛肉である。これがどんどん普及して、「奈良にうまいものあり」を全国に広めたいものだ。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/top.cgi?FID=forum12
きっかけは「県産の牛で宇陀牛というブランドがあったと聞いていますが、どこかにあるのでしょうか」(popayさん)という質問だった。これに対して「はいばら肉のことではないか」「それは別物」「大和牛(やまとうし)のことでは」と話が展開していった。
結局、私が県農林部畜産課に確かめたところ、
1.宇陀牛
大正時代以前から、宇陀地方では農耕用として平坦農村で牛が使役され、農閑期には山間農村で飼育されていた。特に宇陀・桜井間では、預け牛・貸し牛の流通が盛んだった。昭和初期から宇陀で牛の繁殖が盛んになり(農耕用および食肉用として)、ピーク時(昭和17年)には飼育頭数2800頭(仔牛生産1200頭)となった。宇陀牛に定義はないが、但馬牛をベースに改良したもの。現在も食肉用として約1600頭の和牛が肥育され、依然として宇陀地方は県内和牛生産の中心地。
2.大和牛
平成15年に「大和牛流通推進協議会」が設立され、規格要件が定められた。認定を受けた県内生産農家で14か月以上飼育した黒毛和種雌牛、肉質規格3等級以上、県食肉流通センターに出荷、という条件を満たすことが必要。
3.はいばら肉
特許庁のHPによると「元祖はいばら肉 壽舘」として商標登録されている。使用している牛そのものについての定義は見当たらない。
現在、県は「大和牛」ブランドの売り込みに注力しており、定義が曖昧だった「宇陀牛」の名前は廃れている。一方で、お店のブランドとしての「はいばら肉」の名前が広まっている、ということになっている。
なお宇陀市商工観光課によると《「はいばら肉」で名声を上げている「壽舘」は、生産小売の一貫生産で、地域で仕入れしきれないため山形県に牧場を持ち、仕上げをこの地で行ってから製品にして肉質を守っています。また、宇陀牛名も現在では奈良県が広域的な取り組みとして「大和牛」といった名前で名声化につなげようとしています》(yuiさん)とのことだった。
写真は「元祖はいばら肉 うし源本店」のステーキランチ(3150円 3/7撮影)だ。粗塩でいただくお肉はもちろん、地元産の野菜もご飯も、とても美味しかった。ここは「壽舘」ではないのだが、壽舘の社長さんは「うし源」で修業されていたそうなので、「元祖はいばら肉」のブランドを共用しているようだ(写真右下に名前が入っている)。
http://www.ushigen.com/
「はいばら肉」にしろ「大和牛」にしろ、とても美味しい牛肉である。これがどんどん普及して、「奈良にうまいものあり」を全国に広めたいものだ。