tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

元祖はいばら肉 うし源本店

2008年04月24日 | グルメガイド
県広報広聴課が運営する「なら県民電子会議室」のテーマⅢ「うまいものがある食の風土づくり」で、2週間ほど前から「宇陀牛」と「はいばら肉」に関する議論が盛り上がった。
http://www.kenminconf.pref.nara.jp/top.cgi?FID=forum12

きっかけは「県産の牛で宇陀牛というブランドがあったと聞いていますが、どこかにあるのでしょうか」(popayさん)という質問だった。これに対して「はいばら肉のことではないか」「それは別物」「大和牛(やまとうし)のことでは」と話が展開していった。

結局、私が県農林部畜産課に確かめたところ、

1.宇陀牛
大正時代以前から、宇陀地方では農耕用として平坦農村で牛が使役され、農閑期には山間農村で飼育されていた。特に宇陀・桜井間では、預け牛・貸し牛の流通が盛んだった。昭和初期から宇陀で牛の繁殖が盛んになり(農耕用および食肉用として)、ピーク時(昭和17年)には飼育頭数2800頭(仔牛生産1200頭)となった。宇陀牛に定義はないが、但馬牛をベースに改良したもの。現在も食肉用として約1600頭の和牛が肥育され、依然として宇陀地方は県内和牛生産の中心地。

2.大和牛
平成15年に「大和牛流通推進協議会」が設立され、規格要件が定められた。認定を受けた県内生産農家で14か月以上飼育した黒毛和種雌牛、肉質規格3等級以上、県食肉流通センターに出荷、という条件を満たすことが必要。

3.はいばら肉
特許庁のHPによると「元祖はいばら肉 壽舘」として商標登録されている。使用している牛そのものについての定義は見当たらない。

現在、県は「大和牛」ブランドの売り込みに注力しており、定義が曖昧だった「宇陀牛」の名前は廃れている。一方で、お店のブランドとしての「はいばら肉」の名前が広まっている、ということになっている。

なお宇陀市商工観光課によると《「はいばら肉」で名声を上げている「壽舘」は、生産小売の一貫生産で、地域で仕入れしきれないため山形県に牧場を持ち、仕上げをこの地で行ってから製品にして肉質を守っています。また、宇陀牛名も現在では奈良県が広域的な取り組みとして「大和牛」といった名前で名声化につなげようとしています》(yuiさん)とのことだった。 

写真は「元祖はいばら肉 うし源本店」のステーキランチ(3150円 3/7撮影)だ。粗塩でいただくお肉はもちろん、地元産の野菜もご飯も、とても美味しかった。ここは「壽舘」ではないのだが、壽舘の社長さんは「うし源」で修業されていたそうなので、「元祖はいばら肉」のブランドを共用しているようだ(写真右下に名前が入っている)。
http://www.ushigen.com/

「はいばら肉」にしろ「大和牛」にしろ、とても美味しい牛肉である。これがどんどん普及して、「奈良にうまいものあり」を全国に広めたいものだ。
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奈良のうまいもの弁当

2008年04月23日 | グルメガイド
4/18、セブン-イレブン・ジャパンは、県内限定で「奈良のうまいもの弁当」を販売開始した。同日付の産経新聞Web版によると、

《昨年12月以降、県と同社の担当者が試食などを重ねて開発。県が推奨する「奈良のうまいもの」の中から「奈良茶飯」と煮物の「奈良のっぺ」を含む12品目を詰めている。健康に配慮して揚げ物は控え、塩分控えめの味付けに。カロリーも586キロに抑え、550円で販売される。弁当を試食した荒井知事は「おかずの品数も多く、それぞれ味付けもしっかりしている。おいしい」と絶賛した》。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080418/nar0804180240001-n1.htm

それが写真の弁当である。近鉄奈良駅前店では、お昼前に行列ができていてたそうだ。私は恐れをなして買いに行かなかったが、夕方には再入荷するとのことだったので、会社帰りに立ち寄って買った。それでも棚には2食しか残っていなかった。

県は03(平成15)年から、「奈良のうまいもの」づくりプロジェクトに取り組んでいる。観光振興のための名物づくりと地元農産品のPRが主なねらいで、これまで7品目の創作料理や郷土・特産品料理、菓子などの普及に取り組んできた。今回の弁当もその一環である。
http://www.pref.nara.jp/norinbu/umaimono/index.html

早速食べてみると、これが美味しい。特に、ちりめんじゃこや炒り卵を載せ、大豆を炊き込んだ「奈良茶飯」が気に入った。「奈良のっぺ」(大根や椎茸の煮物)は春日若宮社のおん祭りに欠かせない一品だが、これもあっさり味に仕上がっている。コンビニ弁当というと味が濃いという印象があるが、この弁当は全体的にうす味でヘルシーなところが良い。しかも全体の3割近くが野菜だ。

昨日(4/22)からは、奈良県産の野菜を使用したおむすびやスパゲティ、三輪そうめんなどの4品も販売されているそうだが、これも試してみることにしたい。
http://www.pref.nara.jp/koho/hodo/h20/html/010300-080417180350_M13078.html

なお写真の箸は、この弁当とは直接関係はないのだが、川上村の「森と水の源流館」が推進している「アドバシ」(箸袋にスポンサーの広告が入った割り箸)の見本である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080417-00000016-san-l29

ヒノキの間伐材や端材を使ったエコ商品だ。特に高級感のあるものではないが、「木材を使うことが森を維持することにつながり、ひいては地球温暖化を防止する」ということをPRするため、現在スポンサー募集中だ。
※広告料などの詳細は、同館に直接お問い合わせいただきたい。
http://www.genryuu.or.jp/

この弁当にこの割り箸を付ければ、鬼に金棒だ。健康にも地球環境にも良いし、地場産業や農業の振興にもなる。セブン-イレブンさん、この際、アドバシにもご協力いただけないだろうか。
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北新地 藤彩

2008年04月22日 | グルメガイド
以前、「やせうまだんご汁 九州八豊」(千日前)にお連れいただいたグルメのNさんから、「今度はキタで飲みましょう」と誘っていただいた。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/a238161de4c43ef714b729bfae0c5e55

この日(4/17)は特別ゲストのKさん(共通の友人)を迎え、3人での飲み会となった。お店は「北新地 藤彩(ふじいろ)」だ。北新地ともなると勘定が心配だったが、サイトを見ると、全8品の会席コースが3990円と、とてもリーズナブルだったので安心した。
http://r.gnavi.co.jp/k647500/

「日経おとなのOFF」(07年3月号)の「カウンターで過ごす、満ち足りた時間と空間『おひとり様』歓迎の名料理店」特集でも取り上げられたそうなので、いやが上にも期待が高まる。

お店の場所は、大阪駅前第3ビルの南、かに道楽北新地店西側の路地を少し北に入ったところにあった。お洒落な和風居酒屋で、1F(カウンター)と2Fをあわせて25席ほどと、路地裏の隠れ家的雰囲気が漂う。あっさりと仕切った2Fの個室に案内された。

まずは「本日の鮮魚お造り」(=写真)。新鮮でとても旨い。特に甘くてコリッとした舌触りのイカが秀逸だった。やや甘めの刺身醤油がよく合う。

次に出てきた「湯葉といくらの大根サラダ」(800円)は、「あれ、寿司を注文したっけ」と勘違いするような、見事な意匠だ。女性に人気だそうだが、これは手が込んでいる。さっと揚げた目板カレイの唐揚げ、備長炭で焼き上げた但馬鶏の串焼きやヤングコーンなども、とても美味しい。
※「…サラダ」の写真
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/7c/1ab3ba094c30d88212f0f4d80a142060.jpg

純米酒を中心に、焼酎・ワインの種類も多い。白熱電球に柔らかく照らされた木質感覚の内装が落ち着きを演出する。次の写真はNさんがサッと撮られたものだが、よく雰囲気が出ている。
※店内の様子
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/45/6d3630c2fdd0d93ad52682937cb677ac.jpg

こんな一等地に、よくこんなリーズナブルな店があるものだ。さすがに大阪の飲食店は奥が深い。カウンターで軽くやるのも、2Fの個室でワイワイやるのも良い(2Fは早めに予約を)。

間違いなくお薦めの「北新地どまんなかの隠れ家」、キタへお出かけの際は、ぜひお試しいただきたい。
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新家 長福寺の八重桜

2008年04月21日 | 写真
「新家 長福寺」(しんけ・ちょうふくじ)は、「桜御坊」の別名もある八重桜の名所である(奈良県北葛城郡広陵町三吉357。「新家」は小字名)。
http://hmj.pref.nara.jp/disp.php?cno=2&tbno=0&dno=158&kmode=

毎年、ソメイヨシノが散った後で見頃を迎える。この日(4/20)、境内は満開の桜であふれていた。まさに桜の園で、あまりにも見事な咲きっぷりだったので、花に酔ってしまいそうだった。

桜には「松月」(15本)「関山」(27本)「御衣黄」(2本)などの優雅な名前がついていて、造幣局の「桜の通り抜け」を連想させる。花見の宴をする人も多く、境内には琴の調べが流れていた。八重桜のほか、チューリップが見頃を迎え、フジもボタン(200株)も咲き始めていた。

このお寺には昔から桜が多かったが、戦後は廃れていた。それを復活させようと1969(昭和44)年、檀家の方が立ち上がり、八重桜の苗木を70本植え、丹誠こめて育てられたという。しかし1998(平成10)年の台風で、半数が倒木。再び熱心な檀家の方が動き、桜守(さくらもり)佐野藤右衛門氏が復興に協力された。佐野氏は、30本の八重桜の苗木も分けて下さったそうだ。それで今は、ご覧の通り見事に復活を遂げられた。

ガイドブックなどには、あまり載っていないお寺だ。間違いなく、桜の穴場名所である。場所は竹取公園・町立図書館の東側すぐの所だ。八重桜はすぐには散らないので、今週一杯は満開の桜を楽しめるだろう。ぜひ、お訪ねいただきたい。
(車の場合、竹取公園の第2駐車場利用を=500円)
http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/leisure/sakura/29/50466.html
コメント (14)
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林神社の饅頭祭り

2008年04月20日 | 奈良にこだわる
「饅頭(まんじゅう)の発祥地は奈良」と以前このブログに書いたが、饅頭を考案した林浄因(りん・じょういん)を讃える饅頭祭りが、昨日(4/19)、漢国(かんごう)神社境内の林(りん)神社(奈良市漢国町)で行われた(=写真)。
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/2be4d99051841992b7883e2e96e92f0f

この祭りは、林浄因の命日(4/19)の前後に毎年営まれているもので、全国の菓子業者や一般参拝客のほか、駐大阪中国総領事館関係者や浄因の子孫も出席した。
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/nara/080420/nar0804200307000-n1.htm

奈良県菓子工業組合は、いつも上用饅頭づくりの実演と無料提供を行っているが、今年は初めて、餡に宇陀市特産の大納言小豆を使い、500枚の無料引換券は10分でなくなったそうだ。

今朝(4/20)の奈良新聞には、漢国神社・梅木宮司の「京都で外国人観光客が日本らしいと買うのが饅頭。日本食が海外で広がっている今、海外でお茶とお菓子をもっといただく日も近いのでは」というコメントが紹介されていた。

「京都で買う」というところが残念だが、見た目もきれいで上品な味の「大和茶」とともに、奈良の饅頭は、もっと知られて良い。県の「奈良のうまいもの」づくり(お菓子編)で紹介されている店だけで、県下にはこんなにたくさんある。
http://www.pref.nara.jp/norinbu/umaimono/okasi-omise-syoukai.html

大型連休に奈良に来られる方は、ぜひ発祥地・奈良の饅頭をお買い求めいただきたい。
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