tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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710(なんと)楽しい修学旅行ガイド!

2008年04月14日 | 奈良にこだわる
4/9、平城遷都1300年記念事業協会は『710(なんと)!楽しい奈良 体感教室 奈良県修学旅行ガイドブック』を発行した。A4版フルカラー・70ページの堂々たるガイド本だ。「あをによし 奈良へ。天地が調和する日本のまほろば」というタイトルがついている。

奈良新聞(4/10付)によると《関西に修学旅行の多い全国の小、中、高校などに約1万部を発送するほか、修学旅行関係の旅行会社や教育団体向けの説明会で配布する》。

《体験を重視し、モデルプランについても歴史・文化の体験などを紹介。僧侶による写経道場や法話、赤膚焼などの体験などを前面に出し、体験型の施設も全県を網羅。体験内容は工芸や歴史・文化のほか、自然・収穫、修養などさまざまな体験事業と施設、問い合わせ先などをまとめた》。なるほど。早速、関係者にお願いして1冊お借りしてみた。
http://www.nara-np.co.jp/n_eco/080410/eco080410b.shtml

これは素晴らしい、期待以上の出来映えだ。最初の8ページは1300年祭の紹介だが、その後は「体感奈良」のテーマで貫かれている。赤膚焼や手延べそうめんづくりなど、こんなに多くの体験プランが奈良にあったとは驚きである。よくこんなに情報を集めたものだ。

お寺の紹介ページはビジュアルがとても良く、「オリジナル体験プラン」もしっかりと紹介されている。1300年祭を組み込んだモデルコースの選択も、適切だ。「修学旅行生受入施設ガイド」は、エリア別に写真入りで紹介されている。奈良市だけでも飛鳥荘、魚佐旅館を筆頭に、計22館が掲載されている。

先生や関係業者向けに配布するだけでなく、書店で販売しても売れるだろう。よく京都あたりの出版社が、小さくて薄い、手軽な修学旅行生向けガイド本を安価で発行していて、それも重宝するが、こちらはもっと本格的な作りで「るるぶ情報版」(7~800円)を連想する。写真は魅せるし文章は読ませる、情報は充実している、と3拍子揃っている。

発行が同協会、協力が県修学旅行誘致促進委員会、制作・印刷がメディアートとなっていて、どこが主導権を握ったのかはよく分からないが、この3者の連携がうまく行ったということだろう。 

実は私は、修学旅行生の誘致には懐疑的だった。少子高齢化で児童・生徒数が頭打ちなのは目に見えているし、旅行先も海外を含め多様化している。おまけに最近の歴史教科書で、飛鳥時代や奈良時代の記述はとても少ない。奈良市内でも、修学旅行生専用の旅館はバタバタと廃業している…。

しかし県の関係者や旅館経営者から「今もニーズは高い。それに子供の頃に奈良に来た人は、大人になってからまた来てくれる確率が高い」と聞き、少し考え直した。

このガイドブックは奈良の修学旅行ガイド本として、また奈良の旅行ガイド本として後世に残るものになるだろう。これを良いお手本として、中高年向け、外国人向け、というシリーズ展開ができそうだ。これを契機とした奈良のPRパンフレット全体のレベルアップに、大いに期待している。

※写真は、室生寺五重塔(07.8.12撮影)。
コメント (3)
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