エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

故郷への墓参り  3日目

2006-08-16 | 旅行
         《スケッチ「四賀から北アルプスを望む」》

故郷への墓参り  3日目(2006.8.11)
       四賀~ 扉峠~ 八島が原湿原 ~車山~ 松本 

 9時前に、上田-松本線を松本へ。途中、召田の交差点付近から北アルプスを望む。去年の春にこの場所から北アルプスを描いたスケッチを姉たちに持参した。

 松本の里山辺から扉峠へ。峠から蓼科、八ヶ岳の山並みを遠望した。夏の空に、もやにかすんだ山々がきれいだった。扉峠からビーナスラインを霧ヶ峰方面に向かう。八島が原湿原駐車場は満車で、約10分待ちで停車できた。約1キロほど池の周囲の木道を歩いた。子ども連れの家族や年配者の団体が多かった。特に美しいと思ったのはアカバナシモツケ、コウリンカなど、ヨツバヒヨドリ、クガイソウ、コウゾリナ、ツリガネニンジン、ヤナギラン、キンミズヒキ、タチフウロ、ハバヤマフウロなど一つ一つ美しい草花を写真に撮った。チョウはヒョウモン類、キアゲハ、ヒメシジミなど、比較的少ないと思った。池の周りの高層湿原を高山植物を観賞しながらの散策はとてもさわやかで楽しかった。
八島が原湿原をあとに、ビーナスラインの雄大な草原の丘の間を車山高原へ向かった。リフトで山頂まで登ったが、リフトの下に移りゆく自然に心が洗われ、すばらしいショウを堪能した。標高1925メートルの山頂からの360℃の眺望を楽しんだ。八ヶ岳の裾野のはるか彼方に黒い富士山がかすかに見えた。遠望する北アルプスの山々は夏の季節特有に薄く靄って見えた。吹く風が汗に涼しく気持ちがいい。 山頂にはマツムシソウが美しく咲き乱れ、淡い紫色の花に集まる花アブをズームアップした。また、吸蜜するギンボシヒョウモンの美しさはたとえようもなかった。時折、草むらからジャノメチョウが飛び立ち、風に流された。山頂が好きなキアゲハが、登山者の間を行ったり来たりして舞っていた。

 車山をあとに白樺湖から茅野市へ下り、諏訪インターから中央高速に乗って松本の義姉の家へ向かった。松本空港の近くの姉の家には、子どもたちと小学生の頃お邪魔した時以来だった。もう20年も前、まだ両親も元気で家族中で楽しんだ信州博覧会の会場の脇にあった。今そこは広大な公園になっていて、少し日が傾いたころ兄、姉の案内で公園内を歩いた。大阪行きの飛行機が飛び立って行くのを見た。 夕食をご馳走になり、久々の団らんを過ごしたが、話題は病気のこと、お互いの健康を願った。
 夜8時過ぎに実家へ戻り、待っていた兄、姉と飲み直した。

 この3,4日の墓参りの旅は、健康を確認する旅となった。遠路車を走らせ、高原を飛び回り、3食美味しくものを食べ、お酒も美味しく飲んでいる。ここまで健康を取り戻した今を思うと、感謝、感謝の気持ちで一杯になった。
 お互いに年を取った。年々の衰えは仕方ないが、毎日健康に留意して、今を大切に精一杯の日々をと誓う旅であった。

 【明日は会津へ戻る】

《マツムシソウに吸蜜するギンボシヒョウモン》