
【産卵するオオルリボシヤンマ】
アオイトトンボの産卵風景を飽きずに眺めている。
いつもの観察フィールドの池では、いまトンボの産卵が盛りを迎えている。
この時期になると成熟したアオイトトンボの胸には白い粉を吹いたようで、水色とのコントラストが何とも言えず美しい。オスの眼の色は本当にきれいな水色だ。
アオイトトンボはペアになって、何組もが集団で産卵していた。一組が池のほとりに生えるカンガレイの葉で産卵していると、別の一組がその葉のちょうど反対側に止まっり産卵を始めた。2組のペアは、葉を対称軸にして、ちょうど鏡に映っているようだった。
【アオイトトンボのペア】

調べてみると、トンボの産卵はいろいろな方法がある。アカネの水面を叩くようにする打産卵はよく見かけるが、アオイトトンボの産卵は連結植物組織内産卵と言う。観察していると産卵管をキリのように葉に突き刺し、身体をよじって産卵していた。水面から5,60cmもの葉に産卵していたが、ふ化した前幼虫は落下して水中に入り幼虫になるそうだ。また、クロイトトンボは水に潜って産卵すると知った。
警戒心の強いキイトトンボのペアは、オスが直立不動のユーモラスなカッコウをして水面の枯れ草に止まった。トンボの撮影は、多くの場合警戒心が強く、近づくと逃げられる。
トンボが来そうな場所で、じっとして待つことがポイント。
そんな風にしていたら、オオルリボシヤンマが、間近で、腹のほとんどを水中に入れて産卵して行った。ギンヤンマはペアになって産卵していた。
残暑の厳しい、炎天下の昼時、チョウトンボがテリトリーを誇示しながら舞っていた。
キラリと光るルリ色がとてもきれいだった。
今、池は、明日のいのちを残そうとするトンボたちの、精一杯の活動が展開されている。
時間も忘れて彼女らの行動を見つめていると愛おしさが込み上げてきた。
【キイトトンボのペア】

【チョウトンボ】

【ギンヤンマの産卵】
