エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

精一杯生きたチョウ

2006-08-26 | 昆虫
              【尾状突起のちぎれたジャコウアゲハ】

 ボロボロに翅の傷んだ一頭のジャコウアゲハのメスが無心に蜜を吸っていた。
この時期チョウの撮影をしていると、かなり傷んだチョウに出会う。思えば夏の日を活発に飛び回り、生を謳歌し、産卵を終え、いま静かに晩年を迎えているのだ。
 小さい秋の気配を感じながら、この花の楽園で憩う短いいのちをファイダーに見つめた。
 これまで、美しいチョウの姿ばかりを撮ろうとしていたが、翅を傷めた小さいいのちもまた美しい。精一杯に生きた彼女の一生を思うと、愛おしさ、切なさをも感じた。
 これからは、老いた虫たちの姿にもレンズを向けてみたいと思う。
最近撮った、晩夏のチョウを挙げる。

【ボロボロのカラスアゲハ】


【ボロボロのキアゲハ】