エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

生きることの意味

2008-05-10 | 日々の生活
           【咲き出したアヤメ】



○ みちくさ新聞125号が届いた。隅々まで読み、また1ヶ月間忘れていた「生きることの意味」を、いま静かに考えている。

何時も同封される「朝日歌壇」(1973)から3首
 ・一人ずつ児を抱き上げし夫が見ゆこの浜征きて還り来ぬかも 
                     岡豊子(徳島)
 ・空腹の時心きよらかになりゆくと面やせて帰省したる子の言う 
                     吉岡秀子(大田原)
 ・朝もやの日田の川瀬に足をひたし妻となりしを水映し見む    
                     保田久仁子(秦野)
 
○ 昨日、何年かぶりで磐梯熱海温泉に浸かった。あいにくの雨降りだったが、慈雨とはこういう降りなのだろうか。小糠雨、霧雨、ほとんど水滴とは言えない霧のような雨が流れる。緑の露天風呂で静かに思いを巡らせた。
ケヤキかと思い近づくと、それはもう小さな実が垂れ下がったクマシデだった。足下にはクチナシ。伸びた新しい芽の先には小さなつぼみがいくつもみえた。いよいよ緑が濃くなり、しっとりした雨の風情を身をもって感じた。
 ふと、加島祥造の「求めない」のフレーズが浮かんできた。
   
    求めない
    すると
    心が静かになる