エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

野口英世を思う

2008-05-23 | 文芸

今朝の新聞で、今日「第1回野口英世アフリカ賞記念」の切手が発行されると知った。
手紙の投函もあったので、早速郵便局へ行った。結構切手は使うが、何時も記念切手をもらうことにしている。記念切手は2種類で、肖像画と、もう一つはアフリカの地図と顕微鏡がデザインされていた。アフリカ地図の上にhideyo noguti と自筆のサインがあった。
 野口英世は郷土の偉人だ。ときどき記念館を訪ねている。その都度、彼の生い立ち、生き様を見つめていた。何時も目標に向かってくじけず努力する英世の姿勢には感銘を受ける。
夏目漱石からバトンタッチした野口英世の千円札をあらためてながめていたら、彼の「忍耐」の書が浮かんできた。

 以下はずいぶん前に書いたエッセイ。
*************************************************
 「野口英世の生涯に思う」
 もう十年も前になるか、従来の見方とは一変した赤裸々な人間野口を描いた渡辺淳一の原作「遠き落日」を、驚き、つらい気持ちで読んだ覚えがある。伝記や小学生のころ見た映画の感動などから、自分の中のものが崩れていく思いがあった。
同名の映画「遠き落日」を見た。欠点のない完璧な人格はない。見たくない、隠しておいてほしい心配もあったが、そしてあらためて英世の生きざまを考えさせられた。
 間をおかず猪苗代湖畔の野口英世記念館を訪ねてみた。上京のとき柱に刻した「志を得ざれば、再び此地を踏まず」の決意文、ふるさとの小学校に書いた「忍耐」の書、顕微鏡や試験管を前にした白衣姿の肖像画などに接するとき、映画にない感動がこみあげてきた。貴重な資料の数々から、常に目標に向かいくじけず諦めずに努力する英世の生涯を思った。
 白雲なびく秀峰磐梯を望み、改めて「頑張らなくては」と勇気づけられ記念館を後にした。 (1992.7.28民報掲載)
**************************************************