【庭の桐の花咲く】
今朝の読売新聞の「編集手帳」を読んだ。心に響いた。
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与謝野晶子が関東大震災で詠んだ歌がある。〈誰みても親はらからのここちすれ地震(ない)をさまりて朝に到れば〉。被災者の誰を見ても親のように、はらから(兄弟姉妹)のように思えると◆晶子の昔に限るまい。「阪神・淡路」で「中越」で身をもって震災を経験した人がいる。そうでない人もいつか、いや明日は被災者にならぬとも限らない。地震ほど、ひとの悲しみが身に惻々(そくそく)と迫る災害はないだろう◆「高き岸は谷となり、深き谷は陵(おか)となる」。中国の古典「詩経」の一節が、ふと脳裏をよぎる。中国四川省で発生した大地震による死者が1万人を超えたという。そのひとりひとりに親がいて、子がいて、兄弟がいて、友がいて、人生の夢があった◆近代化という地殻変動のなかで中国にはいま、富豪の「陵」と貧者の「谷」が生じ、格差のひずみが拡大している。政府が震災への対応をひとつ誤れば、民心の不満に火がつき、政権の安定が揺らぐもとにもなる。政治的な余震からも目が離せない◆いまはただ、瓦礫(がれき)と土砂に埋まった人々の一刻一秒も早い救出を、「親はらからのここち」で祈るばかりである。(2008.5/14)
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テレビで報道される中国の大地震の被害は甚大だ。地震の規模は中越地震の20倍とも30倍とも言う。被害者の救出の様子をみながら、切ない悲しい気持ちで一杯だ。
本当に「親はらからのここち」がした。
人間はだれも同じだ。一方で、愚かな戦争をしている人間社会がある。なぜなのだろうか。
今朝の読売新聞の「編集手帳」を読んだ。心に響いた。
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与謝野晶子が関東大震災で詠んだ歌がある。〈誰みても親はらからのここちすれ地震(ない)をさまりて朝に到れば〉。被災者の誰を見ても親のように、はらから(兄弟姉妹)のように思えると◆晶子の昔に限るまい。「阪神・淡路」で「中越」で身をもって震災を経験した人がいる。そうでない人もいつか、いや明日は被災者にならぬとも限らない。地震ほど、ひとの悲しみが身に惻々(そくそく)と迫る災害はないだろう◆「高き岸は谷となり、深き谷は陵(おか)となる」。中国の古典「詩経」の一節が、ふと脳裏をよぎる。中国四川省で発生した大地震による死者が1万人を超えたという。そのひとりひとりに親がいて、子がいて、兄弟がいて、友がいて、人生の夢があった◆近代化という地殻変動のなかで中国にはいま、富豪の「陵」と貧者の「谷」が生じ、格差のひずみが拡大している。政府が震災への対応をひとつ誤れば、民心の不満に火がつき、政権の安定が揺らぐもとにもなる。政治的な余震からも目が離せない◆いまはただ、瓦礫(がれき)と土砂に埋まった人々の一刻一秒も早い救出を、「親はらからのここち」で祈るばかりである。(2008.5/14)
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テレビで報道される中国の大地震の被害は甚大だ。地震の規模は中越地震の20倍とも30倍とも言う。被害者の救出の様子をみながら、切ない悲しい気持ちで一杯だ。
本当に「親はらからのここち」がした。
人間はだれも同じだ。一方で、愚かな戦争をしている人間社会がある。なぜなのだろうか。