■新兵器導入■
ボクが渓流釣りをする際のウエアの構成は和式の渓流タビや鮎タイツを利用するのではなく、洋式のルアーやフライ用のナイロン・ウエーダーと呼ばれるタイプを利用している。
しかし、真夏の暑さは、他のタイプに比べてマシだと言われている透湿ウエーダーであっても、容赦なく釣り人を襲う。だからと言って、ネオプレン・ソックスとウエーディングシューズだけの組合せでは藪コギ時にズボンの裾が引っかかって破れたりするかも知れない。そんな不安を解消するのが、ゲーターと呼ばれるスネあてであったりするのだが、ソックスのお代とをプラスすると結構な値段になってしまう。
そこで登場するのが「リトルプレゼンツ」というルアーやフライ用品を扱う会社から販売されている「ウエット・ゲーター」だ。これはネオプレン・ソックスとゲーターが一体になったタイプだが、コレは「濡れることを回避する」ウエーダーとは違う逆の発想で、「あらかじめ濡れること」を想定して、水が抜ける素材を使っていたりと、濡れてからの不快感を低減する発想の下で開発されている。モチロン、組み合わせるズボンや下着は、即乾性のある素材を使用したモノを履くことでその機能が強化される。
ウエット・ゲーターは数年前の発売以来、好評のようであり、各ブログ等でもよく紹介されているが、現在販売されているのは改良が重ねられて何世代か経ったもののようだ。主な改良点はソックス部の強化とスパッツ部の延長ということらしい。
今回はその「ウエット ゲーター」を伴っての釣行となったが、ウエーダーとは段違いの涼しさであり、一日中が快適そのものであった。
■荒城川へ■
今回釣行したのは岐阜県の北部、高山市内にある丹生川村漁協管内の二つの河川だ。
この管内には「荒城川」と「小八賀川」の2本の中規模の河川が流れており、そのどちらもがヤマメやイワナの有望河川であるし、一つの入漁証で行き来できるのが有り難い。
まずは、この春にも訪れた荒城川に向かい、一昨年のこの時期に、初めて訪れた際に入って好釣果を得たポイントで竿出しすることにした。
夜明けと共に、河原に降りるが、周囲が明るくなって状況が確認できるようになると、ビックリすると共に、不安がよぎるのであった。何しろ春先に訪れた際に比べて1mほど低いのだ。もっともインターネット情報で水位が下降気味なのは承知の上だった。だが、比較したのが雪解け水が多い時期だったとは言え、これほどまでに低いとは思わなかったのだ。
しかしながら、付近では前日に雷雨が降った模様であったし、当日の天候も曇りベースで夕方から雨が降り出すようであったから、予報通りにゆけば状況が好転するかも知れない。その期待を胸に秘め、実釣がスタートした。
今回は「ここぞ!」と思うポイントでは粘るつもりであったので、腰を据えて釣り始めた。しかし、打てども打てどもアタリは無く、普段ならこの時期にウルサくアタってくる小型のヤマメ達からの反応も極端に少なく、稀につついてピリピリと穂先を振るわすのみであった。
ようやく捉えたアタリの結果は、お話にならないサイズであった。
■移動するも…■
この日の不安要素は他にもあった。エサである。一箇所目のポイントから移動する際に何カ所か目星を付けた場所で川虫の採取を試みるが、全く獲れない状況だった。この日は全般的に川虫の量が少なく、持参していた市販エサの、「ミミズ」と「ブドウ虫」頼らざるを得なかった。
二箇所目の区間に入る際、更なる不幸が訪れた。天気予報が外れて晴れてきたのだ。
こうなると、魚にとって上空の鳥などの外敵から狙いが付けられにくい影になる場所=日陰や水深の深いポイントを狙うのがメインになってくる。そして、そういったポイントを見付けては粘るのではあるが、そこからの答えは相変わらずであった。
■ようやくの一匹■
春先にイワナを数本引き出した大場所からも答えはなく、半ば諦めつつも、更に釣り上がってゆく。
時折様子を伺うように日の当たる瀬も攻めてみたが、予想通りにまるで反応が無い。その度に「やはり影なのか?」という思いが募るが、超小型ながら、反応の違いからやがてそれが確信に変わってゆく。そして影を見付けては少しでも条件のよさそうなところを探ってゆく。
釣り続けて何度目かの日陰で、ようやく目印の動きにマトモな変化が起こり、ソレと判断できる魚の反応がボクに伝わった。
全然大きくはないが、この日初めての手応えだけに喜びは大きい。それこそ味わうように引きを楽しみつつ、無事にゲット出来たのは予想通りのヤマメだった。
■影をさがしつつ■
その後は同じ区間では本命のアタリがなく、次なる移動を決意した。とは言ってももう時間は10時を過ぎており、車で移動しても先客がある場合が多く、入る場所に困る状況になっていた。
そこで、先行者との距離を測りつつ、邪魔にならない位置にある日陰を探して、スポット的に入ることにした。そして何度目かの移動で発見したのが、こんなポイントだった。
慎重に後方から近寄ってキャストをするが、珍しく狙い通りに一発でアタリを捉えることに成功した。
先程の魚と同じで、さほど大きくはないが、貴重な魚についニヤけてしまう。
■大移動■
2匹目のヤマメをゲットした後は、入るポイントも無くなってしまったが、この管内にはもう一つ小八賀川があるので、こういったときには有り難い。従ってここは大移動を決意する。とは言っても一山超えるだけなので、移動は容易だ。
時間は昼に近くアレコレ迷っているヒマはない。そこで過去に訪れた際の記憶をたどり、この日のキーワードである「影」を当てはめてみる。そこから導いたポイントに入ってみるが…。
アチコチ探ってみた答えがコレだった。
■最悪の事態が■
小八賀川では二度目の移動で河原に降りたって準備をしていると、裏手の山から「ゴロゴロ・ドッスン」と雷鳴がとどろき始めた。「雨が降り出す」というのは予報通りではあったが、まさかの雷雨である。しかも、雷鳴は近付きつつあるようだった。
ご存じの方も多いと思うが、カーボン素材がメインの釣り竿は電気伝導率がかなり高い。従って、この状況で竿を持って釣り歩くことは7.5mの避雷針を持って河原を歩くことになるので、釣りの続行は不可能だ。因みにボクは過去に、磯釣りをしている最中に同様の状況になってもナメて竿を持ち続けていたことがあったが、実際に雷が落ちている地点とは距離が離れているように思えても、竿を持つ手がまるで電気風呂に入ったようにピリピリと震え出した経験があるのだ。
釣れないヤマメと命を引き替える訳にはいかないので、ここは撤退を決意して儚くもこの日の釣りが終了した。
当日の釣果は、ボクの渓流釣り史上最低の釣果だった。この状態を脱出するには天候を含めて、各河川の水況に大きな転換が必要だと思う。それが秋までに来ればいいのだが…。と、自分の腕を棚に上げて祈っている今日この頃なのである。
ボクが渓流釣りをする際のウエアの構成は和式の渓流タビや鮎タイツを利用するのではなく、洋式のルアーやフライ用のナイロン・ウエーダーと呼ばれるタイプを利用している。
しかし、真夏の暑さは、他のタイプに比べてマシだと言われている透湿ウエーダーであっても、容赦なく釣り人を襲う。だからと言って、ネオプレン・ソックスとウエーディングシューズだけの組合せでは藪コギ時にズボンの裾が引っかかって破れたりするかも知れない。そんな不安を解消するのが、ゲーターと呼ばれるスネあてであったりするのだが、ソックスのお代とをプラスすると結構な値段になってしまう。
そこで登場するのが「リトルプレゼンツ」というルアーやフライ用品を扱う会社から販売されている「ウエット・ゲーター」だ。これはネオプレン・ソックスとゲーターが一体になったタイプだが、コレは「濡れることを回避する」ウエーダーとは違う逆の発想で、「あらかじめ濡れること」を想定して、水が抜ける素材を使っていたりと、濡れてからの不快感を低減する発想の下で開発されている。モチロン、組み合わせるズボンや下着は、即乾性のある素材を使用したモノを履くことでその機能が強化される。
●パッケージの能書き●
ウエット・ゲーターは数年前の発売以来、好評のようであり、各ブログ等でもよく紹介されているが、現在販売されているのは改良が重ねられて何世代か経ったもののようだ。主な改良点はソックス部の強化とスパッツ部の延長ということらしい。
今回はその「ウエット ゲーター」を伴っての釣行となったが、ウエーダーとは段違いの涼しさであり、一日中が快適そのものであった。
●何しろモデルの足が短いもので…。●
■荒城川へ■
今回釣行したのは岐阜県の北部、高山市内にある丹生川村漁協管内の二つの河川だ。
この管内には「荒城川」と「小八賀川」の2本の中規模の河川が流れており、そのどちらもがヤマメやイワナの有望河川であるし、一つの入漁証で行き来できるのが有り難い。
まずは、この春にも訪れた荒城川に向かい、一昨年のこの時期に、初めて訪れた際に入って好釣果を得たポイントで竿出しすることにした。
●条件的には最高のポイント●
夜明けと共に、河原に降りるが、周囲が明るくなって状況が確認できるようになると、ビックリすると共に、不安がよぎるのであった。何しろ春先に訪れた際に比べて1mほど低いのだ。もっともインターネット情報で水位が下降気味なのは承知の上だった。だが、比較したのが雪解け水が多い時期だったとは言え、これほどまでに低いとは思わなかったのだ。
しかしながら、付近では前日に雷雨が降った模様であったし、当日の天候も曇りベースで夕方から雨が降り出すようであったから、予報通りにゆけば状況が好転するかも知れない。その期待を胸に秘め、実釣がスタートした。
今回は「ここぞ!」と思うポイントでは粘るつもりであったので、腰を据えて釣り始めた。しかし、打てども打てどもアタリは無く、普段ならこの時期にウルサくアタってくる小型のヤマメ達からの反応も極端に少なく、稀につついてピリピリと穂先を振るわすのみであった。
ようやく捉えたアタリの結果は、お話にならないサイズであった。
●これが、この場の唯一の釣果…●
■移動するも…■
この日の不安要素は他にもあった。エサである。一箇所目のポイントから移動する際に何カ所か目星を付けた場所で川虫の採取を試みるが、全く獲れない状況だった。この日は全般的に川虫の量が少なく、持参していた市販エサの、「ミミズ」と「ブドウ虫」頼らざるを得なかった。
●ブドウ虫●
●ミミズ●
二箇所目の区間に入る際、更なる不幸が訪れた。天気予報が外れて晴れてきたのだ。
こうなると、魚にとって上空の鳥などの外敵から狙いが付けられにくい影になる場所=日陰や水深の深いポイントを狙うのがメインになってくる。そして、そういったポイントを見付けては粘るのではあるが、そこからの答えは相変わらずであった。
●これまた一級ポイントなのだが…●
●答えはこれのみ…●
■ようやくの一匹■
春先にイワナを数本引き出した大場所からも答えはなく、半ば諦めつつも、更に釣り上がってゆく。
時折様子を伺うように日の当たる瀬も攻めてみたが、予想通りにまるで反応が無い。その度に「やはり影なのか?」という思いが募るが、超小型ながら、反応の違いからやがてそれが確信に変わってゆく。そして影を見付けては少しでも条件のよさそうなところを探ってゆく。
釣り続けて何度目かの日陰で、ようやく目印の動きにマトモな変化が起こり、ソレと判断できる魚の反応がボクに伝わった。
●石裏でアタリが出た●
全然大きくはないが、この日初めての手応えだけに喜びは大きい。それこそ味わうように引きを楽しみつつ、無事にゲット出来たのは予想通りのヤマメだった。
●22cmのヤマメ●
■影をさがしつつ■
その後は同じ区間では本命のアタリがなく、次なる移動を決意した。とは言ってももう時間は10時を過ぎており、車で移動しても先客がある場合が多く、入る場所に困る状況になっていた。
そこで、先行者との距離を測りつつ、邪魔にならない位置にある日陰を探して、スポット的に入ることにした。そして何度目かの移動で発見したのが、こんなポイントだった。
●浅いが石の裏が少し掘れている●
慎重に後方から近寄ってキャストをするが、珍しく狙い通りに一発でアタリを捉えることに成功した。
先程の魚と同じで、さほど大きくはないが、貴重な魚についニヤけてしまう。
●またもや22cmのヤマメ●
■大移動■
2匹目のヤマメをゲットした後は、入るポイントも無くなってしまったが、この管内にはもう一つ小八賀川があるので、こういったときには有り難い。従ってここは大移動を決意する。とは言っても一山超えるだけなので、移動は容易だ。
時間は昼に近くアレコレ迷っているヒマはない。そこで過去に訪れた際の記憶をたどり、この日のキーワードである「影」を当てはめてみる。そこから導いたポイントに入ってみるが…。
●ここもダメ●
●ここもダメ●
アチコチ探ってみた答えがコレだった。
●15cmのヤマメ●
■最悪の事態が■
小八賀川では二度目の移動で河原に降りたって準備をしていると、裏手の山から「ゴロゴロ・ドッスン」と雷鳴がとどろき始めた。「雨が降り出す」というのは予報通りではあったが、まさかの雷雨である。しかも、雷鳴は近付きつつあるようだった。
ご存じの方も多いと思うが、カーボン素材がメインの釣り竿は電気伝導率がかなり高い。従って、この状況で竿を持って釣り歩くことは7.5mの避雷針を持って河原を歩くことになるので、釣りの続行は不可能だ。因みにボクは過去に、磯釣りをしている最中に同様の状況になってもナメて竿を持ち続けていたことがあったが、実際に雷が落ちている地点とは距離が離れているように思えても、竿を持つ手がまるで電気風呂に入ったようにピリピリと震え出した経験があるのだ。
釣れないヤマメと命を引き替える訳にはいかないので、ここは撤退を決意して儚くもこの日の釣りが終了した。
●恨めしくも恐ろしい、空●
当日の釣果は、ボクの渓流釣り史上最低の釣果だった。この状態を脱出するには天候を含めて、各河川の水況に大きな転換が必要だと思う。それが秋までに来ればいいのだが…。と、自分の腕を棚に上げて祈っている今日この頃なのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます