■渇水続きの渓流■
9月に入り、禁漁までに1ヶ月を切った状態の中、何とか今期の最終釣行の機会が来るのを待ち続けていた。釣行先は富山県の久婦須川と決めてはいたのだが、インターネットで水位計をずっと追っていても、今までに見たことの無いような低い水位が続いていたので、ほとんど諦めの境地に入っていた。
9月最終週の日曜日である30日。実は、この日も渓流釣りを諦めて、最近チャレンジを開始した「たて釣り」をしようと、予約まで入れていたのだが、台風17号の影響でそれが中止になった。しかし富山県の、この日の天気予報を確認すると、前日夜遅くから降りだした雨が、適度な小康状態を挟んで時間あたり1~2mm程度の量のままで当日の昼前まで続き、一旦上がった後に夕方以降に本格的な降雨になるというモノだった。
それを受け、「本格降雨の前であれば、イイ状況になっているのでは?」との勝手な予測をたてて、一路、久婦須川を目指すことにした。
■大ハズレ■
午前2時頃、現地に到着するが、意外にも雨が降った形跡はあるものの、現地の道路は既に乾き始めていた。しかし、台風17号が迫る中、「降らないワケはないだろう。」と楽観気味に仮眠をとる。そして午前5時に起床したのだが、様子は変わらず、イヤな予感が漂う中での準備になった。
入る区間は勝手知ったる、いつもの位置だった。真夏のピーク時のままに生い茂る草木の中を藪こぎし、苦労の末に河原に降りてみると、昨夜来の微量な雨では回復することのなかった”渇水の渓”の様子が目に飛び込んできた。
そして、苦戦するのが目に見えるような状態で実釣がスタートした。
普段の渓相であれば、早朝のエサ場になる区間には、浅すぎる水深のために警戒したヤマメたちの姿は当然のようになかった。続いて比較的にだが、水深のある瀬脇の泡の下からようやくアタリをキャッチする。しかし、それはチビサイズからのモノであった。
同ポイントでは、パラパラとアタリがあったが、全てがチビ。諦めて上流へと向かう。
次の区間は幅の広い瀬からの落ち込みが収束する部分で、昨年の同時期に大型の渓魚をバラした区間だ。しかし、水が少なく、昨年の渇水時よりも更にポイントの数が減って、狙うべき箇所は1~2しか残されていなかった。
しかも、ここまでは曇天の中での釣りであったのだが、雲から晴れ間が覗きだした。更に、台風からの風が蒸し暑く、9月末だというのにミンミンゼミまでもが鳴く始末。この状態は、渓流釣りにとって最悪だ。
とりあえず、ミミズでチビを数匹釣った後にエサをブドウ虫にチェンジ。それにようやくマトモなアタリがあって、少しだけだがマシな20cmのヤマメをゲットする。
あまりの反応の鈍さに、「エサのせいかも?」と思い、川虫採取を始める。辺りで獲れる川虫はクロカワムシであったのだが、実際に使うと渓魚の反応は鈍かった。結果的にだが、最終区間での例外を除き、この日一日において、獲る努力に報われる釣果を得ることはなかったのは意外だった。
■何にも無し■
次なる区間は、用水路からの排水が淵に滝になって流れ込むところだ。ただし、この滝は人工なだけあって、人間の都合で時折止まることがあるので、その都度条件が変わる。
度重なる不運の中、幸運にも滝は流れ込んでおり、周囲と比較すれば、この淵だけは水量があって条件は良いように思えた。
丁寧に淵尻のカケ上がりから攻め始める。しかし答えはチビヤマメ。淵の中間にある大石周りを攻める。ここでも答えはチビヤマメ。滝と流れがぶつかる周囲を攻める。またしてもチビヤマメ。最後に淵頭の流れ込みを攻めるが、結局全てがチビヤマメだった。
最高サイズが20cmという貧果のままで、脱渓地点の堰堤付近のポイント群に到達する。この区間は普段の水量であれば、攻めるポイント数が多く、丁寧に攻めれば攻めるほどに釣果が伴ってくるのだが、やはり渇水の影響は大きくポイントたり得るところは5分の1以下になっていた。
それでも、堰堤が魚止めになっているから、秋の産卵を控えた大型が少しは遡って来ているだろうし、当日の条件では水量もある方だ。故に少しは期待が膨らんだが、元より上空が開ける場所だけに、時折陽射しが射す中での、この水深では魚をストックする場所にはなり得ず、とうとう堰堤直下までマトモな魚を得ないままに終わった。
■台風の迫る中■
一旦車に戻って、念のために各地の天気予報をチェックする。結果、滋賀県辺りまでは大雨の警報が出ていたので、「タイムリミットは1時間ほどだろうか?。」との予測をたてた。
とにかく納得サイズを得るため、ピンポイント的に一カ所だけに入ることを決意し、下流のポイントを目指した。
上空の黒雲に注意しながら、途中のポイントは捨てて淵へと直行する。ブドウ虫は既に尽きていたので、ここではミミズと、ここまで結果の出ていなかったクロカワムシを交互に刺し替えて攻めてみた。
数頭目、意外にも不調だったクロカワムシに、目印の変化と共にゴツンッ!としたアタリが出た。同時に、久しぶりの良型らしいアタリに期待に胸が膨らむ。しかしアタリに反して抵抗感は少なく、さしたる感動はなかった。
そして難なく取り込んだのは、この日最長寸のヤマメだった。
続いてミミズで20cmをゲットするが、以降はチビばかりになる。そしてそのアタリすら途絶え始めたと共に、やや大粒の雨が降り始めた。
そして「長居は無用」とばかりに、逃げ帰るように久婦須川を後にした。
しかし、地獄はここから始まった。帰路は紀伊半島から北西に進む台風17号に向かっての進路だったのだ。当然予測はしていたが、猛烈な風雨の中、三カ所も「起こしたて」の事故を目撃し、そのうち一カ所は追突しそうになるのをすんでの所でかわして何とか北陸、名神の高速道を走り抜けた。まさに、「這々の体(ほうほうのてい)」で帰宅することになったのだ。
■シーズンを振り返って■
この日を振り返るため帰宅後に、インターネットで久婦須川の水位計をチェックした。すると、ものの見事にボクが居た間には渇水のままで変化がなく、夕刻以降に一気に水位が倍以上になった模様だ。
「この増水が治まれば、一気に食いが上向く」とは判ってはいるが、もう時間切れ。来年に期待するしかない。
今シーズンは初期段階で沖釣りに目が奪われたことと、夏以降は超渇水のために釣行機会が激減して、ついに尺オーバーを得ることができなかった。この件に関しては当然納得はしていないので、来シーズンはもっと釣行機会を増やすつもりだ。そのために、もう少し近畿圏に近い新たなフィールドにも向かうことを考えている。そして今から他人様のブログ等を眺めてデータ取りし、計画を練っている最中だ。
9月に入り、禁漁までに1ヶ月を切った状態の中、何とか今期の最終釣行の機会が来るのを待ち続けていた。釣行先は富山県の久婦須川と決めてはいたのだが、インターネットで水位計をずっと追っていても、今までに見たことの無いような低い水位が続いていたので、ほとんど諦めの境地に入っていた。
9月最終週の日曜日である30日。実は、この日も渓流釣りを諦めて、最近チャレンジを開始した「たて釣り」をしようと、予約まで入れていたのだが、台風17号の影響でそれが中止になった。しかし富山県の、この日の天気予報を確認すると、前日夜遅くから降りだした雨が、適度な小康状態を挟んで時間あたり1~2mm程度の量のままで当日の昼前まで続き、一旦上がった後に夕方以降に本格的な降雨になるというモノだった。
それを受け、「本格降雨の前であれば、イイ状況になっているのでは?」との勝手な予測をたてて、一路、久婦須川を目指すことにした。
■大ハズレ■
午前2時頃、現地に到着するが、意外にも雨が降った形跡はあるものの、現地の道路は既に乾き始めていた。しかし、台風17号が迫る中、「降らないワケはないだろう。」と楽観気味に仮眠をとる。そして午前5時に起床したのだが、様子は変わらず、イヤな予感が漂う中での準備になった。
入る区間は勝手知ったる、いつもの位置だった。真夏のピーク時のままに生い茂る草木の中を藪こぎし、苦労の末に河原に降りてみると、昨夜来の微量な雨では回復することのなかった”渇水の渓”の様子が目に飛び込んできた。
そして、苦戦するのが目に見えるような状態で実釣がスタートした。
普段の渓相であれば、早朝のエサ場になる区間には、浅すぎる水深のために警戒したヤマメたちの姿は当然のようになかった。続いて比較的にだが、水深のある瀬脇の泡の下からようやくアタリをキャッチする。しかし、それはチビサイズからのモノであった。
●この日の初ヤマメは16cmほど●
同ポイントでは、パラパラとアタリがあったが、全てがチビ。諦めて上流へと向かう。
次の区間は幅の広い瀬からの落ち込みが収束する部分で、昨年の同時期に大型の渓魚をバラした区間だ。しかし、水が少なく、昨年の渇水時よりも更にポイントの数が減って、狙うべき箇所は1~2しか残されていなかった。
●実質、この部分にしかポイントはない●
しかも、ここまでは曇天の中での釣りであったのだが、雲から晴れ間が覗きだした。更に、台風からの風が蒸し暑く、9月末だというのにミンミンゼミまでもが鳴く始末。この状態は、渓流釣りにとって最悪だ。
●憎き晴れ間が…●
とりあえず、ミミズでチビを数匹釣った後にエサをブドウ虫にチェンジ。それにようやくマトモなアタリがあって、少しだけだがマシな20cmのヤマメをゲットする。
●苦労の末の20cm●
あまりの反応の鈍さに、「エサのせいかも?」と思い、川虫採取を始める。辺りで獲れる川虫はクロカワムシであったのだが、実際に使うと渓魚の反応は鈍かった。結果的にだが、最終区間での例外を除き、この日一日において、獲る努力に報われる釣果を得ることはなかったのは意外だった。
●期待ハズレのクロカワムシ●
■何にも無し■
次なる区間は、用水路からの排水が淵に滝になって流れ込むところだ。ただし、この滝は人工なだけあって、人間の都合で時折止まることがあるので、その都度条件が変わる。
度重なる不運の中、幸運にも滝は流れ込んでおり、周囲と比較すれば、この淵だけは水量があって条件は良いように思えた。
●滝が流れ込んでいる!●
丁寧に淵尻のカケ上がりから攻め始める。しかし答えはチビヤマメ。淵の中間にある大石周りを攻める。ここでも答えはチビヤマメ。滝と流れがぶつかる周囲を攻める。またしてもチビヤマメ。最後に淵頭の流れ込みを攻めるが、結局全てがチビヤマメだった。
●チビヤマメしか居ない●
最高サイズが20cmという貧果のままで、脱渓地点の堰堤付近のポイント群に到達する。この区間は普段の水量であれば、攻めるポイント数が多く、丁寧に攻めれば攻めるほどに釣果が伴ってくるのだが、やはり渇水の影響は大きくポイントたり得るところは5分の1以下になっていた。
●堰堤の周囲にも水は少ない●
それでも、堰堤が魚止めになっているから、秋の産卵を控えた大型が少しは遡って来ているだろうし、当日の条件では水量もある方だ。故に少しは期待が膨らんだが、元より上空が開ける場所だけに、時折陽射しが射す中での、この水深では魚をストックする場所にはなり得ず、とうとう堰堤直下までマトモな魚を得ないままに終わった。
●またもやのチビヤマメばかり●
■台風の迫る中■
一旦車に戻って、念のために各地の天気予報をチェックする。結果、滋賀県辺りまでは大雨の警報が出ていたので、「タイムリミットは1時間ほどだろうか?。」との予測をたてた。
とにかく納得サイズを得るため、ピンポイント的に一カ所だけに入ることを決意し、下流のポイントを目指した。
上空の黒雲に注意しながら、途中のポイントは捨てて淵へと直行する。ブドウ虫は既に尽きていたので、ここではミミズと、ここまで結果の出ていなかったクロカワムシを交互に刺し替えて攻めてみた。
●最後の淵●
数頭目、意外にも不調だったクロカワムシに、目印の変化と共にゴツンッ!としたアタリが出た。同時に、久しぶりの良型らしいアタリに期待に胸が膨らむ。しかしアタリに反して抵抗感は少なく、さしたる感動はなかった。
そして難なく取り込んだのは、この日最長寸のヤマメだった。
●23cmのヤマメ●
続いてミミズで20cmをゲットするが、以降はチビばかりになる。そしてそのアタリすら途絶え始めたと共に、やや大粒の雨が降り始めた。
そして「長居は無用」とばかりに、逃げ帰るように久婦須川を後にした。
しかし、地獄はここから始まった。帰路は紀伊半島から北西に進む台風17号に向かっての進路だったのだ。当然予測はしていたが、猛烈な風雨の中、三カ所も「起こしたて」の事故を目撃し、そのうち一カ所は追突しそうになるのをすんでの所でかわして何とか北陸、名神の高速道を走り抜けた。まさに、「這々の体(ほうほうのてい)」で帰宅することになったのだ。
■シーズンを振り返って■
この日を振り返るため帰宅後に、インターネットで久婦須川の水位計をチェックした。すると、ものの見事にボクが居た間には渇水のままで変化がなく、夕刻以降に一気に水位が倍以上になった模様だ。
「この増水が治まれば、一気に食いが上向く」とは判ってはいるが、もう時間切れ。来年に期待するしかない。
今シーズンは初期段階で沖釣りに目が奪われたことと、夏以降は超渇水のために釣行機会が激減して、ついに尺オーバーを得ることができなかった。この件に関しては当然納得はしていないので、来シーズンはもっと釣行機会を増やすつもりだ。そのために、もう少し近畿圏に近い新たなフィールドにも向かうことを考えている。そして今から他人様のブログ等を眺めてデータ取りし、計画を練っている最中だ。
私は、手取川に行きましたが超渇水でした!
アタリすらないボウズでした(>_<)
何とか岐阜県の川で取り戻しましたが、石川、富山ナンバーの車の多いことにはビックリでした!
雨が降らず釣れないみたいです。
来年は、本流竿を手に入れてやってみたいと考えてます。
お互いに頑張りましょう(^^)/
仕事の都合上、11月一杯で年内の釣りが終わりますが、残すところ僅かな釣行予定の中で、幸運が訪れることを祈るのみです。