■バンド小僧だった頃■
それは35年も昔の、ボクが中学3年の時のこと。中古のドラムセットを手に入れたことを機に、それまでは聴くだけのモノだった音楽が、ボクにとっては演奏するモノにもなった。
以来、バンド小僧になってヒマがあれば叩いていたのだが、真剣に叩いていたのは18歳の頃までだった。以降も時折叩いてはいたが、元より性格が飽き性であり、才能も豊かな方ではなかったので、「まぁ、こんなモンか」程度のドラマーであり、人に自慢できる程ではない。
そして、気付けば全く触れることも無くなり、いつしか忘れ去るようになっていた。
しかし、楽器というモノは不思議で、ある瞬間に無性に触りたくなることがある。
そんな時、他の楽器の場合、特に電気楽器というモノであればヘッドフォンでモニターすれば、他人に聞かれて迷惑になることもなく演奏できるのだが、ドラムの場合はそうは行かない。叩けば即、近所迷惑だ。しかもセット自体が巨大な故、ふと触りたくなる程度ではセッティングできないから、諦めの方が先に立つ。第一、普段の保管場所にも苦労するから、普通の場合であれば興味が無くなると処分して手元に残っていないことが多いだろう。
しかし、時代が変わり、今では電子ドラムという分野がある。これであれば、パタパタという打音がするだけで、ドラム音はヘッドフォンでモニターできるから、誰に気兼ねをすることもなく思う存分?叩くことができるうえ、使用しないときは小さくたためる。だから事情は大きく変化しているのだ。
■憧れのVドラム■
その電子ドラムであるが、今から10年ほど前にとある楽器店でROLAND社製の「V DRUM」というモノに出逢って以来、ずっとボクの「欲しいものリスト」に入っていた。しかしそれは楽器屋に立ち寄った際にカタログをもらうだけのことであって、当初は高価だったため、単に「あこがれていた」と言った方が正確だろう。
しかし、ここ近年はコストダウンされて販売価格も随分と下がっている。それでも予算オーバーの状態だったので、時折オークション内の中古品を物色していたある日、オークションの出品されていた、とある中古品に目が向いた。
諸事情をクリアした後、それをウマく適価で落札することが出来て、ようやく部屋への配置が完了したのである。
標準の2タム&1フロアタムの構成の場合、設置スペースは120cm四方あれば事足りるから6畳の部屋であっても、そう場所をとらない。しかも、折りたたもうと思えば50cm×120cm程になるので、更にコンパクトになる。
肝心のタッチはメッシュパッド(白いパッド)については本物に近い感触があるが、黒いゴム製のパッドや、シンバルパッドは当然と言えば当然だが、やはり「ゴム感」を感じてしまう。
音については、太鼓類は本物に近いが、シンバルの音の立ち上がり方や粒だち感に決定的な違いがあり、特にハイハットシンバル(左足を乗せ、ペダルの踏み込み量で制御するシンバル)には独特のクセがあって、これ専用のタイミングがを覚える必要がある。
まぁ、そういった違いがあるものの、これだけの音、タッチ感を、この価格と静音性で味わえるワケであるから贅沢は言えない。
また、CD等の外部音源をミックス・インできる点は嬉しい配慮だ。この機能のおかげで、メロディ楽器ではないせいか、あまり楽しいものではないドラムの単独練習が、セッション感覚でできるようになり、楽しさもアップする。
■趣味と実益■
というワケで、誰に聴いてもらえるでもなく、ヘッドフォンを装着しながら夜な夜な練習する変なオジサンと化しているのだが、よく考えてみると、釣りにしたって、スキーにしたって、今のボクが「楽しい」と思ってやっていることは、二十歳台前半までに経験し、趣味としていたことを一旦中断し、再開したモノばかりだ。
「若い時の様々な経験は人生に貢献する。」とは、昔からオジサン連中が若い世代に向かって言うセリフだ。自分の人生を振り返ってみても、何処にどう貢献していたのかはよく判らないが、少なくともボクの場合は、世間でよく聞く「定年後に、何をして良いか判らないオジサン」にはならないことだけは確かだ。
素質や才能がもっとあって、若いときに懸命の努力をしていれば「趣味と実益を兼ねる」という人生を歩むことも可能であったのかも知れないが、一方で「一番好きな事は二番目に」 という言葉もあるから、今のままが幸せなのかも知れない。
何はともあれ、久方ぶりのドラム演奏は楽しい。
「今夜は尊敬する”スティーヴ・ルカサー”とのセッションが待っている。(勿論ヘッドフォン内の中の話だが…。)」近頃はそんな気持ちで部屋に籠もる毎日だ。
それは35年も昔の、ボクが中学3年の時のこと。中古のドラムセットを手に入れたことを機に、それまでは聴くだけのモノだった音楽が、ボクにとっては演奏するモノにもなった。
以来、バンド小僧になってヒマがあれば叩いていたのだが、真剣に叩いていたのは18歳の頃までだった。以降も時折叩いてはいたが、元より性格が飽き性であり、才能も豊かな方ではなかったので、「まぁ、こんなモンか」程度のドラマーであり、人に自慢できる程ではない。
そして、気付けば全く触れることも無くなり、いつしか忘れ去るようになっていた。
しかし、楽器というモノは不思議で、ある瞬間に無性に触りたくなることがある。
そんな時、他の楽器の場合、特に電気楽器というモノであればヘッドフォンでモニターすれば、他人に聞かれて迷惑になることもなく演奏できるのだが、ドラムの場合はそうは行かない。叩けば即、近所迷惑だ。しかもセット自体が巨大な故、ふと触りたくなる程度ではセッティングできないから、諦めの方が先に立つ。第一、普段の保管場所にも苦労するから、普通の場合であれば興味が無くなると処分して手元に残っていないことが多いだろう。
しかし、時代が変わり、今では電子ドラムという分野がある。これであれば、パタパタという打音がするだけで、ドラム音はヘッドフォンでモニターできるから、誰に気兼ねをすることもなく思う存分?叩くことができるうえ、使用しないときは小さくたためる。だから事情は大きく変化しているのだ。
■憧れのVドラム■
その電子ドラムであるが、今から10年ほど前にとある楽器店でROLAND社製の「V DRUM」というモノに出逢って以来、ずっとボクの「欲しいものリスト」に入っていた。しかしそれは楽器屋に立ち寄った際にカタログをもらうだけのことであって、当初は高価だったため、単に「あこがれていた」と言った方が正確だろう。
しかし、ここ近年はコストダウンされて販売価格も随分と下がっている。それでも予算オーバーの状態だったので、時折オークション内の中古品を物色していたある日、オークションの出品されていた、とある中古品に目が向いた。
諸事情をクリアした後、それをウマく適価で落札することが出来て、ようやく部屋への配置が完了したのである。
■セッティング完了!■
標準の2タム&1フロアタムの構成の場合、設置スペースは120cm四方あれば事足りるから6畳の部屋であっても、そう場所をとらない。しかも、折りたたもうと思えば50cm×120cm程になるので、更にコンパクトになる。
肝心のタッチはメッシュパッド(白いパッド)については本物に近い感触があるが、黒いゴム製のパッドや、シンバルパッドは当然と言えば当然だが、やはり「ゴム感」を感じてしまう。
音については、太鼓類は本物に近いが、シンバルの音の立ち上がり方や粒だち感に決定的な違いがあり、特にハイハットシンバル(左足を乗せ、ペダルの踏み込み量で制御するシンバル)には独特のクセがあって、これ専用のタイミングがを覚える必要がある。
まぁ、そういった違いがあるものの、これだけの音、タッチ感を、この価格と静音性で味わえるワケであるから贅沢は言えない。
また、CD等の外部音源をミックス・インできる点は嬉しい配慮だ。この機能のおかげで、メロディ楽器ではないせいか、あまり楽しいものではないドラムの単独練習が、セッション感覚でできるようになり、楽しさもアップする。
■趣味と実益■
というワケで、誰に聴いてもらえるでもなく、ヘッドフォンを装着しながら夜な夜な練習する変なオジサンと化しているのだが、よく考えてみると、釣りにしたって、スキーにしたって、今のボクが「楽しい」と思ってやっていることは、二十歳台前半までに経験し、趣味としていたことを一旦中断し、再開したモノばかりだ。
「若い時の様々な経験は人生に貢献する。」とは、昔からオジサン連中が若い世代に向かって言うセリフだ。自分の人生を振り返ってみても、何処にどう貢献していたのかはよく判らないが、少なくともボクの場合は、世間でよく聞く「定年後に、何をして良いか判らないオジサン」にはならないことだけは確かだ。
素質や才能がもっとあって、若いときに懸命の努力をしていれば「趣味と実益を兼ねる」という人生を歩むことも可能であったのかも知れないが、一方で「一番好きな事は二番目に」 という言葉もあるから、今のままが幸せなのかも知れない。
何はともあれ、久方ぶりのドラム演奏は楽しい。
「今夜は尊敬する”スティーヴ・ルカサー”とのセッションが待っている。(勿論ヘッドフォン内の中の話だが…。)」近頃はそんな気持ちで部屋に籠もる毎日だ。
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