中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

JOHN MAYER LIVE IN CONCERT

2014-05-10 12:30:00 | 音楽
■待ちに待った来日■

 前週のTOTOに続き、今度はジョン・メイヤーがやって来た。クジ運が悪いボクとしては上出来の「ステージの左端だが、5列目」の席が当たっていたので、チケットが届いたその日から、ワクワクし、待ちに待っていたライヴ・コンサートだ。

 説明するまでもないのかも知れないが、ジョン・メイヤーは400万枚のセールスを記録したデビューアルバム(2001年)を始め、音楽界では、世界最高のステータスを持つグラミー賞の、”最優秀男性POPヴォーカル賞”を始めとして、関連の賞を7度も獲得するなど、実績は申し分なく、世界レベルのスーパースターの1人だ。
 それだけだと彼を知らない人は「(日本で言うところの)歌手なの?」と思ってしまいかねないが、凄腕のギタリストでもあり、その評価は高い。日本では、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンの「三大ギタリスト」に続く、「現代の3大ギタリスト」として、デレク・トラックス、ジョン・フルシアンテと彼の3人を讃えているし、より評価のキビシイ海外でも同様に、デレク・トラックス、ジョン・フルシアンテと並んで彼を「The New Guitar Gods」として、ローリングストーン誌が賞賛している。
 そんなジョン・メイヤーだが、ここ近年で喉の手術を2回も受けており、一時はマトモにしゃべることもできず、声質も変わってしまい、約2年に及ぶ苦難の日々を過ごしていたそうだ。
 この話には正直言って心配していた。事実、今回の公演の直前に行われたオーストラリア公演の映像をyoutubeで見る限り、苦しそうに歌う姿もあったからだ。
 ただし、彼にはそれを引いても充分オツリがある。「『そうであってもギターが聞けるさ。』と割り切ればイイ」と思うのだが、肝心のギター・プレイの方も、実のところ最近のアルバム3作ではギンギンにギターは弾いていない。特に直近の2作はそんなにボク好みではないカントリー・ソング路線のため、かなり控えめなのだ…。
 そして、4月30日。「どうなることやら…。」と、会場の大阪城ホールへと向かったのだが…。

●会場前の大看板●


■心配ご無用■

 今回のセットリストは、

 1.Queen Of California (BORN AND RAISED より)
 2.Belief (CONTINIUUM より)
 3.Who Says (BATTLE STUDIES より)
 4.Paper Doll (PARADISE VALLEY より)
 5.Promises (ERIC CLAPTON のカヴァー)
 6.No Such Thing (ROOM FOR SQUARES より)
 7.Waitin' On The Day (PARADISE VALLEY より)
 8.Slow Dancing In A Burning Room (CONTINIUUM より)
 9.Neon (ROOM FOR SQUARES より)
 10.Free fallin' (TOM PETTY のカヴァー)
 11.Wild Fire (PARADISE VALLEY より)
 12.Edge Of Desire (BATTLE STUDIES より)
 13.Why Georgia (ROOM FOR SQUARES より)
 14.I Don't Trust Myself (With Loving You) (CONTINIUUM より)
 15.If I Ever Get Around To Living (BORN AND RAISED より)
 16.Waiting On The World To Change (CONTINIUUM より)
 17.Dear Marie (PARADISE VALLEY より)
 ~アンコール
 18.Gravity (CONTINIUUM より)

 という流れだったが、結果は心配は要らなかった。ギターは強烈プレイだったし、歌もいつもの通りで声に全く問題はなかったのだ。

●凄ワザの連続はさすが●

 途中、驚いた箇所があった。それは、サポート・メンバーが一旦脇に下がり、アコースティック・ギターを片手に彼1人で登場した際のことだ。
 客席に向かって「何をやって欲しい?」と彼が聞くと、客席の多くから大ヒット曲の「NEON」との声が上がった。すると、ジョンが「ギターが聞きたいの?」と言いつつ、おもむろに1番低音側の6弦のチューニングを下げ始めたのだ。(調べると2音だそうだ)ライヴDVDを見た人は知っていると思うが、「NEON」のアコースティック・ヴァージョンでジョンは、親指で6弦をはじきながらベースギターのような音を出し、残りの指を使ってコードを押さえることで、あたかもベースとギターが同時になっているかのような音を出して演奏する。そのためにチューニングを下げていたことは知らなかったが、始めから弾くことを予定していたのなら、始めからそれ用にチューニングしたギターを持ってくるハズだ。しかし、その場でペグを触ったということは、客のリクエストに応えたということの証になる。彼程のスーパー・スターがこんなことをしてくれるというのは大きな驚きだったし、「NEON」という曲が大好きなボクには涙がチョチョ切れるほど嬉しさが込み上げる瞬間だった。

●サポートメンバーも凄腕揃い●


 そして、アッという間に”至高の幸せ”の時間が過ぎていった。
 上段で書いた「カントリー・ソング」に関しても、CDで聴くのと、ライヴで聴くのには大きなイメージの違いがあった。「聴くだけ」と、「体感し、見聞きする」とは大きな違いがあるのは勿論理解しているつもりだが、ここで体験した感動は、カントリー・ソングが「アメリカ人の心の歌」と言われる所以に気付かされた瞬間だった。 


■伝承者■

 ボクの大好きなブルースロック界に故スティーヴィー・レイ・ヴォーンというギタリストが居る。そして今回のジョン・メイヤーがリスペクトするのが、そのスティーヴィー・レイ・ヴォーンだ。この件に関しては彼自身が語っているし、バイトで貯めた金で買った最初のギターがスティーヴィー・レイ・ヴォーンのシグネチャーモデルであり、ファーストアルバムで「LENNY」という曲をカヴァーしていることでも理解できる。(その他、以前にしていたSRVのタトゥーや、遺品の機材を使っているなど、多々)
 また、そのスティーヴィー・レイ・ヴォーンがリスペクトしていたのが、かの偉大なギタリストの故ジミ・ヘンドリックスであり、同じくジョン・メイヤーもジミ・ヘンドリックスをもリスペクトしていて、「BOLD AS LOVE」という曲をカヴァー演奏している。
 アメリカのロック界にはこういった伝承者とも言うべき、それも天才的な伝承者が何年かごとに出てくるが、いつもボクが感心するのは、諸先輩方から多大な影響を受け、テクニックなど取り込んでいるハズなのに、自身のオリジナル曲は勿論のこと、カヴァー曲であっても模倣はなく、昇華させたオリジナル・スタイルになっているというスゴさだ。そういうサウンドだから世に受け入れられ、大ヒットするのであり、逆を言えば聴く側の耳が肥えているということにもなるのだろう。この点は、「どこかで聞いたような…。」と思うことが多い、どこかの国の事情とは大きく違う点だ。そしていつも思うことだが、そういった素晴らしい音楽を母国語で聞き、歌詩の深い意味まで理解できる人達が羨ましく思ってしまう。だが、それは自分が英語を勉強しなかったツケであるから、文句の持って行き所はないのだが…。

 ジョン・メイヤーは只今36歳。彼自身は高校時代に交換留学生での初来日を始めとして、プライベートで1ヶ月以上も日本に滞在する程の親日家だそうだ。だからこの先幾度も来日公演があるだろうから、その都度、都合が許す限りボクは見に行きたい。これから先円熟度を増してゆく彼を見るのが楽しみだ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« TOTO 35TH ANNIVERSARY | トップ | ”食い渋り”のヒラマサ釣り »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事