渓流釣りは禁漁期に入ってしまったが、磯でグレを狙うには、まだ早い。その間にせっかく復活し始めた体力と言うか、脚力を落とさないようにするためにも何かをしなくてはならない。ということで暑くもなくなったことだし、ハイキングの復活と相成った。
阪急電車芦屋川駅近くを出発したのは朝6時半頃だった。
そのまま川沿いの標識に従って歩いてゆく。
今回のコースは芦屋ロックガーデンから風吹岩をピークに、蛙岩経由で芦屋川駅まで戻ってくるコースだが、このコースの歴史は古く、整備されているので、標識通りに進めばすんなりと行くだろう。
そうこうしている内に、ロックガーデンの入り口に到着する。
このあたりにある茶屋を抜けると高座の滝(こうざのたき)だ。
高座の滝を右に見て階段を上がったところにあるのがコースの分岐点で、
右に上がって行くと、一般向けの中央尾根伝いに歩くコースで、左に降りて行くと中級者向けの地獄谷を行くコースになる。
勿論、チャレンジャーのワタシが向かうのは地獄谷コースだ。
地獄谷に入る部分は正に地獄の様相だ。何しろいきなり土石流などを関知するセンサーが入り口を塞いでいるのだ。
このセンサーのすぐ手前まで崖崩れが来ており「ホンマに進んで大丈夫なのか?」と不安になるほどだ。
とりあえず目の前にあった壁を登り始めたのだが、残り7~8mほどのところで全く手がかりが無くなり、昇ることが不可能となって途方に暮れてしまう。
ここで下に居た初老の方から「兄ちゃん、危ない!ソコは去年に崖崩れが起こって昇られへんで~。」と声が掛かる。
ソレを聞くと頭の中で「ウ~」というサイレンと共に赤いパト・ランプが回転し始めた。下を見るとこんな感じ
(写真では解り辛いが、この地点は地表から15mくらいの高さで、壁面は垂直に近い。)
になっている。「ヤバイ!速く逃げなくては」との思いつつ、降りようとするが、登りよりも下りの方が数段手足の運びが難しいので、時間がかかってしまう。這々の体(ほうほうのてい)でようやく下まで降りた時には「火事場の馬鹿力」を使い果たしたのか、手足が震えているほどでだった。
落ち着くヒマもなく、下で心配そうにワタシの様子を見ていた先輩ハイカーから「おしかり」を受け、「コースは沢沿いにある」と指導をいただいた。
コース・ガイドブックを見ると先程の場所はゲートロックという岩壁で以前はロッククライミングの練習場として利用されていたが、2008年夏に崩壊し、その後は立ち入り禁止になっているというではないか!。町中なら「立ち入り禁止と書いておけよ!」とのツッ込みもアリだが、ここは近郊とはいえ山だ。そんなものは自己判断で行動しなければならない。
それから後は己の認識の甘さを感じながらトボトボと歩きを再開した。
ここからは「先輩ハイカー?」から受けた指導通りに沢沿いを外さずに昇ってゆく。しばらく段差のある小滝が連続する区間を抜けると、ガイドブックにも掲載されている「小便滝」に到着した。
更に進むとA懸垂岩(Aケン)が見えてきた。
このAケンはロッククライミングの練習場として昔から親しまれてきたということだが、周囲にあったBケンやCケンは阪神大震災で崩れ去り、今は昇ることが出来ないそうだ。
先程のゲートロックで懲りていたので、Aケンを眺めるだけに留めていたが、後からやって来た人がスイスイと登り始めた。
ワタシより年長の方だったので、何故か負けん気が湧いてきて、気付けばワタシも登り始めていた。
「ゲートロックに比べりゃ~何ともないさ!。」
頂上で休憩した後、次なるポイントへと向かう。しばらく進み、それまでの岩と樹木で構成されていた風景から一転してパッと視界が広がると、ソコが「万物相」と言われる一帯になる。
ここは風雨による浸食でザラメ状の地層が削られた”奇景”で、ニョキニョキと地面からはい出ている部分が色んなものに見えることからネーミングされている。その形状から、またの名を和製カッパドキア(トルコにある景勝地)とも呼ばれているそうだ。
だが、本体部分よりもやや西にどうしても「そう見える岩」を発見した。
名付けて「桃尻岩」だ。(如何にもオヤジ風のイヤらしいネーミングをしてやったのだ。)
万物相を抜けて更に昇ると中央尾根からのコースと合流する。そして、その先にあるのが風吹岩だ。
ここで休憩をとり、記念撮影。
風吹岩が今回のコースでは最高点となるので、当然ここから先は下りになる。標識が各所に立っているので間違うことはないが「蛙岩」「魚屋道(ととやみち)」方面に降りて行くと良い。
魚屋道とは、江戸時代に神戸の灘方面から裏六甲にある有馬地区へと魚を運ぶために使った道ではあったが、正規ルートは別にあったので、抜け荷を運ぶヤミ商売人たちも往来していたそうだ。
そして程なく蛙岩に到着する。
一応立て札はこちら側に立っていたが、
反対側の方が足を折りたたんだ姿からジャンプしそうな感じで、より蛙らしく見える。
ここから更に進んで行けば市街地への出口に到着するが、その間際にこんな標識が…。
「ごもっともでございます。」不用意に崖なんかをよじ登って動けなくなるような「余裕のない行動」は慎まなくてはいけませんナ。
ここから先は更に下った後、阪急電車に沿って東へ向かえばゴールになる。
このコース、途中で「要らんこと」をして壁に張り付いてしまい、時間をロスしたが、真っ直ぐ行けば3時間半くらいで周遊できると思う。途中に難所はないが、子供の足だと沢沿いのコースは歩幅が合わず、乗り越えるのに苦労するだろうから、その場合は地獄谷は避けて中央尾根を通れば問題はないと思う。チョッと気軽にハイキングという感じで行くのには最適なルートの一つだと思う。
……オマケ映像……
クモと言えば、町中で見るとキモチ悪いが、山で見ると種類が違うし、イメージも違った感じに見える。正に、この巣は芸術品だ。(byワタシ)
阪急電車芦屋川駅近くを出発したのは朝6時半頃だった。
そのまま川沿いの標識に従って歩いてゆく。
今回のコースは芦屋ロックガーデンから風吹岩をピークに、蛙岩経由で芦屋川駅まで戻ってくるコースだが、このコースの歴史は古く、整備されているので、標識通りに進めばすんなりと行くだろう。
そうこうしている内に、ロックガーデンの入り口に到着する。
このあたりにある茶屋を抜けると高座の滝(こうざのたき)だ。
高座の滝を右に見て階段を上がったところにあるのがコースの分岐点で、
右に上がって行くと、一般向けの中央尾根伝いに歩くコースで、左に降りて行くと中級者向けの地獄谷を行くコースになる。
勿論、チャレンジャーのワタシが向かうのは地獄谷コースだ。
地獄谷に入る部分は正に地獄の様相だ。何しろいきなり土石流などを関知するセンサーが入り口を塞いでいるのだ。
このセンサーのすぐ手前まで崖崩れが来ており「ホンマに進んで大丈夫なのか?」と不安になるほどだ。
とりあえず目の前にあった壁を登り始めたのだが、残り7~8mほどのところで全く手がかりが無くなり、昇ることが不可能となって途方に暮れてしまう。
ここで下に居た初老の方から「兄ちゃん、危ない!ソコは去年に崖崩れが起こって昇られへんで~。」と声が掛かる。
ソレを聞くと頭の中で「ウ~」というサイレンと共に赤いパト・ランプが回転し始めた。下を見るとこんな感じ
(写真では解り辛いが、この地点は地表から15mくらいの高さで、壁面は垂直に近い。)
になっている。「ヤバイ!速く逃げなくては」との思いつつ、降りようとするが、登りよりも下りの方が数段手足の運びが難しいので、時間がかかってしまう。這々の体(ほうほうのてい)でようやく下まで降りた時には「火事場の馬鹿力」を使い果たしたのか、手足が震えているほどでだった。
落ち着くヒマもなく、下で心配そうにワタシの様子を見ていた先輩ハイカーから「おしかり」を受け、「コースは沢沿いにある」と指導をいただいた。
コース・ガイドブックを見ると先程の場所はゲートロックという岩壁で以前はロッククライミングの練習場として利用されていたが、2008年夏に崩壊し、その後は立ち入り禁止になっているというではないか!。町中なら「立ち入り禁止と書いておけよ!」とのツッ込みもアリだが、ここは近郊とはいえ山だ。そんなものは自己判断で行動しなければならない。
それから後は己の認識の甘さを感じながらトボトボと歩きを再開した。
ここからは「先輩ハイカー?」から受けた指導通りに沢沿いを外さずに昇ってゆく。しばらく段差のある小滝が連続する区間を抜けると、ガイドブックにも掲載されている「小便滝」に到着した。
更に進むとA懸垂岩(Aケン)が見えてきた。
このAケンはロッククライミングの練習場として昔から親しまれてきたということだが、周囲にあったBケンやCケンは阪神大震災で崩れ去り、今は昇ることが出来ないそうだ。
先程のゲートロックで懲りていたので、Aケンを眺めるだけに留めていたが、後からやって来た人がスイスイと登り始めた。
ワタシより年長の方だったので、何故か負けん気が湧いてきて、気付けばワタシも登り始めていた。
「ゲートロックに比べりゃ~何ともないさ!。」
頂上で休憩した後、次なるポイントへと向かう。しばらく進み、それまでの岩と樹木で構成されていた風景から一転してパッと視界が広がると、ソコが「万物相」と言われる一帯になる。
ここは風雨による浸食でザラメ状の地層が削られた”奇景”で、ニョキニョキと地面からはい出ている部分が色んなものに見えることからネーミングされている。その形状から、またの名を和製カッパドキア(トルコにある景勝地)とも呼ばれているそうだ。
だが、本体部分よりもやや西にどうしても「そう見える岩」を発見した。
名付けて「桃尻岩」だ。(如何にもオヤジ風のイヤらしいネーミングをしてやったのだ。)
万物相を抜けて更に昇ると中央尾根からのコースと合流する。そして、その先にあるのが風吹岩だ。
ここで休憩をとり、記念撮影。
風吹岩が今回のコースでは最高点となるので、当然ここから先は下りになる。標識が各所に立っているので間違うことはないが「蛙岩」「魚屋道(ととやみち)」方面に降りて行くと良い。
魚屋道とは、江戸時代に神戸の灘方面から裏六甲にある有馬地区へと魚を運ぶために使った道ではあったが、正規ルートは別にあったので、抜け荷を運ぶヤミ商売人たちも往来していたそうだ。
そして程なく蛙岩に到着する。
一応立て札はこちら側に立っていたが、
反対側の方が足を折りたたんだ姿からジャンプしそうな感じで、より蛙らしく見える。
ここから更に進んで行けば市街地への出口に到着するが、その間際にこんな標識が…。
「ごもっともでございます。」不用意に崖なんかをよじ登って動けなくなるような「余裕のない行動」は慎まなくてはいけませんナ。
ここから先は更に下った後、阪急電車に沿って東へ向かえばゴールになる。
このコース、途中で「要らんこと」をして壁に張り付いてしまい、時間をロスしたが、真っ直ぐ行けば3時間半くらいで周遊できると思う。途中に難所はないが、子供の足だと沢沿いのコースは歩幅が合わず、乗り越えるのに苦労するだろうから、その場合は地獄谷は避けて中央尾根を通れば問題はないと思う。チョッと気軽にハイキングという感じで行くのには最適なルートの一つだと思う。
……オマケ映像……
クモと言えば、町中で見るとキモチ悪いが、山で見ると種類が違うし、イメージも違った感じに見える。正に、この巣は芸術品だ。(byワタシ)
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