都月満夫の絵手紙ひろば💖一語一絵💖
都月満夫の短編小説集
「出雲の神様の縁結び」
「ケンちゃんが惚れた女」
「惚れた女が死んだ夜」
「羆撃ち(くまうち)・私の爺さんの話」
「郭公の家」
「クラスメイト」
「白い女」
「逢縁機縁」
「人殺し」
「春の大雪」
「人魚を食った女」
「叫夢 -SCREAM-」
「ヤメ検弁護士」
「十八年目の恋」
「特別失踪者殺人事件」(退屈刑事2)
「ママは外国人」
「タクシーで…」(ドーナツ屋3)
「寿司屋で…」(ドーナツ屋2)
「退屈刑事(たいくつでか)」
「愛が牙を剥く」
「恋愛詐欺師」
「ドーナツ屋で…」>
「桜の木」
「潤子のパンツ」
「出産請負会社」
「闇の中」
「桜・咲爛(さくら・さくらん)」
「しあわせと云う名の猫」
「蜃気楼の時計」
「鰯雲が流れる午後」
「イヴが微笑んだ日」
「桜の花が咲いた夜」
「紅葉のように燃えた夜」
「草原の対決」【児童】
「おとうさんのただいま」【児童】
「七夕・隣の客」(第一部)
「七夕・隣の客」(第二部)
「桜の花が散った夜」
ミャンマーが、外国人ジャーナリストの自由な取材活動、つまり報道の自由という民主主義の原点を公然と無視している軍事政権下にあることは、みなさんも十分ご存知のことと思います。しかし、より多くの日本人が、かつてビルマという国名でよく知られた国が、今はミャンマーという名の国になり、軍事独裁のために自由と人権が踏みにじられているという事実を忘れがちではないでしょうか。
1989年6月18日、ビルマの軍事政権は対外向けの英語国名をそれまでの Burma(バーマ)から Myanmar(ミャンマー)に変更し首都ラングーンをヤンゴンと変更する旨、国営新聞等を通じて宣言しました。国内向けのビルマ語名は1948年の独立時より「ミャンマー」であったことが混乱をまねいています。
その理由として示された見解は、Burma の元であるビルマ語の「バマー」が狭義の「ビルマ民族」しか指さないのに対し、「ミャンマー」は少数民族を意味するというものでした。
しかし、この説明には歴史的な根拠がありません。ビルマでは古くから碑文などの書き言葉で「ミャンマー」が使われる一方、話し言葉では「バマー」が使用されてきたのです。
英語の Burma はこの口語体のビルマ語「バマー」の影響を受けたものなのです。オランダ語やドイツ語では Birma と表記され、日本では明治初期にオランダ語表記を通じて「ビルマ」という呼び方が導入されました。問題はビルマ語の「ミャンマー」(文語」)と「バマー」(口語)がそれぞれ何を意味してきたかなのです。
実は、歴史的に両者が意味してきたものは狭義の「ビルマ民族」(ミャンマー民族)と彼らが住む領域だったのです。すなわち、現在でいう「少数民族」(カレン人、シャン人、カチン人等)や、それらの人々が住む領域を含む概念としては使われてこなかったということに注目すべきなのです。軍事政権の説明はこの点を無視しています。
一方、軍政の基盤であるビルマ国軍の誕生と密接な関係を有した1930年代の有力ナショナリズム団体のタキン党は、口語の「バマー」こそ「英国統治下ビルマにおける被支配民族すべて」(すなわち「ビルマ国民」)を指すと定義し、積極的に独立運動で使用した史実があるのです。
軍事政権はこうした歴史的背景にもいっさい触れていません。
このほか、日本語の問題として、「グレート・ブリテインおよび北アイルランド連合王国」を古くから「イギリス」「英国」と呼んでこれまで問題がなかったように、明治期以降、国語表現として定着した「ビルマ」という呼び方をわざわざ「ミャンマー」にかえなくても本質的な問題はないという考え方もあります。
また、反軍政の立場から、クーデターで登場した軍事政権が国民の賛否を問うことなく対外的な国名を変更したことは民主的で認められないとして、英語表記においてはいまでも Burma を使う人々が多くいるのです(在日ビルマ人活動家の場合、日本語表記では「ビルマ」を用いているそうです)。
あのアウンサンスーチー氏も英語で書いたり演説したりするときは Burma を使い続けています。
軍事政権は1990年5月27日に総選挙を行い、アウンサンスーチー氏の率いる国民民主連盟が大勝した。しかし軍政側は権力の移譲を拒否しました。激しい国際的な非難を招き、アウンサンスーチー氏は1991年にノーベル平和賞を受賞しました。賞金の130万ドルはビルマ国民の健康と教育のための基金の設立に使われたそうです。
国連での公式英語表記は1989年6月以降「Myanmar(ミャンマー)」であり、日本でも同時期に国会の承認を経て政府が「ビルマ」の使用をやめ「ミャンマー」を使うようになっています。
しかし軍事クーデターに反発する欧米各国は、軍事政権が変更した国の呼び名を認めず、従来の英語表記の「Burma(ビルマ)」を使い続けています。
国連で認めていることは一つの基準になることは確かですが、国連に倣っておけばすべて問題はないということではないと思うのですが・・・。
したっけ。