新市名「さくら市」選定の理由
氏家町では勝山城址の桜・鬼怒川堤防の桜堤、喜連川町では県道佐久山・喜連川線の桜並木・お丸山公園の桜など両町民にとって桜は長年親しまれてきた花である。
また、ひらがなにすることで表現が柔らかくなり、桜の花のように美しい“まち”になってほしいという両町民のまちづくりへの願いが込められている。
さくら市のサイトにはキッチリと新市名の選定理由が上記のように示されていた。 拍手、拍手!
新しい市町村のサイトにはこのように明快に名前の由来を記して欲しいのだ。
平成の大合併で全国に新しい市町村が誕生した。
群馬県には「みどり市」が誕生した。名前の由来を知ろうとネットで検索してみたが、残念ながら市のサイトでも説明が見つからなかった。みどりは自然の豊かさを表象するから、豊かな自然に恵まれたところなのだろうと推察する。
ひらがな表記の市町名が意外に多い。つがる市、おいらせ町、むつ市、つくば市、かすみがうら市・・・。これらのなじみの名前は漢字表記でも良いと思うのだがひらがなにしたのにも理由があるのだろう。
福島県には三春町(みはるまち)がある。名前だけは以前から知っていた。数日前の新聞の投稿でその由来を知った。春になると、梅桃桜がいっせいに咲くことに拠るとのことだった。由来を知って、なかなかいいネーミングではないかと思えてきた。 古い地名にはそれぞれ意味がある。地名も文化だとの指摘は多いが、その通りだと思う。
上高地は神降地が転じたものだと何かで読んだ記憶がある。そう、字義の示す通りの意味だったのだ。 新しい市町村名にもそれぞれ意味があるはずだ。その説明をきちんとしておくことはやはり必要ではないか、と私は思う。
栃木県には「さくら市」が誕生した。この手の名前をどう評価すればよいのか分からないが、日本一のさくらの名所を育てるくらいのことをしないと名前の意味が薄れてしまうだろう。
昨晩は、飲み会だった。店の外部はコンクリート打ち放し、内部はモダン和風と評すればよいのか、なかなか雰囲気がよかった。「樹(いつき)」という店の名前は店主の名前の一字を採ったものと名刺から判断した。
ところで飲み会に「酔族会」と名前を付けたが、それは北杜夫のエッセイ集『マンボウ酔族館』/新潮文庫から採った。