① アトリエ・ワン展 @ギャラリー間(0703)
② 塩尻市民交流センターのスタディモデル ワークショップの会場にて
③ カフェのスタディモデル
■ モノを創ることには根源的な喜びが伴うように思う。別に教えるわけでもないのに幼児が積み木を積んで遊んだりすることがそのことを示しているのではないか。建築(別に建築に限ったことではないが)の模型を作ることも同様に楽しい。
さて、建築の模型は①のようなプレゼン用(一般的には建築の完成した状態を表現した模型)と②や③のような計画の検討用とに大別される。最近では模型に替わってCGによるプレゼンや検討も行なわれるようになったが、CGと模型、両者には決定的な違いがある。CGの空間はバーチャル、模型の空間はリアルなのだ。
やはり模型の方がプレゼンにも計画の検討にも好ましい、とアナログ人間の私は思う。
③は都内の私鉄沿線の住宅街に計画された9坪位の小さなカフェの検討用模型。既存の木造の1階の一部のリフォーム計画。
手前の2面の壁は取り外されているがその壁についている窓からこの空間を覗くと実にリアルに見える。上方からの光がカウンタートップにあたる様子や空間の光の分布などがよく分かる。
この空間を決定的に規定するのはやはりキッチンカウンターだろう。ここには機能性とインテリア性がシビアに求められる。この部分が上手く出来れば、シンプルでモダンな空間が出来るのではないか。友人から内装などの計画の説明を受けてそう思った。
前面道路に沿って桜並木が続いている。道路に面した壁(模型では外されているが)の縦長の窓からは桜が美しく見えるに違いない・・・。そのことを実際に確認するのを楽しみにしている。
■ NHKのテレビ番組「美の壺」が既に何冊か本になっていることを知った。その内の1冊「アール・デコの建築」を書店で見つけて購入。
お馴染みのアート鑑賞マニュアル。アール・デコ建築鑑賞マニュアルの三つのツボの内、壱のツボは「繰り返しが生むリズムを楽しむ」! このツボは、私が取り上げる繰り返しの美学と同じ視点でアール・デコ建築をまず鑑賞しようというわけだ。因みに弐のツボは「つるつるした素材が格好いい」、参のツボは「ビルの表情を壁に見よ」。
この本には日本のアール・デコ建築の代名詞ともいえる旧朝香宮邸(現東京都庭園美術館)が取り上げられている。アール・ヌーヴォーは曲線的、有機的なデザインが特徴。その後、1920年頃に始まったのアール・デコといえば直線的、幾何学的。確かに繰り返しの美学が存在しそうな特徴を備えている。
右の写真は旧朝香宮邸の大広間の照明。繰り返しの美学。私がブックマークしているあるブログにもしばらく前に、この建築の繰り返しの美学を捉えた写真がアップされていた。
今ここでこの展覧会が開かれている。会期は3月31日まで。これはもう行くしかない!
東京都庭園美術館のHPより転載