『ときどき意味もなくずんずん歩く』宮田珠己/幻冬舎文庫
**二一世紀だ!二一世紀がやってきた。よくわからないが、うれしいことにする。**
**飛行機なんかやめて、全部ジェットコースターで世界を繋いだらどんなに安心かと思った私である。**
**途中ラブホテルの脇に出て、あの窓の内側では今頃素晴らしい何かが行なわれているのではないか、それなのになぜ私はその横を大仏めがけて歩いているのか、(後略)**
面白い文章を書く人がいるものだ。こんなエッセイ集が幻冬舎文庫にあることは知らなかった。旅行のこと、趣味のこと、日常生活のことなどについて書いているが、どれも笑ってしまう。
この本は友人からのプレゼント。今までに『クラウド・コレクター』や『羊男のクリスマス』『ザ・ホテル』など何冊か紹介してもらった。自分では手にしそうにない本ばかりだが、どれも面白かった。相当の本読みでないと本を薦めるのは難しい。
読む本にはその人の内面が表れる。だから本を人に薦めることは自分の内面を明かすことにもなる。他人に書棚を見せることは裸を見せることより恥かしい、という人もいるくらいだ。
今、この友人に薦めるとしたら一体どんな本を挙げればいいだろう・・・。