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透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

年の始めの伝統行事 御柱

2013-01-04 | D 繰り返しの美学

 松本平の各地で年の始めに行われている伝統行事、御柱。昨年見逃した御柱を見てきた。

まずは、松本市波田(旧波田町)上波田中町地区。生活道路の脇に立っている御柱。


撮影日 130104


これも繰り返しの美学。

次は松本市梓川(旧梓川村)上野花見(けみ)地区。地区の広場に立っている御柱。


この御柱は松本市の重要無形民俗文化財に指定されている。


御柱は各地区それぞれ形が違う。

カラフルなオンベ(御幣)は御柱倒しの後に外され、無病息災のお守りとして各戸に配られる。


歳神降臨の依り代として立てられる御柱。それは厄病神や貧乏神など、厄神の目印にもなる。派手な飾りは厄神を威嚇するためだという(友人の論文:「道祖神の柱立てと火祭りとの関係 ―安曇野・松本平・上伊那の事例から―」による)。


ちなみに道祖神の熱々カップルも集落へ厄神が入り込むのを防ぐためだという。過去ログ


 


しめ縄

2013-01-04 | D 繰り返しの美学



 新しい年が始まった。

2日、長野駅から善光寺までの参道を歩いた。繰り返しの美学、先端のデザイン、包む、建築に棲む生き物・・・、ブログの各カテゴリーを意識しながら。

縄を張り、紙垂(しで)を等間隔に吊るしてある店舗があった。しめ縄、繰り返しの美学!

しめ縄の起源は「古事記」の世界まで遡ることができるという。そこで『古事記 21世紀版少年少女古典文学館1』橋本治/講談社でその記述を探した。



**アマテラス大御神は、天の岩屋戸の外へとお出になりました。
「いまだ!」と思うフトダマの命(みこと)は、用意しておいたしめ縄を手にして、アマテラス大御神のうしろへと走りよりました。天の岩屋戸をお出になったアマテラス大御神が、もう一度その中へお入りになることができないようにと、フトダマの命は、手にしたしめ縄を天の岩屋戸の前に張りめぐらして、出入りを禁じてしまったのです。**(83頁)

この部分を『古事記(上)』次田真幸/講談社学術文庫からも採る。

**やくやく戸より出でて臨みます時に、その隠り立てりし天手力男神、その御手を取りて引き出しまつりき。即ち布刀玉命、尻(しり)くめ縄をその御後方(みしりへ)に控き渡して白言さく、「これより内に得還り入りまさじ」とまをしき。**(88頁) 

ちなみに「尻くめ縄」を別の本、『古事記』武田祐吉/角川文庫では「尻久米縄」と表記している。もともとの表記は尻久米縄だったのか・・・。

この出来事がしめ縄の起源だという。

『古事記 21世紀版少年少女古典文学館1』には、しめ縄について**しめ縄とはシメ(占有)のしるしの縄をいう。しめ縄を張ることで、そこが神聖な場所であることを示すとともに、悪霊が入れない場所であると考えた。**(80頁)と簡潔で分かりやすい注釈をつけている。

そうか、しめ縄のしめって占めるという意味だったのか・・・。このしめは締める、閉めるにも通ずる言葉かもしれない。