■ 先日読んだ『福岡ハカセの本棚』福岡伸一/メディアファクトリー新書の第3章「生き物としての建築」に本書が取り上げられていた。
メタボりズムというのは生物の新陳代謝を建築に適用した概念で、本書で著者の建築家・黒川紀章はメタボりズムについて広範な知識を駆使して論じている。
メタボリズムを具現化した代表的なというか、唯一といってもいい建築作品が黒川紀章の「中銀カプセルタワービル」だ。このビルのカプセルは古くなれば新しいものに交換して、ビル全体として性能を保持し続ける、福岡さん言うところの「動的平衡」というアイデア。
本書の初版の刊行は1967年、黒川紀章33歳のときで、「中銀」はその5年後の竣工だから残念ながら本書には取り上げられていない。それにしても30代前半でこれだけの論考をし、しかもその概念を具現化してしまったなんて・・・。ただ凄いとしか言いようがない。
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