■ ホームレスのブルーシートハウスでの生活をレポートした『TOKYO 0円ハウス 0円生活』大和書房。その生活に魅せられた著者・坂口さんが、たった3万円でモバイルハウス(動く家)をつくる。そして家とは何かという本質的な問いについて考える。
繰り返し語られるのは都市全体を自分の家のように利用するということ。住居は寝室とちょっとだけ仕事をするスペースに絞りこむ。電気は小型ソーラーパネルでまかない、水道は公園、トイレはスーパー、ガスはカセットにすると、インフラに繋がっている必要性はない。家の要素を外在化するという考え方。車輪をつけて建築基準法が規定する建築に当て嵌まらないように考えたのも「ミソ」。現行法を変えるのではなく、法律の適用外の世界に移行してしまおうという発想。
なかなか興味深い試みではある。ただ、これで社会というシステムが成り立つのかどうか。いや、このように考えることが既成概念にとらわれている証拠かもしれない。
人間にとって家とは何か?自分に最低限必要なものは何か?