■ 「マイノリティ・リポート」を観た。
先週の金曜日(12日)にNHKラジオの平日午前中の帯番組「すっぴん」を聞いた。金曜日のパーソナリティは作家の高橋源一郎さん。番組の「高橋ヨシキのシネマストリップ」というコーナーで「マイノリティ・リポート」が取り上げられた。放送を聞いていて観たいと思った。早速DVDを借りてきて、観た。
2054年のワシントンD.C.が舞台のSFサスペンス。監督はスティーブン・スピルバーグ、主演はトム・クルーズ。
3人のプリコグ(予知能力者)で構成された殺人予知システムを導入したワシントンD.C.では、犯行直前に警察官が現場に急行して「犯人」を捕まえてしまうので殺人ゼロ。ある日、トム・クルーズ演ずる犯罪予防局の刑事・ジョンが犯人だという殺人が予知されて・・・。後は彼が逃げながら事の真相を探るという、この手の映画お決まりの展開。
ジョンは殺人予知システムを開発した年配の女性科学者に助けを求める。ジョンは女性科学者から得た情報により、プリコグの脳内に保存されている情報(3人の予知が不一致の場合のマイノリティ・レポートはシステムの不完全性を隠すために削除されているが、プリコグの脳内にのみ保存されている)を取り出すことをある人物に依頼する。だが、取り出された情報も彼の犯罪予知を示しているだけだった・・・。
以下、私が直接ストーリーとは関係しないけれど注目したシーン。2054年のワシントンD.C.はすごい都市になっている。
網膜をチェックして人物を特定する装置が町のあちこちに設置されていて、特定された人物向けのCMが表示されたり(現在パソコンはこれに近い状況で、使用者向けの広告が表示される)、電車内で読む新聞に速報記事が表示されたりもする。
いかにも未来的といった感じのデザインの車は高層ビルの外壁面を垂直走行する!高層階にあるジョン(トム・クルーズ)の自宅マンションの外壁面に車が横付けになり、直接室内に入る。インテリアデザインもハイテックで未来的。
ジョンは闇医者から目の移植手術を受けて他人に成りすますし、摘出した自分の目を持ち歩いていて認証システムを潜り抜けたりもする。摘出した目を誤って床に落としてしまい、転がる目を追いかけるシーンはいかにもスピルバーグ的な遊び。
他にもスピルバーグ的なシーンがいくつもあった。
例えば「スパイダー」と呼ばれる手のひらサイズのクモ形ロボットがドアの下の隙間などから建物に侵入、住人の網膜チェックをして人物を特定するが、このスパイダーもスピルバーグ的。彼はこの手のロボットが本当に好きなんだなぁ。ジョンが手術を受けたところも同じ建物内にあって、彼が迫ってきたスパーダーをかわすシーンにはハラハラ。
あらゆるシステムの構成に人が組み込まれている限り、悪事に利用されたりもするし、エラーも発生する。この映画はこのことを警告しているのだろう。