いつものスタバ、いつもとは違う円卓で。そのわけは本のカバー装画にあり。
■ 何年か経って今年(2022年)を振り返る時、どんな年だけ? 何をした年だっけ? となるのはなんとも切ない。今年も来年も、その先ずっと毎年記憶に残るような年にしたいものだ。今年は『源氏物語』を読んだ年として記憶に残るようにしたいと思う。
『源氏物語』を読み始めた。デビュー作『幸福な遊戯』、直木賞受賞作『対岸の彼女』、中央公論文芸賞受賞作『八日目の蝉』・・・。現代語訳した角田光代の作品も読んでみようと先日『さがしもの』(新潮文庫2021年第26刷)と『マザコン』(集英社文庫2011年第3刷)を買い求めていた。
今日(18日)『さがしもの』を読んだ。表題作など本にまつわる短編を9編収録した短編集。
「旅する本」 古本屋に売った本(翻訳小説)と海外の古本屋で再会するという物語。
「彼と私の本棚」 アルバイト先でハナケンと知り合った私。 **ハナケンを自分のアパートに呼んだのはその二ヵ月後で、部屋にあがったハナケンはまず本棚に近づいて、うわ、と声を出した。なになに? とのぞきこむと、自分ちの本棚みたい、とつぶやいた。
実際、ハナケンのアパートの本棚は私の本棚みたいだった。さしこまれたほとんどの本に見覚えがあった。**(68頁)
ハナケンから好きな人ができたとうち明けられた私は別れることに・・・。**その人、本を読むの?**(72頁)とハナケンに訊く。 これ、分かるなぁ。
「さがしもの」 **「あんたがその本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」**入院しているおばあちゃんからこんなことを言われた私はあちこち本を探して歩くのだが・・・。印象に残る作品だった。
角田源氏は読みやすいけれど、この『さがしもの』も読みやすかった。