■ 藤沢周平の時代小説が好きでよく読んでいたが今年5月の減冊で他の多くの本と共に全て松本市内の古書店に引き取ってもらった。
昨日(4日)ふいに好きな作品を残しておこうと思った。最も好きな藤沢周平作品。ぼくは迷うことなく『橋ものがたり』(新潮文庫)に収録されている「約束」を挙げる。で、昨日、スケッチ展の会場近くの書店(平安堂あづみ野店 *1)で早速買い求めた。他の作家の作品も同じように最も好きな作品を再び買い求めて書棚に並べるかもしれない。
幼なじみの幸助とお蝶。奉公に出ることになったお蝶が幸助を仕事場に訪ねてくる。
**「五年経ったら、二人でまた会おう」(中略)「どこで?」「小名木川の萬年橋の上だ。お前は深川から来て、俺は家から行く。 そして橋の上で会うことにしよう」**(20、21頁)
五年後・・・お蝶を待つあいだ、幸助は考える。五年前の約束だ。お蝶が覚えているとは限らない・・・。今ごろ知らない男の女房になっているかも知れない・・。
再会を果たす場面を早速読んだが、やはり涙が滲んだ。この作品のテーマは「信頼し合うことの尊さ」かな・・・。
過去ログ
*1 平安堂あづみ野店には『あ、火の見櫓!』でお世話になった。