長野放送「みんなの信州」2019.07.08
■ 長野放送(NBS)の取材を受けた2019年の7月3日、4日は『あ、火の見櫓!』はまだ校正の段階だった。同月8日の放送では秋に出版予定と紹介された。今年、2021年の1月11日に今度は信州のローカル本特集で紹介したいということで信越放送(SBC)の取材を受け、同月18日に放送された。私の本が編集段階と出版後を長野放送から信越放送に引き継がれるようにして紹介されるという幸運に恵まれたのだった。
信越放送「ずくだせテレビ」2021.01.18
信越放送の番組では本の紹介と上伊那郡辰野町の火の見櫓を北川原アナに説明する様子などが20分近く放送された。上掲の火の見櫓(辰野町小野雨沢)は2011年の8月に見ていて、ブログにも載せているが、きちんと(「きちんと」は私のキーワード)見ていないことに取材中に気がついた。それで今日(11日)改めて観察してきた。火の見櫓巡りを始めた2010年の翌年のことだから、まだ観察眼が「きちんと」備わっていなかったのだろう。
以下観察記
まずは遠景、火の見櫓のある風景を見る。火の見櫓が立っていると凡庸な風景が魅力的になるから不思議。火の見櫓は地域人たちが地域を大切に思い愛する地域愛の象徴であり、地域のランドマークでもある。風景の構図は道路が一点透視図のように奥行き方向に伸び、家屋や樹木が道路沿いに連なる「道路山水」が私の好みだが、下の2カットの構図はそうはなっていない。
(再)撮影日2021.02.11
火の見櫓のある風景を見た後、火の見櫓に近づいてその全形を見る。まず型(タイプ)の確認。この火の見櫓は3脚66型だ。櫓は下方に向かってなだらかなカーブを描き、末広がりになっている。末広がりというのは櫓の美的条件として外せない。お手本は東京タワーだ。次に火の見櫓を構成する要素を見る。まず屋根と見張り台。
屋根下地の様子も見る。反った6角錘の下地はどうなっているのだろう・・・。稜線(下り棟)の下地を軒先から更に伸ばし、くるりんと曲げている。これが蕨手。見張り台の手すりのデザインにも注目する。〇と蔓状の逆ハートはよく目にする飾り。
次に踊り場を見る。外付け梯子から櫓の内部に入るが、そのゲートの両側に切文字で「小ノ村(小野村)」「雨沢分団(沢は右側のつくりの部分が欠損している)」と表示してある。腕木の先に表面がつるりんちょな半鐘が吊り下げてある。屋根下の半鐘の表面にはぽつぽつがついている。このぽつぽつのことを乳というが取材ではぽつぽつとしか説明しなかった。女子アナ相手に乳はまずい。セクハラおじさんにならようにと、理性的な判断が出来て良かった。
脚部。美脚の条件の説明は案外難しい。火の見櫓を女性に見立てて「美脚だな~」と観察することがあるそうです、とスタジオで進行役の女子アナが僕に代わってコメントしていた。よく覚えていないが僕が現地で北川原アナにこのように語ったのだろう。
火の見櫓、この魅力的な世界に出口はない。