■ このところ建築トランプモード全開です。
私が最初に観た谷口吉生さんの作品は「土門拳記念館」か「資生堂アートミュージアム」のどちらかだと思います。
今回のカードは豊田市美術館、ここを見学に訪れたのはもう5、6年位前?のことです。端整なデザインが谷口さんの建築の特徴ですがこの美術館も例外ではなく知的でシャープな姿が印象的でした。
人工的に造られた「水庭」のエッジに沿って薄い壁が等間隔に何枚も並んでいます。そう、「繰り返しの美学」。水庭と壁の連なりが外観を特徴付けています。
谷口さんはMoMA ニューヨーク近代美術館の増改築計画のコンペで当選しています。その応募案の展覧会が東京でありました。もう10年位前のことだろうと思いますが。応募案のプレゼン用図面が実に美しかったことを今でも覚えています。
この作品集はその展覧会会場で買い求めたものです。谷口さんの作品の写真集。欲しい本は少し無理をしても買い求める、基本です。
どうしてこんなに美しいんだろう・・・、そのポイントはどこにあるんだろう・・・。谷口さんの建築デザインの特徴を一言で、ということになると「端整」だと私は思います。少し遊んでもいいのではないかとも思いますが、隅々までとにかくビシっとおさめています。余分なもののない簡潔なディテール、魅了的です。
この作品集に載っているのは豊田市美術館に併設されている茶室だと思いますが、写真を観るとシャープな線で構成されていることが分かります。真、行、草、茶室もこのようにスタイルを分けることが出来るのですが、真以上にカチっとした茶室、谷口さんが設計すると茶室もこうなるのだな、と納得します。
http://www.tnm.jp/jp/guide/map/horyujiHomotsukan.html
上野の法隆寺宝物館も谷口さんの作品、やはり水庭を配し「和」を感じさせる美しい建築です。もう一度訪ねたい建築です。