透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

今年の3冊 2010

2010-12-19 | A ブックレビュー

 今年も残すところあと10日ほどになった。今年の読み納め本は何になるのかまだ分からないが、今年印象に残った3冊を挙げる。




『日本辺境論』内田樹/新潮新書

「辺境性」という観点から日本文化の特殊性を説く。和辻哲郎の『風土』に通じると見た。
一方通行的にこの国に流れ込んできた外来文化の受容とこの国なりの変容。日本の文化の歴史は辺境という地理的な条件からの必然か・・・。


『進化の設計』佐貫亦男/講談社学術文庫

神(造物主)をデザイナーに見立てて、神の様々な生物デザインを評価する。神のデザインは常に完璧、というわけではもちろんなかった・・・。

このことを指摘する関連本2冊。


『おそめ 伝説の銀座マダム』石井妙子/新潮文庫

起伏の多い人生を「さだめ」と受け止めて生きぬいたおそめさんの生涯。多くの文人や政財界人を魅了し続けたおそめさんの魅力とは・・・。

書棚にはこんな本も。




瓦と雪のパターン

2010-12-19 | B 繰り返しの美学

197901

 昨日(18日)、瓦屋根の写真をアップして、30年以上も前に都内で撮ったこの写真のことを思い出した。瓦の雪が陽の当たる部分だけ融けている。

このパターンを美しいと感じてカメラを向けたのだろうが、当時は「繰り返しという単純なルールによって秩序づけられた状態は美しい」などと、繰り返しの美学のことは考えもしなかった・・・。

今ならこの屋根の瓦と雪のパターンも繰り返しの美学と捉えることができる。