■ 師走、今年もあと1ヶ月。「光陰矢の如し」を実感する。
川端康成の小説は中高生のときに読んだ、という人が多いかもしれない。私もそうだった。文庫本の用紙が薄茶色に変色していて時の流れを感じる。文庫本が自室の書棚に並んでいて、常に目に入ることが再読のきっかけになった。電子書籍ではこうはいかないだろう。
川端康成の小説には自然の美が織り込まれ、物語は季節のうつろいと共に進む。川端がこの国の美しい自然、文化を愛でていたことは、ノーベル文学賞受賞記念の講演のタイトルが「美しい日本の私」だったことからも窺える。
11月はこの作家の4作品を再読しが、『千羽鶴』の続編の「波千鳥」が最も印象的だった。数年前、『雪国』、『眠れる美女』(共に新潮文庫)も再読したから、あとは『古都』か・・・。