■ 「小学校学習指導要領」が手元にあります。この中に学年別漢字配当表が載っています。それによると2年生で習う漢字は160字で、鳥や魚が入っています(平成元年版ですから現在は違っているかもしれませんが・・・)。
鳥や魚は総称で、抽象的ですね。小さな子どもたちにとっては、いや大人にも抽象的なものより具体的なものの方が分かりやすいし理解しやすいですよね。ですから、ものの名前の漢字だって具体的なものの方が抽象的なものより画数が多くても分かりやすいことだって少なからずあると思うのです。
鳩より鳥を、鯖より魚を先に習うのは、画数が少ないから覚えやすいはずだ、というきわめて観念的な考え方や、抽象化してものの総体を把握する能力のある大人の判断ではないのかな、と思います。
この「鳥と鳩」については、もう何年も前いや何十年も前になるのかな、取り上げた評論家がおられたと思うのですが、思い出せません。
鳩なら、例えば近くの公園でみることができるでしょうから、漢字にその姿を対応させて覚えることができると思うのです。いろんな鳥たちを「鳥」と抽象化できない小さな子どもたちにとって「鳩」はいても「鳥」はどこにもいないのでは。
仮に母や父より親という漢字の方が画数が少なければ、先に教わることになったかもしれません。母と父がともに親という言葉で括られるということを理解するのは少し先のこと、小さな子どもたちには難しいでしょう。
どのように教えれば子どもたちが理解しやすいのか、例えば認知心理学などいろんな観点に基づく議論がもっと必要ではないのかな、と思うのですが・・・。
(3日の記事を書き改めました。)